第4話 日本独立軍
日本独立軍
2035年 5月に設立された、政府から犯罪者認定された極東人30人から構成する 日本の独立を企む組織
彼らは石巻市を本拠としている
彼らの主な活動は、「テロ」だ
建物を爆破したり、政府高官を暗殺したり、財を盗んだり
その凶暴性から、一般人はもちろん元日本人でさえも怖がられていた
「よし......」
自宅から片道2時間
その膨大な時間をかけ、水面は本社にたどり着いたのだった
普通2時間も歩けば人間は疲れるだろうが、水面にとっては脳が別のことに侵されていたためかすり傷に等しかった
今、水面は日本独立軍という組織に入ろうとしている
母を殺されたあの日にすぐ家を出発し、凶暴だと噂されている日本独立軍に向かい 復讐を果たそうとしていた
「入るか」
水面は緊張した手でドアを開けた
「.....」
中には本棚やベッド、テーブルが置かれている
傍から見れば普通の家だろう
しかし、それは普通に見せる仕掛けである
「よいしょっと......」
水面は本棚を横にずらした
水面はそれを見てほっとしたような顔をした
本棚の先には地下に繋がる階段があったのである
「......あった」
人が入れるくらいの長方形の穴が違和感なくそこにあった
水面はそれを確認するや否や速足で穴の中へ入っていった
「......汚いな」
開口一番、水面がそう言った
普段汚いものを見ている水面が異常と感じるほどそこは汚い部屋だったのだろう
コンクリートで固められていて、本が乱雑していて
所々に銃や爆弾が置かれてある物騒な部屋
掃除はしてないらしく埃やごみが散らばっている
誰から見ても汚部屋だと分かる光景が広がっていた
「もう終わりだ......俺たち......」
「ん?」
側で誰かの声が響く
水面が横を振り向くと、その先にはまだ成人もしてない大学生くらいの年頃の感じなのに、白髪があり髭が伸びている男性がそこにいる
顔をうなだれ、部屋の隅で縮こまっている
「ここが日本独立軍か?ここに入りたいだが......」
「入隊者か?悪いが、入るのは止めておけ。この組織はもう終わるんだよ」
「何で終わるっていうんだよ」
水面は声を荒げ、疑問をぶつけた
「俺たち日本革命軍はもう4人しかいない。政府に嗅ぎ付けられたりして26人も死んだ」
「それでもまだ人はいる。ここから頑張れば」
水面の声を遮り、団員らしき男は覇気のない声で言った
「無理なんだよ......」
「なんで!?」
「だから!もう4人しかいない時点で詰みなんだよ」
「......」
「俺ら日本独立軍は石巻市の支援から成り立っている。しかし、4人しかいないってことは石巻市の連中も結構な数が秘密警察に捕まっているはずだ。だから無理なんだよ!」
その男はあらぶった感情を落ち着かせ、深呼吸すると落ち着いた口調でまた言った
「普通の常識的に考えて、中国に楯突き独立するなんて不可能なんだ......。俺ら日本独立軍は近々逃げるつもりだ。お前も早くここから逃げた方が良いぞ」
「う......」
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