第22話 学園生活の裏側
俺が公爵様から受けた依頼はミシェル様のそばで護衛につきながら、学園の中を捜査すること。
そのために、ナイルさんがダラスさんに頼んで作ってもらった品がスキル玉「魔力擬装体生成」がはめ込まれたマスク。
これにより、ナイルさんが描いたイラストを元にして顔を成形、執事服をまとえば、ニールの完成。
その翌日からミシェル様の護衛として活動。
ちなみにダンジョン講義の時には不測の事態を想定して、ニール役をリムに変わってもらっていた。
後日、ナイルさんとのチャット内で攻略対象者の情報を聞く。
【まず、ヒロインであるミラ。攻略対象者が僕の兄でカイル。その側近でシール、クロス。クラス担任のシリウス先生。そして、最後に僕。】
【え?ナイルさんも攻略対象なんですか?】
【そうだよ、というかそれが嫌だから自分でいきたくなかったんだよ。その点、君に協力してもらえてよかった。】
【たしかに魔具がないと危ないですからね。】
【僕としてはヒロイン嫌いだから攻略されたくなかったんだよね、会社の意向で決まったキャラで、しかもナイル攻略対象にしてハーレムルートふざけるなよ。】
【相当、頭にきてるようですね。】
【本当はこんな作品になるはずじゃないなかったんだけどね。
クソゲーとして認知されるかなと思ったけど、予想以上に売れたもんだから、追加DLでハーレムルートなんてつくっちゃってさ。
で、悪役に指定されてるミシェルなんて、どのルート行っても斬首だよ?
乙女ゲーで首ポロリとか何考えてんのとおもったよ。
しかもCGまで作ろうとか言い出したからね、それは断固として拒否したよ。】
【ははは。大変でしたね。】
【で、ルート作り終わった直後にポックリいってこの世界にきたワケだ。
で、都合よく学園作られていたと。
転生させた神の仕業かと思い、君に調査してもらった結果、そうでもないらしい。】
【というと?】
【都合のいい部分だけを作って後はそこらの素材を突っ込んだだけと言った感じの偽物さ。
ファンブックでも参考にして作ったから他の部分がおざなりなんだよ。
そして、それがよく現れてるのが町の状態なワケさ。】
【そうするとこの町を作ったのはそのゲームを知っているだけの人ということですか?】
【そうだね、開発陣はみんな愚痴りながら、やっていたからもし、この世界にいるなら、ゲームの内容自体変えてるだろうね。そういや、現実でミシェルの縦ロールってどうなの?】
【縦ロール?いえ、どこもそんな巻いてる部分がなく、ストレートでしたよ?】
【うん?もしかしてだけど、ヒロインに嫌がらせしてない?】
【ミラさんにですか?逆に絡まれてうんざりしていますよ?】
【・・・。そうなると原作と違う行動をとるミシェルも転生者である可能性が出てくるね。彼女と協力できるのであれば・・・。いや、危険かな。とにかく、君はミシェルの護衛を怪しまれないようにつづけてくれ。あ、後、ブローチ増産したから、送っておくよ。】
【これは公爵家の方々に渡すんですか?】
【そうだね、カイルには面識あるけど、仲悪いし、他の攻略対象に渡すのもリスクがあるからね。頼んだよ。】
【わかりました、ではまた。】
ナイルさんの説明により、この町を作った存在はゲーム通りの展開を望んでいるようだ。
そうすると学園内の関係者が一番怪しい。
でも、メインキャラがそれだとは限らない。
あれはシナリオ通りの動きをしているとしか思えない。
となるとその他の者となるのだが、尻尾を出すまで待つしかないのかな。
ダンジョン講義の時は事前にナイルさんにダンジョン内で起こることを教えてもらっていたおかげで対処が容易だったのだが、ここでミシェル様の反応が気になった。
このイベントを知らなかったのだ。
ゲームのイベントを知らないということはDLができなかった可能性か、その前にゲームから離れたか。
ここで思い出したのは前世の妹。
確か、ゲームをやっていたのはDLがなかった。
そして、時々、感じる懐かしい雰囲気・・・。もしかしたら・・・。
そんなことを考えつつもミシェル様の護衛を中心として、怪しい人物が出るかを観察していき、その裏でリムにも学生に扮して潜入してもらっていた。
と、そんな時に起こったのが、階段の突き落とし。
その時、ミシェル様は自分のそばにいたから確実な証拠になっているはずが、階段でミシェル様の姿を見たという証言がでてきた。
ここにミシェル様がいる以上、黒幕が手を出してきたと思うが、ここでミシェル様のそばを離れるワケにはいかない。
リムにまかせて、俺はミシェル様のそばに控えることにした。
落ち込むミシェルの姿にゲームの展開を見て、悲しんでいる妹の姿が重なる。
だから、俺はミシェル様の味方になると宣言した。
妹ではないかもしれない。
でも、今度こそは守ってやりたい。
そう、決意し、断罪当日を迎えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます