第72話 宴会
店に帰るとジャンさん達が宴会のために準備を進めていた。
「ただいま。」
「あ、おかえりなさい、カサネさん。」
声に気づいたシャルちゃんが作業をやめて、こちらに来る。
「体調、大丈夫かい?」
「はい、騎士様達のおかげで傷も直してもらいました。」
「そうか、早く助けられてよかったよ。」
「はい、意識はなかったんですけど、後でカサネさんが助けにきてくれたって聞きました。ありがとうございました。」
「どういたしまして、じゃあ、俺も準備を手伝うよ。」
シャルちゃんの頭をポンと軽く叩いた後、厨房へ入る。
厨房に入るとジャンさんとシルビアさん、そして、子供が一人いた。
「ただいま、戻りました。あれ?シフじゃないか。」
「あ、カサネ兄ちゃんお帰り。」
「おう、カサネ帰ったか。お前がシフをここに来させてくれて助かった。で、シフがどうしたいか聞いたらな。」
「ここで働きながら、冒険者いしたいっていうのよ。幸い、部屋はまだあるから今日から見習いで働いてもらっているの。」
「そうなのか、それでよかったのか?」
「うん、ここに来て、伝言を伝えた時に決めたんだ。頼れる冒険者になりたいって。それでさ、迷惑かけた人に詫びもしたいってのもあるし。」
「そうか、えらいなシフは・・・。」
「よし、宴会なんだ、どんどん作るぞ、カサネ!」
「はい!」
それから俺達はハンバーグととんかつを作っていく。
ハンバーグのタマネギの皮むきを子供達に任せて、俺とジャンさんでひき肉、タマネギのみじん切り、後の混ぜて、焼くのはシルビアさんにしてもらう。
とんかつについては厚めにスライスしたオーク肉を油部分に切り込みを入れて、全体を綿棒で叩いていく。その後は小麦粉、騎獣の卵、パン粉の順につけていって準備完了。
後は鍋いっぱいに溶かしたオークラードをトングを入れて、細かい泡がでる位の温度に調整して、とんかつをきつね色になるまで揚げていく。
とんかつ、まあオークかつだが、試しに今いるメンバーで食べてもらうと満足してもらえたので、ジャンジャン揚げていく。
他にもつくりたいと思うが手が足りないので後は野菜を刻んだサラダを作るのみとした。
そんあこんなで山になったハンバーグとオークかつが出来上がったころ、各自で酒を持ってきた常連の冒険者達がきた。
そこからはバクバクと喰いつつ、酒をあおり、宴会は続いていった。
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