第67話 VSストーム 狂戦士ゾンビの猛攻
「さて、仕切り直しといきたいとこだが、リム、さっきのあれはなんだ?」
『あれは魔剣のスキルが変化した「ドレインタッチ」だ。性質はほとんど同じだな。実体化した黒い手で相手に触れれば、相手の力を奪える。』
「やっと、攻撃手段ができたわけか。」
『これで足手まといにはならないな。』
「というワケで、スミレ。リムと協力してあいつを抑えてくれ。俺がその隙に切り込む。」
「わかりました。では、「ヒール」「ホーリーエンハンス」」
三人に回復と強化がされた時、ストームが大剣を掲げ、飛び込んでくる。
『ドレインタッチ』
リムから出た黒い手が大剣を掴むが大剣の勢いを多少抑える程度。
「はああ!」
俺は腕力強化を使い、勢いの落ちた大剣をそらし、地面に向かわせる。
俺はそこからストームに対して、突きの構えで突撃する。
が、ストームは右手の黒い手を解除、こちらを追いかけるように黒い手を再形成して伸ばす。
「ホーリーレイ」
スミレの指先から光線が放たれ、俺を追う黒い手に当たり、霧散させる。
その隙に俺は頭を狙い、突きを放つ。
カン!
が、突きとおすかと思った一撃は皮膚を通った後の硬質なものに邪魔される。
「!?」
手にしびれが来るほどの衝撃を受ける。
その隙にストームは剣を受けた頭でこちらに頭突きをしてくる。
その攻撃を踏ん張らずに剣で受け、そのまま、後方へ飛ぶ。
ピシッ
が、代償として剣が半ばから折れてしまう。
「しまった!後、あるのは鞭くらいか。くそっ騎士達が戻ってくるまでもつか?」
俺はアイテムリストからスキル玉パラライズがついた鞭を取り出し、墓に刺さっている石に巻きつけ、力いっぱい振り、石が地面から抜け、ストームに飛んでいく。
ストームはその攻撃を避けることもなく、大剣は置いたままこちらへ駆けだす。
石が当たってもひるむ様子もなく、突進してくる。
リム、スミレが防ごうと攻撃するが突進の勢いは止まらない。
後できることはと思い、ダメ元でスライムゼリーをストームの顔に出し、アサシンの気配希薄を使い、全力で横に飛ぶ。
ゴッ!
狙いがわずかに逸れたおかげか、ギリギリのところで足が当たり、俺はゴロゴロと転がる。
足は折れていないが、回復されない限り、あまり動けそうにない。気配希薄を使っているが、それでは二人が危険がおよぶ。
と思っているとこちらに奴の目が向く。
なぜ、気づける。
まさか、当たった感触から判断してここにいるのがわかるのか?
陽動は効くか?いや、こちらの位置を把握している状態で陽動はできない。ならば、最低限の抵抗をするしかない。
後、用意しているのは円月輪。これにを目をスキル玉消化を魔鉄ワイヤーで固定して、目を狙い、投擲する。
突然現れた円月輪を首をかしげることで避けるストーム。
俺は避けた瞬間に消化のスキルを使いつつ、ワイヤーで再度目を狙うように操る。
が、その一撃はくわえることで止められ、円月輪は噛み砕かれる。
円月輪を投げたことで位置が完全にばれた俺にストームは両手を組んで振り下ろすダブルスレッジハンマーの構えをする。
当たれば、即死かもしれないなと思いつつ、最後に手元にあるナイフを構える。
ストームの腕が振り下ろされる瞬間、横から頭を狙う攻撃に気づいたストームが振り払うために構えを解く。
振り払われたの矢。騎士の中で弓を使うものはいないはずと思っていると廃村の影から二つの影が現れ、ストームの背中に剣を叩きこむ。
ザシュッ
その一撃は皮膚をさけるほどの切り傷しかつかなかったが、警戒したストームは大剣を拾いに離れる。
ストームが離れたことで背中に剣を叩きこんだ二人の姿が見える。
「よう、苦戦してるじゃねえか、カサネ。」
「シャルの無事も確認されたから、久々に本気で行こうか。そうだろ、野郎ども!」
「「「オオオオオオオ!」」」
それはアイン、ジャンさん。そして、その背後に集まった冒険者の姿だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます