第64話 VSリンガ 黒い手

人質の保護をスミレ達が請け負ってくれるおかげで俺はリンガとの一騎打ちに望むことができた。


 「はああ!」

 「ぐっ、剣も受けていないのにダメージが!神聖魔法か、忌々しい聖女め!」

 「そのおかげでこちらの攻撃とおるワケだ。」


リンガが魔剣で俺の攻撃を受けようが、ホーリーエンハンスのおかげで魔力膜を中和し、魔剣自体にも攻撃が通る。

そして、こうして攻撃してうちにも


アサシンLV2


ジョブのレベルが上がり、相手の動きがどんどんわかるようになる。

ここまでいくとリンガの動きえを先読みして、石を投擲。


 「が、なぜ、このスピードで動いて当たる!?」

 「慣れたといっただろうに学習しない奴だ。」

 「ならば、これはどうだ!」


リンガが魔剣から黒い魔力を出すとそれが巨大な手となり、こちらを襲う。

嫌な予感がして避けると当たった地面にある植物が枯れ、地面自体も灰色に変わっていく。


 「これは吸い取ったのか?」

 「ちっ、勘のいい奴だ!これが触ったものはすべてを吸いつくす。そして」


魔剣から伸びた手が4つ又に別れ、5つの手になる。


 「この数、防げるか?」

 「!?」


俺は試しに石をその手に向けて、投擲する。

当たった部分ははじけるが、魔力がまた手を形成する。

時間かせぎにはいいがそれではきりがない。ここは回避優先か。

相手の手数が多く、うかつに近付くわけにもいかず、俺は大きな墓の後ろへと非難する。


 「そんなところに隠れたところで無駄だ!」


墓を踏み台にし、ジャンプ上から俺めがけて、上段に魔剣をふりあげるリンガ。

そして、横からは5つの手が逃げ道を塞ぐように空間を埋めつくすように迫る。

俺は用意していたものをリンガに投げる。


 「また、石か。そんなものでどうにかなるとでも。」

 「どうにかするさ、消化!」


俺が投げたもの、消化のネックレスを土で覆い、ネックレス自体に魔鉄ワイヤーを括り付けたもの。

ある程度の距離で俺は魔鉄ワイヤーを通じて、スキルを発動させた。

消化スキルは黒い手を止めるくらいの効果しか生まなかったが、それで十分。俺は次に脚力強化を発動しながら、リンガの頭の上に丸太を出す。

リンガは黒い手が動きを止めたことに気が向いていたが、頭に迫りくる丸太の影に反応し、黒い手をすべて使い、そらすことに成功する。

そして、リンガは俺を見失った。が、後ろには気配を感じた。

直観に従い、リンガは魔剣を後ろに横なぎに放つ。

が、そこには何もいない。


 「残念、それは残像だ。」


俺はアサシンの気配希薄を任意的に切り、一瞬だけ気配を相手に感じさせ、空振りした伸びきった右腕に渾身の一撃を放つ。


 ズバッ!


目のまえにはリンガの右腕が舞っていた。

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