第63話 VSリンガ 聖女の救援

光がゾンビの動きを阻害し、騎士がそれを倒していく。

 

 「なんでここにスミレが。」

 「なんだ、あいつ。俺のゾンビ共が!ん、がっ!」


光がこちらにまで届き、リンガは苦しみ出し、こちらは傷が癒えていく。

苦しんでいる、今がチャンス!


俺はスキル玉脚力強化を使用、助走をつけた飛び蹴りをリンガの顔めがけて放つ。

リンガが苦しんでいるせいで、防御ができず、まともに顔に一撃を喰らい、転がり飛んでいく。

そのうちに俺はスミレ達の元へと合流する。


 「久しぶりだな、スミレ。にしてもなんでここに。」

 「お元気そうで安心しました先輩。ここにいるのは勇者の魔剣奪還に同行したからです。」

 「あれ?その勇者は?」


周りを見ても勇者達は見えない。


 「勇者達はゾンビにやられて王城に撤退してしまいました。」

 「はあ?あ、もしかして、剣が折れたりした?」

 「あの人達、この世界に来てから、鍛錬も何もせずにスキルに頼り切りの戦いしかしてなかったので加減がわからなかったみたいです。いじめにあった子供みたいになってました。」


スミレが呆れながらいう。

あの時の嫌な予感が当たってしまったか。


 「とにかく、スミレが来てくれて助かった。後、あの奥に連れ去られた人達がいるんだ。頼めるか。」

 「はい、わかりました。では、騎士の皆さんにいっt・・・。」

 「それには及びません。」

 「わ!」

 「きゃっ!」


いつの間にかそこにいた騎士に驚く俺達。


 「キリヤからの連絡で行方不明事件とつながっていることはここにいる騎士達が共有しています。なので人質の確保に移っておりますのでご安心を。」

 「キリヤのこと知っているということはナイルさんの部下の方?」

 「はい、ナイル様からの命令により聖女様の護衛についております。」

 「先輩、ナイル様って誰のことですか?」

 「詳しく説明したいけど、そこの奴がそろそろ起き上がりそうだから、終わった後でな。とにかく、この騎士さんは信用できるから、人質の治療を頼む。」

 「わかりました。その前に「ヒール」「ホーリーエンハンス」」


スミレの手が光り、俺にその光りが当たる。


 「これは?」

 「ヒールは回復、ホーリーエンハンスは神聖魔法で肉体を保護する魔法です。ゾンビに神聖魔法は有効だったのでこれなら魔剣にも有効なはずです。」

 「おお、ありがとな。じゃあ、行ってくる。」

 「いってらっしゃい、先輩。」


俺は手をふりながら、リンガへ歩き出す。


 「さて、第二ラウンドといこうか?」

 「くっ、一人で来たことを後悔させてやろう、ここからは全力だ!」

 「ああ、俺も出し惜しみしないさ!」



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