第42話 食事会の開催


まずはハンバーグから、タネは用意してあるので焼くだけ。

まずは銅のフライパンで焼いていく。

火にかけるとすぐに熱が伝わり、焼いてみるとすぐに焼き目がつく。

フライ返しでひっくり返ししようとすると、先端部分が少しふといらしく、うまく肉の下に入らず、ひっくり返す時に少し崩れてしまった。

そんなアクシデントもありながら、後は蓋をして、蒸し焼きして完成。

ここまでして、ジャンさんとダラスさんに聞いてみる

 

 「これで完成です。どうでした?」

 「そうだな、銅のフライパンは焼き料理には最適だな。

ただ、ひっくり返す時のフライ返しだったか、これではダメみたいだな。」

 「そうだな、先端を尖らすか、もっと薄く作るのを目指さないといけないな」

 「あくまでこの形だから、フライ返しが必要です。棒状に伸ばした状態ならフライパンを傾けるだけでひっくり返せますし。」

 「とにかく、フライ返しは作り直しだな。」

 

次にお好み焼きに移る。

器に小麦粉と卵液、水を入れ、泡だて器で混ぜ、粉っぽさがなくなったところでキャベツ、薄切りのボア肉(ヤギ乳つけ済み)を入れ、お玉で軽く混ぜる。

熱したフライパンにラードを入れ、なじませてから先ほど混ぜたものをお玉で投入。

生地が焼き固まったのを見てから、フライ返しで周りをフライパンからはがしていき、ある程度はがれている状態でフライパンを手首スナップを利用して、いきおいよくお好み焼きを裏返す!

久しぶりなこともあり、生地が外に漏れてしまったが、無事裏返すことができた。後は焼き目ができたら大き目の皿をフライパンにフタにするようにしてひっくり返し、お好み焼きの完成。


 「やっぱり、フライ返しはもう少し薄みと横の幅がほしいですね。」

 「この生地を裏返すのにはさっきの方法がいいが、慣れないうちはそのフライ返しの大きいのがほしいな。」

 「何個か大きさの違うのをつくってみるか。」


そして、最後の品、オレンジゼリー

オレンジゼリーの作り方は以前とほぼ同じ。今回はジューサーを使うので楽になるが。

オレンジを二つに割り、切った断面をジューサーの山部分に当て、ひねるように力を入れる。すると果汁が下の溝に貯まり、後は貯まった果汁をスライムゼリーに入れるだけ。


 「ジューサーの山が尖りが強すぎて、中の果肉部分が少し残っていますね。」

 「大人がやるなら、果汁がとれやすいが、子供だと何回かしないといけないな。」

 「鉄で挟むように果汁をしぼる器具を作るのもいいかもしれんな。」


そんな反省と改善策を練りながらの料理が終わり、後は銀狼親子に手伝ってもらい料理を次々とつくる。

ジャンさんには焼きを中心にやってもらい、ひっくり返すタイミングとテクニックを磨いてもらう。

シルビアさんには食材の足りないものを用意してもらう。

シャルちゃんには根を上げるまでジューサーで果汁をしぼってオレンジゼリーを作ってもらう。


そうして、テーブルに料理が並び、食事会の開始になった。

まずは、ハンバーグ。

フォークで切ると肉汁がジュワッとあふれ出てくる。一口頬りこむとあふれる肉の味と飴色タマネギの甘味が来る。十分な味だが、中濃ソースがほしくなる・・・。

 

 「この前のそぼろと違い、肉を食べてるとよくわかる。タマネギの甘味もいいな。」

 「肉もどこの部位を使ってもいいなら、捨てるものも少なくなりますね。」

 「うーん、ジューシー♪」

 「肉!」

 「柔らかいからお年寄りでもたべれそうですね。」

 「酒がほしくなる。」

 「うちでもできるかしら?」


次にお好み焼き

こちらはお好み焼き独特のふわっと感はないけれども、キャベツのしゃきしゃき感と甘味でいい感じ。山芋をさがそうか・・・。


 「パンとは違った味わいだな。」

 「色々と工夫してもいいかもしれませんね。」

 「うーん?」

 「これなら、依頼に持っていけるか?」

 「薄くやいてもらえば、持っていけるかもね。」

 「酒がほしい・・・。」

 「あんた・・・。」


最後にオレンジゼリー。

銀狼親子はよく食べてるのでためらいなく、ニコニコしながら食べている。


 「これがスライム・・・。うまい!」

 「今後、依頼が増えそうね、新人の稼ぎにもなるし。」

 「酒!酒!」

 「これに酒はないだろうに・・・。」


なんか一人、酒ばっかな感想だったけれども上々な結果で終わったようだ。

 

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