第41話 食事会の準備と予想外の人数
翌日、ジャンさんに許可をもらって、ダラスさん達に料理をふるまう準備を始める。
今回のメニューはハンバーグ、お好み焼き、オレンジゼリー。
下準備として、自分で狩ったフォレストボアを使って、ミンチにしていく。
いのししというと臭みがあると聞いたことがあるので、ここにヤギ乳を加えておいておく。
具として、タマネギ。ツナギに黒パンをナイフで削ったパン粉、ダッカルの卵を泡立て器で混ぜていく。
ダッカル一個でかなりの卵液が作れ、全部の料理に使える量がまかなえる。
泡だて器を使って見て、まんべんなくかき混ぜれるワケないことに気づく。
狭い部分があると、引っかかりがあるように感じる。
それでも混ぜるさいには重宝することになるだろう。
みじん切りにしたタマネギをラードで茶色くなるまで慎重に炒め、粗熱をとってから、ボアミンチ、パン粉、卵液を軽くまぜ、俵型に成形しておく。
後はキャベツをざく切りにしておけば、準備完了。
準備が終わった頃、ダラスさん達が店にやってくる。
「カサネ、来たぞ。」
「ダラスさん、ちょうど準備が終わったところです。って、なんでアインさん達がいるんです?」
ダラスさんとメイルさん、販売するガッドさんがいるのはわかる。けれど、アインさんとリナさんが後ろにいるのはなぜ?
「いや、俺たちがこの店を目指して、歩いていたら、アインのやつが待ち伏せしてたんだよ。」
「なんか面白そうな気配がしてな。俺にも食わせろよ。」
「ごめんね、アインがカサネの料理うまいんだよっていつも自慢にくるもんだから、つい私もね。」
アインさんは悪気がないようで料理をせかし、リナさんは申し訳なさそうにこちらの顔を伺っている。
「はああ、いつもお世話になっていますから、お礼ってことでいいですよ、その代わり量は少なくなりますけど。」
「ありがとな!」
「ありがとう、カサネ君。」
アインの態度に銀狼親子がジト目で非難し始める。
「アイン、お前は後輩なんだと思っているんだ?そんな態度なら、今度から割り増し料金にしてやろうか?」
「そうですね、なんならアインには持ち込み以外での料理の提供のみにしましょうか?」
「アインおじちゃん・・・。意地汚い・・・。」
「ご、ごめんって、今度ハイオークでも持ってくるから許してくれよ。」
「ハイオークだ?そんなもんがここらにいるのか?」
ジャンさんがリナさんに確認を求めようと目線を向ける。
「ええ、ギルドでも報告があがっています。今のところは森の奥で目撃されたのが一体くらいですが。」
「ほお、そのくらいならいけるな、アイン。最小限の傷で倒せよ?」
「は、はい、やらせていただきます。」
ジャンさんが獰猛な笑みをアインさんに向け、アインさんはそれをビクビクしながら答える。
「さて、この人数じゃ、俺たちも協力しよう。」
「ありがとうございます。じゃあ、俺が先に手本でやりますので、その後にお願いします。あ、ダラスさんはどうします?」
「そうだな、後ろで見させてもらおう。」
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