第40話 魔具と騎獣の卵
「魔具って魔導具とは違うんですか?」
「魔具っていうのはスキル玉を効果的に使おうとするためにする道具。対して、魔導具はそのもの自体が生物のようにスキルを持つ道具となっているのよ。」
「へえ。で、魔具ってどう作るんですか?」
「魔石のを砕いた粉『魔粉』これを熱した鉄に混ぜながら作るのは『魔鉄』そして、魔鉄をスキル玉と合わせたものが魔具になるというワケ。」
「で、今回、魔鉄でワイヤーで作れることで布や皮の中に魔鉄をしこんで、魔具をつくれるようになった。」
「魔鉄を通すと、魔鉄全体に光るようになってスキル玉単体で使うよりも光が押さえられる。でも、その代わり、スキルの力が弱まるのよ。でも、消化のスキルであれば、こういう風にすれば、キチンと使えるようになると思うのよ。」
出してきた紙には皮の手袋が書かれていた。
手首の部分にスキル玉がついていて、そこから魔鉄のワイヤーがのびて手首のから掌の内側に5本の指にかけて伸びている。
「この場合、スキルが発動し、光るのは掌のみで、ばれる心配が少なくなる。皮なら冒険者、白い布なら事務員と違和感なく使える。多少の危険はなくなるはずよ。」
「そうなんですね。そうなるとこれもできますかね?」
使い物にならないと放っておいたスキル玉「パラライズ」を出す。
「これは?」
「これはスキル玉「パラライズ」発動すると本体の周りに電撃が発生して麻痺をおこします。」
「自爆覚悟で使うしかないものなのね。」
「はい、でも魔鉄のワイヤーなら何かできるんではないかと。」
「電撃対策した持ち手をつくって、スキルが聞く部分を鞭にするとかどうだ?」
「よさそうですね、一緒に頼んでいいですか?」
「わかった、つくってみよう。」
「いくらになりますか?」
「いや、料金はいらないよ。その代わり材料のスキル玉を多めにね。」
「わかりました。じゃあ、明日の準備がありますのでこれで失礼しますね。」
「ああ、また明日な。」
魔具の注文も済み、明日の食事会のために市場によっていくことにする。
「お、なんだこれ?」
肉屋の近くにダチョウサイズの卵がならんでいた。
「あんちゃん、騎獣の卵はみたことないのか?」
「騎獣?」
「騎獣っていうのはこの魔物ダッカルのことだよ。」
店主が、自分の横に寝転んでいるダチョウのような体にモフモフの羽毛が生えた魔物の頭をポンと叩く。
ダッカル・・・。そんな名前の鶏料理があったような。
「この卵は無精卵なんですか?」
「ああ、日に一つ産んでくれるんだよ。他の騎獣も同じように産むぞ。」
「他の騎獣というと?」
「爬虫類イグルー、水中専用の魚類カルー、昆虫ビルーが4騎獣と呼ばれるな。どれも卵生だな。周りの店はその騎獣卵の店だよ。」
言われて周りをみると、恐竜のような見た目と大型のダンゴムシみたいな騎獣が店頭にいる卵の店がある。カルーは水専用だから、ここにはいないようだ。
「へえ、とりあえず、この卵もらえますか?」
「じゃあ、銀貨一枚な。」
「結構やすいですね。」
「商売の間に生まれた卵を売りたいだけだからな、売れなきゃ自分で食べることになるから安いのさ。」
「なるほど、はい、銀貨一枚。」
「はいよ、ありがとな。」
後は小麦粉、キャベツ,トマト、タマネギなどを買って家路につく。
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