第43話 プレゼントと上客

食事会が終わり、片付けの時間になった頃

 

 「皆さん、ここで俺からのプレゼントがあるんです。」

 「プレゼントって全員にか?」

 「いえ、ダラスさん達には協力してもらったので、ジャンさん、シルビアさん、シャルちゃん、アインさん、リナさんです。」

 「俺にもか。」

 「私もいいの?」

 「はい、お世話になっている方々作ってもらったんです。ここに全員そろったので、今回わたそうと思いまして。それがこれです。」


俺はカバンからスキル玉「消化」のネックレスを出す。


 「ネックレスか、先端についているのはスライムコアか。結構きれいに見えるな。」

 「どうぞ、つけてみてください」

 「じゃあ、つけてみよう。」


全員がネックレスをとろ、首にかけていく。

 

 「全員つけたところで皆さん、スライムコアを握りしめて、念じてみてください。」 

 「念じるか・・・!?」


全員がスライムコアを握りしめた時、全身が光り出す。


 「な、なに!?」

 「目、目がー!?」


光がおさまり、全員の落ち着くの待ってから、俺は答えをいう


 「すいません、ちょっといたずらがすぎました。これはスキル玉「消化」というアイテムで、体の周りの汚れを吸収してくれるんです。」

 「な、なんだって!?」

 「ダンジョンの高額品の!?」

 「え、そんな凄いものなの?」

 「実物をみることになるとはな。」

 「これ、ギルドの給料何か月になるかな。」


全員がかなり驚いている。やはりスキル玉なんてそんな簡単に手に入らないのか。スキルに感謝だな。


 「これは今後も手に入るもので、気にしないでください。」

 「そうかいってもな、こんな高額なものどうすれば。」

 「それについてはばれないように使ってほしいとしかいいようがないですね。ダラスさんの試作がうまくいけば、流通して大丈夫になりそうですが。」

 「そうなのか?」

 「おう、もう構想は出来てるからすぐにでも作れるぜ。」

 「なら、いいのか?とにかく、ありがとなカサネ。」

 「今度、こちらからも何か送るわね。」

 「ありがとう!カサネさん!」

 「これあれば、外で汚れも気にしなくていいな、ありがとよ。」

 「私もギルドの仕事が忙しい時に汚れが気になるので助かります、ありがとう。」

 「喜んでくれるなら、送ったかいがあります。」


プレゼントが終わったところで、さっそくネックレスを使い、周りを掃除し、普段よりもはやく掃除が終わり、皆ニコニコ顔で帰っていった。


食事会が終わってからというもの、ダラスさんからの調理器具の試作品が続々と作られ、俺とジャンさんが使い心地を見て、意見をいって改良するといった日々が続く。

後、Fランクの依頼にスライムゼリーの採取が追加され、新人、実戦を嫌う冒険者達がこぞって依頼に向かっていった。


そんなある日


 「たのもー!」


店の入口で大声で来店するきれいな恰好した男が現れた。その後ろには黒髪の青年が付き添っている。

シャルちゃんが元気よく、向かっていく。


 「いらっしゃいませ!2名様ですか?」

 「そう、二人。」

 「では、そこのテーブルにどうぞ!」


案内された二人、きれいな恰好をした男は迷いなく座り、黒髪の青年は後ろで立っていたが、目線で隣の席を促され、渋々席に座った。


 「ここはメニューないのかい?」

 「はい、この店は冒険者が多く、気分で注文する方が多いので、メニューは意味がないので、置かないんですよ。」

 「ふーん、じゃあさ、そこの彼の料理が食べたいな、例えばハンバーグとかね・・・。」

 「え、どうですかカサネさん?」

 「そうだね、材料はあるから問題ないですけど、俺がハンバーグ作れるってよくわかりましたね。」

 「ふふ、実はね、ダラスさんに聞いたんだよ。僕はあの店のスポンサーだからよく君のことは聞いてるよ。」

 「ああ、ダラスさんのところのスポンサーなんですね、わかりました、作ってきます。」


それから10分後

 

 「はい、ではハンバーグに2皿ですね、お待たせいたしました。」

 「お、きたね、うん、確かにハンバーグだ、ではいたd・・。」

 「おまちください!」

 「ん?なんだいキリ?」

 「毒見も済んでいないものを食べていかれるワケには参りません。」

 「大丈夫、大丈夫。僕が食べようとしてるってことは食べれるんだよ、それとも信用できないかい?」

 「い、いえ、そのようなことは・・・。」

 「なら、いいじゃないか。さて、冷めないうちにと・・・。」


男はフォークで一口大にきり、口にほおばる。黒髪の彼もあわてて、口にいれる。


 「んー!この味、いいねえ♪」

 「そうですね、普段食べるものと同じくらいでしょうか。」

 「でも、このままじゃ少し味気ないね。おーい、カサネ君。」

 「はい、なんでしょう?」

 「これにかけるソースってないかな?」

 「ソースはないんですよ、すいません。」

 「そうか、醤油とかあればよかったのになあ。」

 「え、醤油ってあるんですか?」

 「そうだよ、東の国にあるらしい、のカサネ君?」

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