第35話 スキル「パラライズ」

カッパーゴートを倒した後、アイテムリストにてその体をみてみる。


銅の角 ヤギ肉(食用) ヤギ乳(食用) ヤギ毛


やはり、銅があった。銅か・・・。フライパンでもつくってもらうとこでも考えるか。

後は鉄も回収。ハンドジューサーとかつくれる人がいるんだろうか?

あ、後、アクセサリーもつくりたいな。


そんなどんどんと製作希望があふれる中、スキルの回収も終わる。

スキルは名前が変わり、パラライズとなった。

これはリムが使用可能なスキルだった。


 『パラライズ』


開いた本の中か電気がほとばしる。


 『これで俺も戦えるぞ。足手まとい卒業だな。』

 (足手まといだなんて思ってないよ。にしてもスキル玉は使えなかったな。」


スキル玉「パラライズ」


使うとスキル玉の回りに麻痺する電気を発する。つまり、自爆するスキル。何か対策しないと使えたもんじゃない。


ここには穴を掘れるようなところがないため、火を起こすことにする。

火起こしは原始的は木を使った摩擦による火起こし。

ゴリゴリと木の棒を回し、棒の下にある木の板の上にのった木くずに摩擦を起こし、火をつける。

簡単に火をつける方法は魔法が使えることなんだが、俺には魔力がない。

リムも火をおこすようなスキルもない。

リムがいる関係上、仲間を探すのは難しいから、道具、スキルでいいのがあればいい。前途多難だ。

ゴブリンはひとまとめにして、アイテムリスト内に入れておいた干し草とラードに火をくべて、焼いていく。


 『なあ、アイテムリストにゴブリン入れれば、いいんじゃないか?』

 (今、ジャンさんから借りているアイテムバックを使ってることになっているんだぞ、他の人にそんなとこ見られたら、ジャンさんに申し訳ない。というか入れなくない。)


こうして、火で焼いているのを嗅ぐとかなりくさい。普段、食材を回収しているので分けているとはいえ、こんなものを入れたくない。

ゴブリンは肉が黒こげになったところで、後は岩陰に散らしておく。


後のカッパーゴートはアイテムリストに入れ、今日の狩りは終了。この時、ヤギ乳は別に回収しておいた。ギルドへと帰還する。

ギルドに帰還すると、リナさんがこちらに笑顔を向けてきたが、段々とジト目になる。

 

 「おかえり、カサネ君。今回はどんな無茶したのかな?」

 「無茶って。そんなこと・・・。しましたね。」


リナさんは溜息をつく。


 「段々、アインに似てくるようで、心配だわ。くれぐれも慎重にね。」

 「はい、まず、ゴブリン討伐証明です。」

 「はい、ゴブリンの耳3個ですね、確認しました。」

 「後は解体場でお願いします。」

 「はい、では解体場にいきましょう。」


解体場にて、ドアの開いた音を聞き、ダンさんが解体作業を中断して、空いている解体台の前に移動する。

 

 「ものは?」

 「これです。」


俺はカッパーゴートを出す。

 

 「カッパーゴートか。どこで出た?」

 「西門近くのゴブリンのいる岩山ですね。」

 「え、そんな近くにでたんですか?この間のフォレストボアといい、危険ですね。」


リナさんが驚き、真剣な顔で思案し始める。

 

 「状態は・・・。顔以外は問題ないな。このまま全部納品か?」

 「あ、角もらってもいいですか?」

 「この銅の角か。いいぞ、少し待ってろ。」


ダンさんは火にくべていた大型の鉈を持ってきて、角に振り下ろす。

 

 コン!


気持ちのいい音がして、角が切断される。


 「ほらよ。」

 「ありがとうございます。これでフライパンがつくれます。」

 「フライパンをつくるのか、冒険者がつくるのは珍しいな。」

 

あまり顔の変化しにくいダンさんの眉が上がる。


 「ジャンさんの影響かもしれませんね。」

 「そうか、あいつか・・・。さて、角を除いて銀貨5枚。」

 「フォレストボアより多いですね。」

 「こいつは麻痺させてくるから、剣士にはきつい相手だ。フォレストボアよりも高いのは当然だ。」

 「どうやってしとめるのがいいんですか?」

 「あいつらは干し草が好物だからな。気づかれない状態で干し草を用意して、食べてる隙に大きめの布をかぶせて、側面から攻撃。反撃は正面だと頭突き、後ろだとけり上げてくる。」

 「なるほど」


あの時、干し草を持ってはいたが、発見されていたからどちらにしろ無理だっただろう。




 

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