第26話 魔導書スキルホルダー
二人に別れを告げ、ギルドを後にする。
店に戻った俺は3人に報告。ジャンさんとシルビアさんは当たり前だと頭を撫でられ、シャルちゃんには凄いと喜ばれた。
そんなウキウキ気分で仕事をこなし、終わった後のランプだけがともる薄暗い部屋にてもらった本をじっと見る。
「うーん、この本はどうすれば、開くんだろうか・・・。」
考えながら、アイテムリストを開いていると、リンクのアイコンが点滅しているのを見つける。
「あれ、これなんだろう?」
不思議に思いながら、リンクを押すとある名前が出てくる。
スキルホルダー
スキルホルダー?もしかして、この本の名前だろうか。とにかく、名前を押してみよう。すると
スキルホルダーとリンクしますか? YES NO
と選択肢がでてくる。
俺は覚悟を決めて、YESを押す。
すると、本が浮かびながら光り輝き、本に名前が浮き上がる
スキルホルダー
本当にこの本の名前のようだ。光は消えていったが、それでも本は浮かんだままだった。そのままじっと見続けていると頭の中に声が響く。
『ふう、やっと解放された。』
「なんだ、この声?」
『お前が封印を解いてくれたのか、ありがと』
「もしかして、この本か?」
『本とはなんだ、俺は魔導書スキルホルダー。』
「魔導書・・・。意思を持った魔導具ってことか?」
『まあ、大きくくくるならそう。俺をつくったのは神、そんじょそこらの魔導書と一緒にするなよ。』
「神ってアリシア様のことか?」
『いや、違う。名前は・・・。わからんが、確か白衣来てたな。』
「もしかして、アイテムリストをつくったっていう神か?」
『そうかもな。まあ、つくって放置されてた。」
「なんで、つくって使わなかったんだ?」
『アイテムリストをつくったときに思いつきでつくられた追加の能力が入っているのが俺なんだが、監査に引っかかったとかでお蔵入り、室内で埋もれてたというワケよ』
「ああ、なんかやりすぎだから、アイテムBOXに変えたとか言ってたな。じゃあ、その神の元にあったお前がなんでここに」
『どうもな、アイテムリストを持っているお前に興味持ったとかで、俺を部屋の中から掘り出して、この国につながるゲートにポーンと放り出された。』
「え、それで俺が探し当てなかったらどうなってたんだ?」
『元の場所と同じく、埋もれてただろう。』
「そっか、見つかってよかったよ。」
『さて、俺の役割もわかったところで、リンクの説明だ。リンクというのは他人とつながることで専用のアイテムリストのスキルが獲得できるスキルだ。』
「ということはなんか増えているのか?」
アイテムリストのスキルを調べていると『スキル付与』増えていた。
『スキル合成というのはアイテムリスト内の武器、防具なんかに俺の中にあるスキルを付与するスキルだ。ただ、まだ中に何もないから付与はできない。』
「スキルっていうと剣術とかか。スキルを覚えて、付与するのか?」
『いや、スキルは自力では覚えられない。魔物からとる。』
「魔物もスキルを持っているのか?」
『お前の解説スキルのようなレアスキルがなけりゃ、わからない。魔物もスキルを持って生まれるんだよ。』
「じゃあ、明日辺り外にでて確認してみるか。そういや、名前は?」
『名前なんてつけられるようなもんじゃなかった。』
「うーん・・・。リムなんてどうだ。」
『ふむ、まあいいだろう、俺はこれからリムだ、よろしく頼む相棒。』
「初めてのパートナーが本とはね、まあ、面白くなりそうだ、俺はカサネ、こちらからもよろしく。」
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