第15話 夢の中で ー貨幣と種族ー

 「では、最後にこの世界の知識について説明しますね。」

 「まず、貨幣の価値についてはあなたの世界であわせるのであれば、こちらですね。

 鉄貨 1円

 銅貨 10円

 青銅貨 100円

 銀貨 1、000円

 白銀貨 10、000円

 金貨 100,000円

 緑金貨 1、000,000円

 赤金貨 10,000,000円

 白金貨 100,000,000円

 神金貨 1、000、000、000円

 「このようになります。」

ええと、アインさん報酬でもらったのが銀貨3枚で3千円。城でもらった金貨が合計10枚で100万か。いまいち、この世界の経済がわからないな。今度市場にでもいって確かめてみよう。

 「そういえば、金貨しかないようですね。よろしければ、両替えしましょう。」

 「神様の両替えって・・・。普通施しとかしますよね?」

 「神といえど、貨幣をつくるワケにはいけませんから、それにいりませんよね?」

 「はい、自分で稼ぐからこそのお金ですから。」

まあ、城からのお金は詫びでノーカンってことで。

「では、次に種族について、この世界アルグリードには数々の種族がいます。一番多く人数がいる人族。森を住処にし、精霊と心を通わせるエルフ。鍛冶が得意なドワーフ。獣のような近接戦闘を得意とした獣人。魔法を得意とした魔族。後は未確認のために省略させていただきます。」

 「未確認というのは?」

 「さきほど挙げた種族の間で交わり、まったく別のものになるものもいて、把握しきれないんですよ。ハーフやクォーターなどですね。ただ、その種族になると純粋な血統な方に毛嫌いされるとこもあります。現にこの国には人族以外みていませんでしょう?」

そういえば、人しかみていない。元の世界で見慣れていたから違和感がなかったのか。

 「交流しているのは商業が発展している国などですかね、後は奴隷を扱っている国もあります・・・。」

 「奴隷ですか。」

 「ああ、あなたの世界にはいませんでしたね。基本は犯罪者がなるものです。罰金を払い終われば解放されるんですが、中には冤罪、不法奴隷もいます。」

刑務所がなくてその代わりといったものだろうか。刑罰があるのは安心できるが、目のまえで酷使される人を見るのは気が引けるが・・・。

 「魔物が多くいるこの世界では武器を携帯するのが常識、戦闘ジョブもいるからこそ、犯罪は多いのです。なので、奴隷は必要ということをお分かりください。」

 「なんで、奴隷についてそんなに注意するんですか?」

 「以前に召喚されたものの中に正義感の塊のような方がいて、奴隷は解放するべきだと主張して、国が大混乱になったことがありまして・・・。」

 「それはお気の毒に・・・。」

 「あの時は大変でした。」

遠い目をして虚空を見つめるアリシア様。突き抜けたバカは制御できないからな、説得?そんなの無理!

 「ゴホン、では、そろそろ時間がありませんので、失礼いたしますね。神託は力を消耗するのでしばらくはこのような場はありません。」

 「力を使ってまでの気遣いありがとうございます。そういえば、俺はどうしたらいいんでしょう?」

 「それについてはこの国で協力してくれる方、あなたと同郷である王族がいらっしゃいますので、その方を頼るといいでしょう。」

 「その方と会うにはどうしたらいいのでしょうか?」

 「あなたが正しいと思い、行動していけば、近いうちに会うことになりましょう。」

 「助言ありがとうございます。他に何かありますか?」 

「本当はこの世界のために行動してもらいたいですが、あなたは巻き込まれただけですので、後は自由に生きてください。それがあの子の望みでもありましたから。」

 「あの子って?」

 「それはいずれ、わかる時がくるでしょう。では、また、会う日まで。」

段々と目の前に光が広がり、意識がなくなっていく・・・。

 

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