第17話 市場
シャルちゃんがちゃんと身支度をして、支度を三人でやり、店の営業が始まる。
ちょっと膨れたシャルちゃんが常連さんにいじられるくらいでなんなく営業は終了。
そして、翌日、3人で市場にやってきた。
市場は店の近くの大通りにあり、道を挟んで色々な屋台が並んでいた。
野菜、果物は元の世界でもみたことがあるようなものが多く、値段も良心的なものだった。
そんな中、肉を見ていて、大ぶりなことに気づく。気になったので解説を使ってみる。
オークの肉 魔物の肉で、弾力のある豚肉のような感触。
と、表示された。
「ん?魔物の肉がどうした?」
「いえ、始めて大きいものをみたもので。」
「ああ、買いにきたことがないのか。肉はな、冒険者が討伐した後、冒険者ギルドか商業者ギルドに売られて、こうして店頭で並ぶワケだ。にしてもこんだけオーク肉があるのは珍しい。店主これは?」
「おう、ジャンさん、ここんところ、オークが繁殖されているらしくってな。なんでも魔王が復活したなんて噂だ。」
「魔王?確か、魔物の増殖は魔王が原因ってことだったか。」
「まあ強い冒険者がいれば、オークの肉ががっぽがっぽだから、こちらとしてはうれしい悲鳴だがな。」
どうやら、この世界では魔物肉が定番らしい、家畜っていないのか?
「それはいいことだな、店主、オーク肉1kgくれ。」
「ほいきた。じゃあ、銀貨一枚と青銅貨5枚な。」
1kgの塊肉で1500円といったところか。お得なんかね?
「よし、いい肉も手に入ったな。」
「いい肉って普段は何を買っているんですか?」
「普段はフォレストボア、ホーンラビットなんかの小さい肉だな。」
「鳥肉、牛肉、魚肉なんかはないんですか?」
「このあたりじゃ、空飛んでいるやつなんて弓持っている奴しか狩れねえから、割にあわずにとれねえ。牛は群れているからうかつに手を出すと袋だたきにあうし、魚なんて海だろ?ここまで持ってこれねえよ。」
魔物肉食事情は深刻そうだな。
「家畜とかできないんですかね?」
「家畜?」
「家畜っていうのは肉、卵、乳とれるような魔物を飼って、繁殖させていく方法ってところですね。」
「魔物を飼うっていうとテイマーがそれだが、そんな方法は無理だろう。」
「なんでですか?」
「テイマーっていうのは一人に一匹の魔物しか契約できない。繁殖されたら、野良が増えて大変になるだろうからそんなことはできないな。」
「そうですか・・・。」
「ねえねえ、なんで家畜なんて考えたの?」
さきほどから話に入れなかったシャルちゃんが質問してくる。元の世界のことを話すことができないし、本で得た知識ってことで話すか。
「実は本に書いてあった知識でね。それがあれば、新鮮な食材がすぐに採れるし、卵と乳があれば、本に書いてあったお菓子がつくれると思ったからだよ。」
「お菓子!貴族が食べてるっていうあの!」
菓子はあまり流通していない砂糖を使う関係上、高額になり、貴族しかつくれないそうだ。
「レシピだけは覚えているんだけどねえ。つくれないのが残念だよ。」
「一度でいいから食べたいなあ。」
よだれが出そうなほどの物欲しそうな顔を見ているとかわいそうになったのではちみつとかメイプルシロップがあれば、探してみよう。リンゴ飴くらいならつくれると思うし。
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