第8話 冒険者ギルド

建物の中に入る前に看板をみてみると「冒険者ギルド 首都グランノーブル支店」と書いてあるのがわかった。ノーブル・・・。貴族ねえ。

あまり印象がよくない響きなんだなこの首都。

そんな考えをしながら建物の中にはいると酒場のような印象を受けるが、注文するような設備はなし。4人がけのテーブルが数個並び、奥には受付カウンターがある。

アインはまっすぐカウンターへと進んでいき、それに気づいた受付嬢が声をかける。

 「アイン、今日はどうしました?」

 「強盗の現行犯を捕まえた。被害者はこの・・・。名前なんだっけ?」

 「・・・カサネです。」

 「アイン、またですか。毎回思いつきで行動するくせはやめてくださいよ。」

 「まあ、いいじゃねえか。兵士が仕事しないなら俺たちが動かないとな。」

 「はあ、じゃあ事情を聞きますね。私はリナよ。よろしくね、カサネ君。」

 「よろしくお願いします。リナさん。」

俺は襲われたところからの説明をして、確認がとれたことで報酬をもらったアイン。

 「じゃあ、これが報酬です。」

カウンターの上に銀貨が3枚おかれる。それを確認してアインは懐に収める。

 「おう、ありがとな。じゃあ、行こうかカサネ。」

 「はい、ありがとうございました。」

 「カサネ君、何かあったらいうのよ?」

 「おいおい、俺は頼りないってか?」

 「あら、図星でしょ?」

軽口を叩くアインとともに俺はギルドをでて、店へと向かう。

向かう道を見ていくとどんどんとさびれていく感じがする。

 「あのこっちにあるんですか?」

 「ん?まあ、そう思うのも無理はないな。でも、理由があるんだ。」

 「理由?城から遠いってことかな?」

 「お、いいとこついてるな。これから行くのは冒険者御用達の店というか、元冒険者の店だ。」

 「元冒険者ですか。」

 「元々夫婦二人の有名な冒険者だったんだが、子供ができたことで引退して、冒険していた時に伝手と料理の腕を使って店を始めたワケだ。兵士達が来ない分、トラブルの少ないんで、冒険者にとっては憩いの場なんだよ。で、ここが・・・。」

ある一件の店の前で立ち止まる

 「この店、銀狼の休み処だ。」

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