対象のクラスメイト

ただのクラスメイトから趣味が合う仲の良い人に関係が変わりました。そして、更に関係に変化が訪れたの、中学2年生の冬だった。


とある日の休日、年の離れた姉の家に泊まった帰りに、偶然と貴方を見掛けました。


前回は、貴方が私に声を掛けてくれた同じ場所で、今回は私から声を掛けました。


貴方の苗字を読んで、偶然だねと言い、困った顔をして、どうしたの?と聞きました。


別の学校の友達がドタキャンをしたのだと言った。


私はこれを聞いて、ドタキャンされた貴方には悪いけど、ワクワクとしました。


暇だったら、話しませんか?


前回と同じで誘う人と誘われる人が逆になった展開に、お互いに笑いましたね。


前回と同じく、ハンバーガー屋のチェーン店に入り、偶然と空いていたから同じ席に座りました


メールでも楽しく会話が出来ましたが、生の声での会話は、スピード感もメールと比べると早くて、熱量がしっかりと伝わりやすい為、とても楽しかったわ。


その日も時間があっという間で、話し始めた時は明るく暖かい日差しの昼間だった時間が、薄暗くて寒い夕方となっていた。

時間を忘れて夢中になってしまうなんて...それ位、貴方はお話上手で聞き上手でしたね。


大きな声で話してた訳では無いが、いくら学生が集まるようなファーストフード店でも、回転率を上げたいお店からは、長時間居座った私達を、店員は迷惑な客だと思ったのだろう。

とても申し訳ないなと私と貴方は気まずそうな顔をしていました。


帰り道は一緒で、同じ電車に乗った。

帰宅ラッシュ時間に当たってしまい、人が沢山居て混んでいた。

ぎゅうぎゅうと人に挟まれて狭く苦しい。

あぁ、後どれ位の駅を通り過ぎれば、この地獄を抜けられるのだろうか?

自分の最寄り駅までを数える。

各駅に止まった時、人が入れ替えをする瞬間に合わせて、貴方は直ぐ傍の端を確保して、私を引っ張り上げて囲むように貴方自身で私のスペースを確保しました。


人生でそんな事はやってもらった事はなかった。少女漫画の世界の特権で現実には無いと思っていた出来事に、心臓の音が煩くて仕方ない。


これだけで精一杯なのに、電車が軽く曲がった揺れで、貴方はバランスを崩し、お互いの顔の位置が近くになりました。


そんな一瞬の事だった。


あと少しで、お互いの唇が触れ合う位置だった。

直ぐに貴方は顔を話し、ごめんと小さく謝った。

私は、大丈夫と小声で返す。

それからは、私はずっと下を向いてました。


また、あと少しで...ってなるかもしれないのと、真っ赤な顔を見られたくなかったからです。


この時、初めて貴方を恋愛対象として意識しました。

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