秘密のクラスメイト

深夜まで盛り上がって話した翌日、どう対応すればいいのか悩んだ私だが、拍子抜けするほど特別変わった事はありませんでした。

学校では、挨拶以外の会話は無く、貴方は沢山の友達に囲まれて楽しい日々を過ごし、私は相変わらず、好きな本を読んでおりました。


その中で、貴方にオススメされた本を読んでみました。

微妙に興味のないジャンルかと思っていたが、自分の趣向が広がったと実感するほどに、とても面白くてハマりました。その晩に感想をメールで話しました。

貴方も私がオススメした本を律儀に全て、読んでもらえて、キチンと感想をメールで話してくれましたね。

私は、他の人と好きな本を教え合う事は無くて知らなかったけど、好きな本を誰かに気に入ってもらえて、感想を頂くと嬉しいものですねぇ。


私たちは、寝る前にメールをするのが日課になってました。


不思議な関係でしたね。


学校では話さないのに...他のクラスメイトの人達は、私と貴方がこんなにもメールで仲良くなっていたなんて、夢にも思ってないのでしょうね。

本人の私がビックリしてます。


新たな日課が加わって、楽しい日々を過ごしていたある日。

盗み聞きとは、はしたないと思われるかもしれませんが、不可抗力でございますのよ?本を読んで一段落していた時に、不意に耳に入ってきました。


貴方はメールを滅多にしない方なのだと。


私は驚きました。

思わず、貴方達の方を見ちゃいそうだった程でした。

そんな事すれば、クラスメイトに可笑しい人だと認定されそうなので、必死に抑えてました。


だって、貴方と私は一日欠かさずに毎日メールをしていましたから、メールでマメな人だと思っていたからこそ、滅多にメールをしない人だなんて思えなくて、びっくり致しました。


その日の夜に、不安になった私から送りました。


・毎日、メールでやり取りするのは迷惑だったのでしょうか?

控えましょうか?


貴方は、言ってくれました。


・君との話は日々の楽しみにしてるから悲しい事を言わないで


貴方も楽しい日々だと思ってくれてるのねと嬉しくなって返信致しました。


・私もいつも楽しませて頂いてます。突然、こんな事を言ってしまって、ごめんなさい。


急に聞く私に変だと思った貴方は直ぐに聞きました。


・何故、そう思ったの?


今日の昼休みに貴方と友人の会話を耳にしてしまった事を正直に話しました。


貴方は、友達との会話は気にしないでと言われて、その話題は終わりました。


学校では話さないけど、夜には画面越しで物凄くお喋りする関係になりました。

物凄く、隠そうとした訳じゃないけど、公言も態度にも出てない故に、私達の不思議な関係は誰にも知らなかった。

秘密のクラスメイトです。

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