献血、したかっただけなのに
こんにちは&こんばんは。
田舎で農家の嫁をしています、小烏と申します。
献血、されたことありますか?
え?何回も?
それは素晴らしい!
日本を救っておられますね。
小烏は、ですねぇ。
実は今までしたことはなかったんです。
大昔まだ学生だった頃、叔父さんが肝臓を悪くして危篤になった時、血液型が合うという言うことで二度輸血のために献血?をしたことがあります。
その時二度とも貧血を起こして、ベットを占領した苦い思い出があるのです。
それ以来ちょっと敬遠していたんですよ、献血。
いや何十年昔の話しだ?って思ってますよね。
小烏も思います。
まあ、ありていに言えば、注射嫌いなんです。
あのチクっがね。
人間ドックなどの血液検査も嫌いです。
血管が細いのでいつも看護師さんにご苦労を強いています。
(そして小烏の心臓にもかなりストレスをかけています)
それがここのところたびたびのコロナワクチンの予防接種でさすがに少し慣れました。
先日は花粉症の症状緩和のための静脈注射もしまして、その時の注射してくださった方がとてもうまくてほとんど痛みがなかったのです。
そのうえ翌々日から花粉症がかなり楽になったので、注射に持っていた悪い印象がかなり改善されました。
で、先日の日曜日のこと。
夫とスーパーに買い物に行った時の事です。
スーパーの入り口に「献血にご協力を」という旗がはためいていました。
その時何の弾みなのか、献血やろうかな?と思ってしまったのです。
いやもう、本当に、うっかりそんなことを思ってしまったのです。
人生もそろそろ長くなりましたが、初めての思いでした。
隣の夫に言ってみました。
「献血、してみようか。」
夫は驚いたような顔をしましたが、賛成しました。
夫も一緒にするのかと思ったのですが、夫は以前輸血を受けているので献血は出来ないのだそうです。
なので小烏一人で受付に向かいました。
受付ではとても喜ばれました。
何しろその時受付に向かったのは小烏一人だけだったのです。
案内されて机に座りました。
小烏、やる気満々で燃えています。
すぐさま腕を差し出す心積もりでしたが、受付のお兄さんが差し出すわが手に持たせたのは一枚のチラシでした。
そこには細かく注意事項が書いてありました。
献血をする前にチェックしなくてはいけないことばかりです。
出血を伴う歯科治療を受けたか NO
一定期間内に予防接種をしたか NO
六か月以内にピアス穴を開けたか NO
六か月以内に入れ墨を入れたか NO
動物または人に咬まれたか NO
以下の薬を飲んでいるか えーと。
高血圧の薬は大丈夫でした。
でも……心臓の薬。
ここに引っかかりました。
小烏は田舎に移住して半年したころ、
そこで出された脈を押さえる薬を飲んでいます。
それを受け付けのお兄さんに伝えました。
お兄さんは薬の名前を聞いてきました。
残念ながら、覚えてない。
うんうんうなっていましたら、他のスタッフ三名も寄って来られました。
皆さんで自分のスマホでNGな薬の一覧表を検索して、名前を読み上げてくれるのです。
しかし、小烏、覚えてない。
パッケージは記憶にありますと伝えると、今度はひとつづつ画像を検索してくれ始めました。
四人のスマホが順番に薬のシートを映し出してきます。
なんとも申し訳ない時間でした。
小烏が薬の名前さえ憶えていれば、皆さんこんなことに付き合わなくてもよかったのです。
スマホの画像確認が二巡目に入った頃、ありました。
見覚えのあるシートが!
「あ!これです!
この薬です!」
四人のスタッフから同時に落胆の「あー……。」がこぼれました。
この薬、NGだったのです。
なんということでしょう!
初めて徳を積もうとしたのに、この体がそれをさせてはくれなかった。
「その薬が必要なくなったら、またいらしてください。」
「64歳まで大丈夫なんで。」
「お気持ちだけでも、ありがたいです。」
お兄さんたちの慰めの言葉を聞きつつ、小烏は献血コーナーを後にしたのでした。
◇
そうですか。
あなた献血、出来るんですね。
いつまでも献血の出来る健康な体でいてくださいませね!
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