柿の落ち葉を掃きつつ物思う秋

 こんにちは&こんばんわ。

田舎で見習い(桁くとん様命名、ありがとうございました)嫁をしています、小烏です。


 秋ですね。

桜も柿もハナミズキも、みんな落葉の季節です。

ハラハラと舞う落ち葉に切なさを感じてため息をついた娘時代。

たぶん今もお年頃の娘さん(息子さんも)たちは胸を痛めてため息をついていることでしょう。


 田舎暮らしの小烏も、舞い散る落ち葉にため息をついています。

毎日掃いているのに、また落ちてる。

朝も昼も掃いてるのに、夕方また落ちてる。

はぁぁぁ。


 以前一軒家の借家に住んでいたことがありました。

その家の玄関には家主さんの好みで一本の立派などんぐりの木が植えてありました。

息子がまだ小学生の時の事で、秋には落ちたどんぐりを拾って喜んでいました。

大きな木でたくさんどんぐりが落ちるので、拾って近くの幼稚園に持って行ったりもしていました。


 そのどんぐりの木は、家の西側にあって西日が当たると黄金色に輝くようでした。

それはそれは大変縁起が良さそうなきれいな光景なのですが、問題は落ち葉。

毎日、毎日。仕事から帰ってまずやることは落ち葉の掃除。

風が強い日は三軒向こうまで落ち葉が飛んで行って、それを拾うだけで一時間かかったこともありました。

ある年からまだ葉が青いうちに大きく剪定をして、落ち葉を少しでも減らすようになりました。


 その後マンションへ転居。

落ち葉も草取りもしなくていい楽ちん生活が続いておりましたが、去年田舎にIターン。

落ち葉と格闘する日々が戻ってきました。


 玄関先に二本の柿の木のある義実家。

畑にある渋柿は落ち葉も実も畑に落ちるので構わないのですが、玄関先だとそうはいきません。

毎日三回の落ち葉掃き。

掃いたはしから落ちてくる落ち葉。

「振り返ると草がある!」は、草刈りの民の悲鳴ですが

「振り返ると落ち葉がある!」も、掃除の民の悲鳴です。


 さて毎日落ち葉を掃いて、毎日「柿の葉」の顔を見ていると気が付くこともあります。


 柿の葉って、自由なんです。


 まずサイズ。

銀杏や桜などは、木の葉はおおよそ同じく大きさで統一感があります。

しかし義実家の二本の柿は、サイズがですね。

フリーなんですよ!

ブランド服とは違う、通販並みのサイズ展開!

SSSから5Lまで、ぬかりなく取り揃えていますと言わんばかりのサイズ差です。

大きなモノは男の人(夫)の手のひらを広げたより大きく(測ってみたら33cmありました)、バーベキューでお皿の代わりになりそうです。

そして小さいモノは、大さじの「さじ」部分程度。

こちらはスプーンの代わりに使えそうです。


 もうひと自由なのが形。

普通「柿の葉」と言われて連想するのは先がひとつ尖った形。

落ち葉もその形がほとんどなのですが、またぁに異色の葉が落ちています。

やけに丸いモノ。

ツタにでもなりたかったのか、先が2つあるもの。3つに分かれたモノもありました。

それが二本の柿それぞれからヒラリヒラリと舞い落ちて来ます。

どんなサイズ、どんな形でも「柿」としては光合成をしてくれたらOKだったのかなと思いました。


 もうひとつフリーなのが紅葉具合。

銀杏は黄色に楓や桜は赤にと、おおよそその木固有の色に紅葉します。

が!

うちの柿は違う。

緑のまま落葉したのもあり、黄色メインもあり、赤メインもあり。

全ての色が混じったパンクな葉、もう病葉わくらばを通り越して真っ黒になったものも。

真ん中は白くっぽくふちだけ紅葉したお洒落さんなど、本当に多種多様なのです。


 「生物の多様性を一人で体現しておるのぉ」と、毎回掃きつつ感心しています。


 さて、そんな自由な義実家の柿ですがここ数年実がほとんど実らない。

よそ様は枝がしなるほど豊作だというのに。

うちは、実らない。

一本はそれでも四個実がなりましたが。もう一本は一つも生らない。


 我が家の剪定主任、夫に聞いてみました。

数年前二本で300個ほど実ったことがあったそうです。

そう言えば、生り過ぎて実が付いたまま剪定した年がありました。

でも翌年木が弱ってしまったのだそうです。

なのでここ数年は実が生らないように剪定をしているのだとのこと。

あれからもう何年もたちますし、来年あたりせめて10個ほどは柿が食べたいものだとお願いしてみました。

来年に期待です。


 それにしても、いつまでこの落ち葉は続くのでしょう。

上を眺めると、まだ半分ほど葉が残っています。

しばらくは竹ぼうきを相棒に掃除の日々になりそうです。


そう言っているそばから

  カサっ


つむぎ!


そう、前だけ見て生きていこうと思います。

 

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