おのれ!狸め!許すまじ!!

こんにちは&こんばんは。

田舎暮らしと田舎の嫁初心者の小烏です。


<注意>

 今回のお話は、(命を取る話ではありませんが)読み手によっては「身勝手だ」「残酷だ」と感じられるかもしれません。

動物愛護に敏感なかた、自然保護に命を燃やしているかた、狸に感情移入しやすいかたはここでお帰りになって構いません。

田舎リアルを覗き見したいかたは、このゲートをお進みください。


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 田舎といえば、狸。

狸といえば。田舎。

「平成ぽん〇こ狸合戦」という映画もありましたよね。

狸が平和に生きていける自然を守れ!

人間の勝手で自然を壊していいのか?

自然の生き物との共生こそ、人間のすべきこと!

あの映画をみて小烏もそう思いました。

人間の身勝手で棲みかを奪ってしまって、タヌキたち!ごめんなさい!そう思いました。



 さて、リアル田舎暮らしでは畑が荒らされることがままあります。


 去年の夏、ご近所の花農家のかたはお盆前にハウスの小菊が一棟まるっと盗られたと言っておられました。

贈答用メロンを作っておられる農家では、収穫期には夜通しパトロールしていないとすぐに盗られると言っておられました。


 不届き者の仕業で、なかには薄々犯人の目星がついている場合もあるそうです。

警察に届けを出すのですが、田舎の警察では人手も足りず結局自衛するしかないそうです。


 高齢の農家が一年かけて工夫し、台風にも大雨にもハウスに出向いて対策をされ、汗水たらして働いたその結果だけを盗んでいくなんて!

言語道断!

人にあるまじき狼藉です!


 そんな大掛かりなことでなくても、田舎で畑を作っていると実りがすべて人の口に入るとは限りません。


 米とさつまいもはネズミとイノシシに狙われ、キュウリやスイカは狸に狙われ、ナスとキャベツは虫に狙われ、野菜の根はもぐらに持ち上げられ。柿は烏に狙われ。

ピーマンと唐辛子とゴーヤは、さすがに実りは全て口に入るのですが、そんなにたくさん食べられない。


 トマトは赤く熟す前に収穫しないと一番美味しい時に鳥につつかれます。

スーパーのトマトはまだ青い時に収穫して追熟で店頭に並ぶそうですが、小烏のところも農家なのに木成り完熟のトマトは食べたことはありません。

 

 数年前ネット(網)で小さな囲いをしたこともありますが、囲いの中で野生化したトマトがネット(網)いっぱいに茂り、絡み合ってミニジャングルのようになりました。ネット(網)で動物が入れず、込み合った茂みで人間もトマト本体に手が届かず。あのときは小鳥が大喜びで真っ赤な完熟トマトをつついておりました。


 そして、狸です!

狸はなぜか一度「トイレ」の場所を決めたらずーーっとそこで「トイレ」をするそうです。


 3月も半ば過ぎ。

夫が軽トラで出掛けたあとの車庫(以前は農機具小屋、片側に藁とか肥料を積んである)の隅っこに、なにやら不愉快なブツがひと塊ありました。狸の糞はたいそう臭いので、すぐにわかります。


 おのれ!狸!

我が車庫をトイレにするとは何事ぞ!と、でっかいスコップで糞を掻き寄せ、畑の隅に埋めました。


 翌日もその翌日も同じ場所に、糞が!

これはもう狸に「トイレ」認定されたことに間違いありません。

糞を集めて畑に埋める作業の4日目。


 そう言えば、猫の糞害のとき酢をまくといいと小耳にはさんだことを思い出しました。 

早速「トイレ」のあたりに、もったいなくも米酢を撒きました。かなりツンとくる匂いです。


 ふわっふわっふわっ(高笑い)、これでいかな狸といえども鼻がツラくて「トイレ」を使えまい!


 高笑いした翌日も、ありましたね。

糞。

高笑いされたのは、小烏の方でした。


 義母がこの「車庫に動物が3つ入って行ったのを見た」と言いました。

夫も車庫の側面にある物置部分に「気配」があると言いました。

夫と二人して車庫のあちこちを覗き見ましたが、わかりません。


 夫の発案で、車庫の出入口(ドアはなくオープンな造り)に戸板二枚でバリケードを作ることにしました。


 翌日。バリケードの外側の戸板に引っ掻いたあと。バリケードの内側すぐにオシッコが残されていました。 

つまり、少なくとも一匹は外にいて車庫に帰れなかった。少なくとも一匹はオシッコしに外に出たかったが、出られなかった。


 あハーン、狸は糞とオシッコは別々にしたいタイプなんだね。なるほど。

そして、今日も気配はあれど姿は見えません。

引き続き戸板作戦を遂行します。


 戸板作戦3日目。

車庫の脇に積んであった藁の中に気持ちよさそうに寝ている二匹の狸の背中が見えました。

狸は賢いのでちょっと脅かしたくらいでは棲みかを変えることはないそうです。

なので少し痛い目にあってもらいます。


****************

 (ここから残虐行為が(当社比)始まります。

気持ちが狸に傾いたかたは、すぐさま退出されることをオススメします。)

****************


 夫と二人して箒の柄で狸の背中をつつきながらわーわー大声を出します。

怪しいを通り越して、ちょっと危ない人のようです。


対する狸はというと、狸寝入りとはこの事か!というくらい見事に動きません。

それでも10回ほどつつくと、一匹がぱっと奥の酒瓶を入れるケースの隙間に逃げ込みました。続いてもう一匹も。


 人間二人は今度はケースを更につつきます。

ケースを叩き揺すって、ここは安全な場所ではないぞ!と脅します。

この脅し作戦はとても有効だったようで、翌日から狸も狸の糞もすっかりなくなりました。糞さえしなければ、宿にするくらいなら、黙認しても良かったのですが。


 その翌々日。

玄関先を通り過ぎる狸に*遭遇しました。

あ、元気そう。

…何よりです。


 あとから聞いた話しによると、お隣の園田さんの小屋を長らく棲みかにしていた狸たちだったそうです。

園田さんが一念発起して小屋を片付けたために、棲みかを追われてうちに来たらしいとのこと。


義祖父が健在なら即タヌキ鍋になる案件だそうです。

令和の時代で良かったな、狸よ。

と、思いました。



*このときの狸の写真を近況ノートに載せますね。

後ろに見える斜面の上が園田さんのお宅。

狸の元棲みかがある場所です。



近況ノートに写真があります


https://kakuyomu.jp/users/9875hh564/news/16816927862306526540#comment-16816927862310770146


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