キラキラはいくつになっても  2022.2.4

 幼い頃からきらきらしたものが大好きだった。

 高い宝石みたいにカットされたものじゃなくて、原石だとか、逆に子供向けのチープなものとか、光に翳せばそのもの自体が光り輝いて見えるようなものが好きだった。

 

 きらきらシールも好きだったし、アニメの変身道具は私の憧れを詰め込ませた物だった。いつか私も急に力が覚醒して、魔法が使えるようになるかもしれない。空を飛べるようになるかもしれない。そう思っていた。

 ちなみに実はその希望はまだ失っていない。私は至って真面目である。


 最近よくゲームセンターに行くようになった。特に何をするとか決まっているわけではないのだが、遠くに行けないし、人混みに行くのもあんまり好ましくない。

 私は東京に住んでいるけれど、東京の中心地ではないので、近場のゲームセンターは人があまりいないが、少し非日常感を感じられる場所なのだ。

 

 いつものようにぷらぷらと冷やかしていると、アーケードゲームコーナーに目が向いた。ポケモンや仮面ライダー、ドラゴンボール、女の子向けのゲーム。

 その中にきらきらのカードが見えた。

 どうやらそのゲームは洋服をコーディネートしてポイントをあげていくゲームのようだった。音ゲーの要素もあってキャラクターも可愛かった。

 

 普段だったらやらないのだが、その日はなぜかちょっとやってみようかという気になったのだ。他のゲームと同様、自分のカードが作れるらしく、そのカードが金色のピカピカの立派なプラスチック製のようなカードのに、トルソーに洋服をかけたようなシルエットが印字されていて、とてつもなく可愛かったからだ。

 私はセーラームーンが大好きで、カードキャプターさくらも大好きだ。さくらの中に出てくるクロウカードのような見た目で、すごく可愛かった。

 洋服も大好きだし、どうやらアイドルと魔法がかけ合わさった作品らしいのだ。やるしかない。


 ゲームはきらっきらで華やかだった。

 女の子たちも可愛いし、音楽も良かった。途中でレアリティが分かれた洋服のコーデカードが買えるのだけど、衣装のデザインもすごく可愛かった。


 いくつになってもきらきらも可愛いものも大好きだ。

 大好き。そういう気持ちはずっと忘れたくないし、新しいものを初めてみるのもいい経験になった気がする。もっともやり始めてしまったのが運の尽きということにもなるかもしれない。いや、なる。だって、一度好きになってしまったら、いいところでやめられないのが私の性なのである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る