第24話 あいちゃんの成長と愛央の甘え

あい「きゅーぴー!」


既に年の暮れの12月。今日はあいちゃんが朝一人で起きてきた。普段は愛央にこちょこちょされて起きるのに、今日は俺の次に起きた。めずらしい。


あお「くぅ・・・くぅ・・・」

あい「ねーねーは?」

たく「お姉ちゃんはね、朝までずっと練習してたから疲れちゃったんだよ」

あい「たいへんそう」

たく「あいちゃん、幼稚園に行く準備する?」

あい「きょうおやすみきゅぴ」

たく「はっ?まじ?」

あい「きゅーぴ」


あいちゃんは俺に幼稚園からの手紙を出してくれた。そこにはこう書いてある。


たく「えーとなになに?幼稚園改装工事のため、当分の間休園といたします。再開時期につきましては後日、郵送でお届けする書類に同封いたします。よろしくお願い致します。はぁ、なるほどね」

あい「たーだっこー!!」

たく「はいはい。あいちゃんも自分で準備するようになって偉いねぇ」

あい「あい!」


愛央は珍しくまだ起きてこなかった。すっごい爆睡してるぁ。俺はあいちゃんに飯を食わせて、いつものように作業を始めようとした。


あい「ぐちゅー・・・」

たく「ん?どうしたの?」

あい「あしょんでー!」

たく「んーでも今日の仕事・・・あれ?俺の仕事がねぇぞ?・・・どういうことだろ。あ、親父からメールだ。んなもん直で伝えに来いよ。でーなになに?今日から3日お前はお休みだ。だから、いっぱい楽しめよ。馬鹿野郎。何いってんだよ。まぁいっか。よーし、あいちゃん遊ぶぞー!」

あい「きゅぴ!?やったー!!」


6歳児あいちゃんはすっかり身長106cmの立派な幼児に成長していた。愛央はまだまだ寝てるし、今日は何してやろうかな。って思ってたら・・・。


あお「んー!よくねたー!」

たく「おはよっ。愛央。朝9時だよ」

あお「(´。>ω<)ぎゅ〜っ♡♡♡ねぇ、今日愛央が一番最後?」

たく「珍しいよな。あいちゃんが俺のあとに起きたの」

あお「えー!すごーい!」

たく「俺もびっくりしたよ」


俺はそう言って少し遅めの朝ごはんを作り始めた。愛央はいつものように応援し始めてるが、あいちゃんは横に来て、手伝いたいらしい。


あお「がんばれたっくん、ふぁいとーたっくん!」

たく「今日はあに作ろっかなぁ・・・」

あい「たーあ!」

たく「なに?」

あい「あいたんてつだう!」

あお「ふれふれ・・・って、えっ?」

たく「じゃあ何やってもらおうかな・・・」

あい「おしゃらはこぶ!」

たく「わーった。愛央、やっちゃえ」

あお「うん!あいちゃん!がんばれっ!」

あい「きゅぴ!」


あいちゃんは一人でお皿を運んでくれた。こんなにお手伝いできるようになって俺はびっくりした。


あい「ぎゅーぴー・・・」

あお「がんばれっ!がんばれっ!」

たく「あいちゃんありがと。ここまででいいよ?」

あい「あい!」

あお「あいちゃんがんばったね!」

あい「ぎゅーしてー!!」

あお「うん!(´。>ω<)ぎゅ〜っ♡♡♡」


愛央に目一杯ぎゅーってされたあいちゃんは大喜びだった。俺らはあいちゃんの成長に感動していた。


あお「たっくん!」

たく「なに」

あお「たっくんもぎゅー♡」

たく「なんでよ」

あお「むーっ。たっくん頑張ってるのにー♡」

たく「はぁ・・・」

あお「ぷにっ。たっきゅんしゅきっ♡」

たく「ったく・・・」


あいちゃん達に飯を食わせてる間俺はずっとパソコンを叩いていた。愛央は食べ終わるといつものようにぎゅーってきてまたやってた。


あお「フレ!フレ!たーっくん!がんばれがんばれたーぁっくん!Fooooooo〜♡」

たく「んー・・・何作ろっかな・・・」

あお「ふぁいと!ふぁいとっ♪」

たく「あーまとまんねぇ・・・」

あお「がんばれ~♡」


やべぇ、書類がまとまらない。普段ならこんなに応援されても頑張れるのに、なんでだ・・・。


あお「たーっくん」

たく「あによ」

あお「ご飯食べたい」

たく「今何時だよ」

あお「じゅーじっ」

たく「あーもうそんな時間か。作るか」


俺は仕事を一旦中断し、飯を作ることにした。ちょうど同じ時間に親父が起きてきて俺らの部屋に上がってきた。


たく「二度寝からの生き返りか?」

昭仁「まさにそのとおり()」

あい「あーあーあー!へへっ」

たく「楽しい?」

あい「あい!」

あお「たーっくん。(´。>ω<)ぎゅー♡♡♡ご飯食べよっ!」

たく「あ、そだ俺はメシ作ってたんだ。さ食べるべ」

あお「いただきまーす!」

あい「あーいー!!」

たく「親父も食えよ」

昭仁「悪いな」


俺は親父たちにメシを食わせ、作業に戻ったのであった。

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