静春

静春

それは私にとっては静かなものだった。

最初は部活の先輩。

部活の中で一番上手く部活内外からも好意を寄せられていた。

一目惚れだった。

どうにかして想いを伝えようとしても想いを具現化できない。

先輩が私に向ける笑顔が胸を締め付ける。

本当に私は好きなのだろうか。

毎晩ベットの中で考える毎日。

伝えたい。伝えたい。伝えたい。

毎日考えているはずなのに、一歩踏み出せばいいだけのはずなのに。

失恋が私の頭の周りを飛び回る。

結局、先輩が卒業してから先輩への気持ちも薄れて行った。



二人目は同じクラスでクラスの中ではイケメンの部類に入る男の子。

また、一目惚れだった。

クラスの中にはその子に恋をしてる人が何人かいた。

私もその一人。しかし、私は恋をしていてもクラスの女子とは違う。

あの子たちは、loveではなくlikeなのだ。

男の子の話をして盛り上がりたいのがオチ。

私はなんとかして想いを伝えようとした。

クラスLINEから男の子のLINEを探し、LINEを送る。

何気ない会話から気づけば一週間。

LINEが返ってくるのが嬉しくて。

この時間を噛みしめたくて、ちょっと時間を置いて返したり。

けど、肝心な想いを伝えることはできなくて。

ただ時間稼ぎのLINEが続く。

結局、クラスの女の子とその子は付き合ってしまった。

私のほうが好きなのに。私はその女の子に「おめでとう」としか言えなかった。


青春それは、人生の春。

私の春は蕾だけで終わって行った。

悔しく静かな春。

けど、それが私の青春。







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静春 @CITRON0724

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