第3話 騒動後の配信2


「えっ、未羽ちゃん……本物なの……」


:本物だぞ

:あ〜あ折角のコラボのおさそいがパーになっちゃった

:恥を知れ

<七瀬未羽>:ころんちゃんが怖いよ〜;;


「あっ、ああっ、未羽ちゃんごめんね!!まさか本物だとは思わなかったの!本当にごめんなさい!」


 七瀬未羽、現在トップの個人vtuberだ。

 未羽ちゃんは何をとっても逸材だ。

 普段は色々なvtuberとコラボして対談したりしていてその影は薄まっているが、ソロ配信はとてつも無くすごい。コメントをあまり拾わなくてもどんどん面白い話が出てくるトーク力、歌配信では清楚な声とハスキーな声や萌え声を使い分ける才能ぶり、ゲームは……あえて直接的な表現は避けるが、素人の私と同じくらいとだけ言っておこう。


 ソロ配信ですらすごいのに対談配信ではまとめる力もあり、相手の話しやすいように誘導したり時には天然なのか狙っているのかわからないが、よくわからない発言をしている。

 と、まぁどこを取っても完璧なvtuberが七瀬未羽ちゃんだ。

 そんな彼女が今私の配信にいるのだ。


 因みにわたしの最推しです。


「ほら!お前らのせいで嫌われちゃったじゃんか!責任取れよ!」


:人のせいにするな

:おう、責任とって結婚ならするぞ

:自分で暴言を吐いておきながら……

:未羽ちゃんを馬鹿にするなああああああああ

:この底辺vtuberが未羽ちゃんに喧嘩売ったってマ?

:魔剤?

<七瀬未羽>:ころんちゃん気にしないで!!!怒ってないから!!


「ううう、よかった……」

 

 内心とても安心した、推しがコラボを誘ってくれていたのに断ってしまった。

 挙句の果てには暴言を吐く始末……本当なら嫌われても仕方がないのに未羽ちゃんは許してくれた、流石は私の推しだ♪


 そして私はさっきから気になっていたことについて聞こうと思う、いや、止めてくれるな、これは大事なことなんだ。


「ところで未羽ちゃん本当にコラボしてくれるんですか⁉︎」


:するわけない

:リスナーの分際で身の程を弁えろ

:おい!ころんちゃんと未羽ちゃんのてぇてぇが見れるのかもなのにお前ら何を言っているんだ!

:目を覚ませ、お前の前に写っているのは俺らと同じやつだ。vtuberなんかじゃない

:ふふゆが俺らの遠くに見えるよ……


「お前ら失礼だな」


<七瀬未羽>:ころんちゃんが本当に私の大ファンって証明できるならしてあげよう!さぁ、自己prをするがいい!


 ……これはヌルゲーすぎて、本当に未羽ちゃんはコラボしてくれるのかわからない。

 でも、ここは推しをこんだけ好きなんだぞ!という一種のマウントも取れる…もしかしたらこれでコラボできたら私もみんなに認められて大手vの一員に……なれるかもしれないしもしかしたらなれないかもしれない…


:コラボ確定で草

:ヌルゲーで大丈夫ですか?

:一万個好きなとこ上げろって言われても答えそうなのにそんな低レベルなものだとコラボ確定です

:レズプレイして赤ちゃん作ってくれ

:まずいですよ!

:やったね未羽ちゃん!家族が増えるよ!

:おいやめろ

:おいやめろ

:おいやめろ


 やばい、推しとお話ができると考えたら頭が回らなくなってきt……


「ぐへへっへへへっ」


:頭回ってなくてくさ

:あーあ

<七瀬未羽>:答えられないならコラボは無しかなー


「ごめんなさい!今すぐ答えます!愛してます!好きです!」


:調子がいいな


「まず、未羽ちゃんを好きになったのは2年前のおし○こ我慢テ○リスからです!その配信で未羽ちゃんが漏らしてしまったのが本当に可愛くて性癖に刺さりました!ぶしゃーって聞こえた時には思わず心の中のあるモノが勃ってしまいました!目の前に居たら本当に襲ってしまっても文句言えないほど好きです!」


:……

:ふふゆの変態透けてらぁ

:未羽ちゃん逃げて、超逃げて

:シュタタはまずい

<七瀬未羽>:合格


「未羽ちゃん本当!?やったぁ〜コラボしたらああしてこうして……ぐふふふふ」


:これは神回が見れそう

:大草原不可避

:これがvtuberです、か


 コメント欄が私への愛のあるヘイトで埋まり、推しとのコラボも取り付けたとこでいい時間なので配信は終了することにした。

 最初は戸惑いもあったりしたけど、今は幸せすぎてにやけ顔が止められない。

 これも未羽ちゃんが可愛いくて私をvtuberに導いてくれたおかげ……

 

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