第4話 コラボ配信1


 あの配信から一日が経った、流石に熱がおさまりかけていると思い、ようちゅべのアナリティクスを恐る恐る開いた。


 結果は……


 収まるどころか昨日の未羽ちゃんに対する発言が切り抜かれて急上昇一位になっている。

 ……やってしまったな。

 昨日はテンションがおかしかったので仕方ないと思う反面、あの発言は炎上してもおかしくないレベルだ。


 丁度SNSで流れて来た配信まとめではーー

・配信開始

・ふふゆって誰?

・過去の呟きが掘り起こされ、リスナーにいじめられる

・ふふゆであることを白状

・未羽ちゃんからコラボのお誘いがあるも、偽物だと決めつけてばーーかと言う

・リスナーのせいにする

・優しい未羽ちゃんは好きなこと言えたらコラボするという

・そこでも下ネタ連発

・未羽ラインを超えて合格

・逃げるように配信終了


 以上が昨日の配信のまとめだ。

 今の私は取り返しのつかないことをしてしまった虚無感と罪悪感で頭が空っぽになってしまっている。


「ピコン」


 そんな感じでぼーっとしているとDMの通知が来た、一体誰なんだろう、怖いからフォローしている人のみにしているから結構限られるよな……開いてみたらそのdmは未羽ちゃんからでとても驚いた。


「おっはよー!ふふゆちゃん起きてるかなー?」


「未羽ちゃん!?起きてるけどどうしたの?あと昨日はごめんなさい!」


「昨日のことは気にしてないから大丈夫なの!それと今日はコラボについて相談しに来たの〜」


 未羽ちゃん……流石に優しすぎる。

 私のこと嫌っててもおかしくないのに、コラボまでしてくれるなんて……

 本当に感動する。好き。一生ついていきます。


「私はいつでも大丈夫です!」


 なんせ収益化もできてないニートなもんで時間は有り余っている。それに未羽ちゃんとコラボできるならたとえ働いて居たとしても仕事なんか絶対に休んでコラボするもん!!


「じゃあ今からしちゃおーか!」


「いっ、今からですか?流石にうちあわせも無しじゃ難しくないですか……」


「未羽打ち合わせしたことないからわからないな〜」


「打ち合わせしたことないの⁉︎」


 これは衝撃だった、未羽ちゃんは普段は対談配信をやったり何かとコラボ配信が多いが、そのクオリティは類を見ない。


 本当に完璧なのだ。

 

 未羽ちゃんは打ち合わせもせずにあのクオリティを叩き出しているのかと考えると本当に格の差を知らされる。 

 私も、過去にコラボ配信をしたことがあるが、緊張してしまって置物になってしまっていた。

 

「うち合わせなんてしたらそれはフィクションになっちゃうじゃんか。作り物も面白いけど1番はノンフィクション。リアルだよ」


 流石すぎる、私としたことが未羽ちゃんを甘く見ていたようだ。

ここまでとはなると流石に敬意を表さなければ失意の念で倒れてしまう。


「確かにそうだね!でも今寝起きで今からはきついから今日の夜にしようか!」


​「わかった!ふふゆちゃんとお話しできるのを楽しみにしてるよ!!!」​


 夢にも思ってなかった推しとのコラボを取り付けれて死んでもいいくらいテンションが上がってしまった。

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