第8話 助っ人の手助け(1)

あの事件から日がたった土曜日。

朝から店を開けているがそこに小松さんの姿はない。

俺はまだ悩んでいた。

と、言っても俺がどうすれば良いのか分からない。それだけ。

なので昨日の夜に大物助っ人を今日に来てもらうことにした。


「どうもこんにちは、圭祐先輩」

「ああ、来てくれて助かるよ美咲ちゃん」


大物助っ人とはお隣に住んでいる一つ年下の子、氷川美咲。

小学校の頃に引っ越してきてからの腐れ縁の仲だ。

最近は俺が高校生になったからということもあって一年ほどは連絡などは全くしていないし会っても居なかったが、連絡をするなり二つ返事でOKしてくれた。


「圭祐先輩、どうしたんですか急に。私を呼び出して」

「相談‥‥だな」

「も、も、もしかして、どうやって女の子のパンツをゲットするかですか!?」


ちょっと変わっている子美咲ちゃん。

昔から周りとはちょっとずれていて、俺だけに関してセクハラ発言とまれにドSを出してくる。

癖は強いが昔から優しくて頼りになる大切な存在だ。


「そんな相談はしない。とりあえずその考えは捨てろ」

「えへへ‥‥」


今までと全く変わらない冗談と雰囲気は何か安心感がある。


* * * * *


「それじゃ、圭祐先輩の話を聞くとしますか」


場所は俺の部屋。

店で今回の相談などができるわけがなく、今日は話をすると言って父さんが店の全部をしてくれることになっている。


「久しぶりですね、圭祐先輩の部屋って」

「まあそうだな。適当に座ってくれ」


小さい頃からある俺の部屋。ここで美咲ちゃんと一回だけ美咲ちゃんと遊んだことがあるのでそのことを言っているのだろう。


「‥‥俺のバイト仲間の女子なんだけどさ、ちょっと喧嘩したんだよ」

「喧嘩ですか、喧嘩の原因って分かります?」

「その時の事だったら、俺と一緒に帰るのが嫌だろうから一緒に帰らずに他の女子と帰ったらいいじゃんって言った時だな」

「そうか~」

「そうなんだ‥‥が!?」


いきなり靴下を脱ぎだし始めた美咲ちゃん。

俺のベットの上で脱ぎ始めた美咲ちゃんはスカートが若干開いており、中身が見えそうだった。

見るわけにもいかない為、目のやり場に困る。


「何やってんだ!」

「何やってるって‥‥靴下脱いでるだけですけど?」

「‥‥なんで?」

「なんとなくですけど?何か問題でもありますか?」

「‥‥どうぞ勝手にしてください」


美咲ちゃんに関しては昔から俺は勝てない。

周りの人に対してはしっかりとした対応をする、外面が良いとでも言うのだろうか。

しかしセクハラ的一面は俺だけにしか見せないので何とも言えない。

今見ても、この堂々としている姿は先輩に見せる姿なのか少し疑問点だが‥‥


「そういえば私言ってなかったですよね、公立合格したんですよ?」

「あ、そういえば美咲ちゃん今年から高校生だもんな。どこの高校に入ったんだ?」

「弓ヶ原高校ですよ?圭祐先輩と同じですけど」

「えぇ?美咲ちゃん弓ヶ原だったのか‥‥一声掛けてくれたら良かったのに」

「だって、女の子と居ましたよね。この間一緒に可愛い子と帰ってたところ見ましたよ?」

「えっと‥‥」


恐らくそれは小松さんだろう。

最近はストーカーの件でいろいろ関わって一緒に帰っていたのでそこを見られたのか。


「まあそんな話ばっかじゃなくて、閑話休題、今回の件について聞きます」

「女子にさ、怒られたんだよ‥‥そいつと仲直りしたい場合ってどうすればいいか教えてくれ。女子のことは女子が一番わかるだろうし」

「そういうことですか‥‥」


少し難しそうな顔をしている。

急に女子だからわかるみたいな言い方をされたら難しく思うだろう。

でも今はそんなことを考えている場合じゃない、早く小松さんと‥‥


「それじゃ、時間をかけてじっくり解決しますか。しっかりやってくださいね?」

「ああ、分かった。よろしくお願いします」

「ちょっ、いきなりそんな改まらないでください‥‥こっちの調子が狂います」


学校では美咲ちゃんの言われたことを実行していくということになるらしい。







     



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