ネートラレイル公国筆頭貴族の女騎士は姫の恋を応援していた……ハズだった

アニッキーブラッザー

私はどうすればいいのか誰か教えてほしい

――姫様、一体……え? あの男が……ひ、姫様とのお出かけを断った!? 二人きりだと思わなかったので、それならダメと言われた? えっと……え!? す、好きな人がいるので、他の女性と二人きりでは出かけられない……なんと!? ひゃ、姫様!? あ、相手の女を探し出して生きたまま解体する……? な、お、お、落ち着いてください、姫様!



 何という事か。

 あの可憐で、純真無垢な姫様が悪魔に魂を売り渡したかのように病んだ瞳で奇声を上げておられる。

 何とおいたわしい。

 数年前の初恋からずっと想い続けていた、あの男への恋が壊れ……



――ちょ、あの男を攫って地下牢獄に閉じ込めて一生飼う!? それは、なりませぬ、姫様! い、いかに姫様といえど、それは人の道に外れ……、姫様! ナイフを振り回すのはおやめください! あ、危のうございます!




 どうしてこうなってしまったのか……嗚呼……私はどうすればいいのか誰か教えて欲しい。


 





 あの運命の出会い、そしてこれまでの日々が私の脳裏によみがえってくる。




 



――ええい、斬る! 貴様のような不埒者などたたっ斬ってやる!



 私はネートラレイル公国の第一王女であるトラレッタ王女に仕える騎士。

 王家に代々使える筆頭貴族で騎士の家系に生まれた私は、いつもトラレッタ王女に付き従い、共に育ち、勉学も遊びも常に一緒であった。

 幼い頃より姫様と共に過ごした私にとって、姫様には主君を越えて崇拝に近い感情を抱いている。

 この御方のためならば死ねる。

 この御方を生涯守り続ける。

 この御方を悲しませるものは斬る。

 この御方を害するものは世界であろうと私の敵である。

 たとえそれは、姫様がいつか想い人ができ、そして結ばれて王位を継いでも変わらぬこと。

 だからこそ、姫様に悪い影響を与えるもの、もっと言えば無垢で純粋な姫様を穢すような男など、断じて姫様に近づけてはならないのである。



――姫様、考え直してください! あのような男、いかに姫様を事故から救った恩人とはいえ、考えられませぬ



 そんなある日、お忍び旅行で隣国に赴いた際、落雷やら地震やら土砂崩れやらで我々の乗った馬車が事故にあってしまったところを、たまたま通りかかったその国の青年に我々は救われた。

 彼は崖に転落やいつ落石や土砂崩れが起きてもおかしくない危険な状況の中で、勇敢にも我が身を顧みずに迅速に動き、我々を助け、更には姫様と、更には崩れた馬車に挟まれて身動き取れなかった役立たずの私すらも引きずり出して救ってくれた。

 そのとき、この私に、お、お、おお姫様抱っこをするというあまりにも無礼なことをしたのだが、まぁ、私も動けなかったことと、命の恩人の厚意を無下にできなかったこともあって、私はされるがままであった。

 断じて初めて同年代に、ましてや男の子に女の子扱いされ、抱きかかえられてドキドキしたとか、もう少しその温もりを感じていたかったとかそういうことではない。


 ただ、問題なのはその後であった。


 なんと姫様が、その男に一目惚れしてしまったというのだ。

 いわゆる「吊り橋効果」というものらしい。

 しかも初恋である。



――あやつは一般家庭、すなわち庶民の子です。ネートラレイル公国の王位継承者である姫様とは天と地ほどの身分差があります


 

 初恋である姫様は思ったら一直線であった。私でも見たこともないほど恋に燃えて、陛下の反対などを押し切って、隣国に、しかもあの男が通う庶民の学校への留学を決められた。

 そして、再会したあの男は……我々を救ってくれた時の白馬の王子のようなイメージを台無しにするようなことばかりした。



――おのれぇ! 貴様はどうして毎回毎回何もないところで転ぶのだ! またしても姫様の下着を……らっきーすけべ? 知らぬ! 貴様など我が剣の錆にしてくれよう! きゃっ、あ……わ、私の下着まで!?



 まず、あの男は神がかり的なハプニングとドジの星の下に生まれていたようで、何の前触れもなく転んだりしては私たちの、その、む、胸に飛び込んだり、私たちとぶつかって、こ、転んだ私たちのショーツを……も、モロ見えだったり……転んだ勢いで私たちのスカートをズルっと脱がしたりと、もはや呪いなのか、ワザとやっている強姦魔なのではないかと思うようなことを毎日毎日私と姫様にした。



――あの男はいい加減で、だらしがなく、しかも助平です! とても姫様と釣り合うとは思えませぬ



 さらに腹立たしいのは、そういうことをされながらも、姫様はあの男を決して嫌いにならないということだ。

 初恋の呪いとはかくも恐ろしいものなのか。

 一国の王女に対する不埒な行いなど、本来であれば極刑に値するもの。あの男の一族郎党全てを根絶やしにしても足りぬほどの行い。

 しかも、仮にも筆頭貴族の娘であるこの私に対してもいつもいつも胸もショーツも……奴の所為で、常に安っぽい下着を穿くわけにはいかなくなった。



――大体、命の恩人だからと言って……姫様はあの男のどこがそれほど……え? わ、私も分かっているくせに? そ、そのようなことを申されましても……いえ、分かりません! いつもいつもあの男は、そう、あの学園祭にしても……いえ、奴が居たからこそ姫様も気兼ねなく参加できたというのは評価しますが……そう、それよりも学外実習です! あのキャンプ地であ奴は、の、覗きを……いえ、真夜中に温泉の男子風呂と女子風呂を間違えたのは我々ですが……し、しかしあ奴はしばらく隠れて我々の……その、裸をあんな男に! え? ま、まぁ、その後に我々への謝罪として、山へ連れ出して一緒に眺めた星空は確かに美しかったかと思いますが……



 どうにかしてして、姫様の目を覚ませたい。私はいつも頭が痛くなったものだ。

 だが、姫様に困ったのは、あの男への気持ちが変わらないというのもそうだが、もっと困ったことに……



――は? 私がいつもあの男の事ばかり話して……た、楽しそう!? な、なにを仰います、姫様は! 大体あの男は……バカで、いい加減で……スケベで……私の事すらも女の子扱いするような失礼な男で……え? ……やさ……しい? え? そういうところ?



 姫様は私がドキッとするようなことを仰られた。そして、私は姫様を籠の中の鳥のように大事に大事に、時には過保護と思われるように接してきたが、その時の姫様は私でも狼狽えてしまうほど大人びた微笑を見せられた。



――優しくて……私たちを……姫や貴族としての肩書ではなく……一人の普通の女として……そうやって接してくれるから……と……



 姫様も私の知らない間に成長されている。

 それもこれも、全てはあの男と出会ってから……そう思えば想うほど、あの男がやはり腹立たしい。

 だが一方で姫様の仰られることも間違っていなかった。

 確かにあの男は、優しいというのは認めてやろう。

 そして、何よりも私たちをただの普通の女の子扱いする。

 それはすなわち、姫だから、貴族だからという特別扱いもしなければ、媚もしない。

 等身大の私たちという一人の人間を見てくれる。

 それは上流階級で常に権力やら欲におぼれた薄汚れた大人たちや七光りのバカ息子や娘たちと接する機会の多かった私たちにはありえなかったこと。

 そして、私は気付いてしまった。


 姫様は確かに初恋で、一目惚れだったかもしれない。


 しかし、今はそれは切っ掛けにすぎなかったのだ。


 姫様はあの男と過ごし、あの男に惚れ直したのだ。



――姫様は……あの男を……本気でお慕いされているのですね……



 その時、同性である私でも見惚れてしまうほどキラキラと輝き美しく微笑む姫様。長年常にお傍に仕えさせていただいた私ですら初めて見る、「恋に憧れる女の子」から「恋する女」のお顔をされていた。

 ならばもう、私は何も言うまい。

 不服ではあるが、姫様にこれほどの表情と覚悟をさせるのだ。

 私もあの男と姫様の恋を応援しよう。

 


――おい、貴様! 今度のテスト……失敗したら落第であろう? そんなことは私が許さぬ! お忙しい姫様に代わり、私がみっちり貴様をしごいてやる!



 そしてそれ以降、私は姫様を幸せにするため、あの男が姫様にふさわしくなるようにしようと誓った。

 どうしてもついて離れない「身分の差」という壁。

 二人が想い合ってさえいれば何も心配いらない……などというロマンティックな御伽噺のような物語はあり得ない。

 必ずぶつかるその壁に負けぬよう、私もできる限りの協力をすることにした。

 勉強の指導も行った。



――ええい、勉強だけでなく、剣の腕も二流・三流もいいところ! さぁ、立て! まだ特訓は終わらぬぞ! 私から一本取るまで今日は帰らせんぞ!



 剣の指導も行った。

 だが、奴は全てにおいてからきしだった。

 何か陛下や周囲が認めるような才覚でもあればと思ったが、残念ながらそういった才能は持ち合わせていなかった。

 


――貴様というやつは~~~~、勉強もダメ! 剣もダメ! 一体何が……ん? ああ、さっき服を引っかけてボタンがほつれたようだが、こんなものどうでも……え? き、貴様何で裁縫道具などを持って……え? あ、ああ、いつも転んでばかりで服を破いたりするのでか……お、ほぉ、随分と手馴れているではないか……あ、か、かたじけない……



 そんな奴の特技と言えば、しょうもないものであった。



――さて、今日も遅くなってしまったな。明日もみっちりと勉強を……わ、は、腹が……ち、ちが! べ、別にお腹が空いたとかそういうわけでは……え? 食事を作る? 貴様が? ふざけるな、貴様が料理など―――――――――――う、うまい……宮廷などで出される贅の極みの食事とはまた違う、ありふれた食材でありながらもここまで美味いとは……この素朴な味もまた……え!? しょ、将来コックになりたいだと!?



 裁縫や料理といった、男にしては意外な特技があるだけでなく、まさかの将来の夢に面食らってしまった。



――ま、街のコックに……皆を笑顔にできるような……う、うむ、あ、いや、た、確かに素敵な夢ではあるがだな……あ~、その……



 そして困ってしまった。私はこの男を姫様にふさわしい男になる様にと思っていたのだが、この男の抱いている夢は、姫様との未来を想像できなかったからだ。

 王位継承権を持つ第一王女である姫様は、婿を取らねばならない。そして、その座を争うために日々欲に狂った者たちが水面下で政権争いをしている。

 この男はその争いに参入し、その上で姫様との未来を勝ち取らねばならないのだと思っていたところ、この男はそんな未来をまるで考えていなかったのだ。

 それは困る。

 姫様の悲しむ顔を見たくはない。

 何とかせねば……



――姫様……『再来週』の休日にあの男と買い物? おおお、やりましたね! おめでとうございます! え? ふふふ、姫様も緊張されるのですね? 



 そんなとき、一つの進展があった。

 ついにあの男と姫様の初デートが決まったのだ。

 と言っても、きっかけは「故郷の家族に手紙とプレゼントを贈りたいので、プレゼント選びに協力して欲しい」というギリギリ友人としての買い物という気がしないでもないが、それでも男女二人で出歩くのであればデートに違いない。

 本来であれば姫様の護衛を兼ねて私も同行するところだが、デートに同伴するなどという無粋な真似はしない。まぁ、せいぜい影から尾行するぐらいだが……



――姫様は何も心配されず、是非楽しんでいらしてください。もしあの男がつまらぬエスコートをするようでしたら、この私があ奴をたたっ斬って……



 だが、一つの心配事があった。それは、あの男が姫様をちゃんとエスコートできるかということだ。

 あやつは身近に他の女が居るような男ではない。それにあ奴の周囲や過去を調査したが、あの男は恐らくこれまで女性とデートをしたことがないと思われる。

 つまり、初デート。

 そんな男がいきなり姫様を上手にエスコートできるだろうか?

 もし、万が一にでも姫様をガッカリさせるようなことになったら?

 姫様に異性との人生初デートという記念となる思い出をガッカリさせるようなことは……



――というわけで、何も言わずに『来週』予定を開けておけ。私と街に買い物に行く。拒否は許さんぞ! いいな、私をもてなすつもりでエスコートするのだ!



 これしかない。私が直々に予行演習を手伝うのだ。

 改善すべき点などを容赦なく指摘して、この男と姫様のデートを必ず成功させるのだ。

 まぁ……私もデートは初めてなのだが……



――貴様ぁあああ! この私を待たせるとは良い度胸だな! 一体、え……待ち合わせよりまだ随分早い? な、なんだそれは! まさか私が楽しみにして早く来過ぎたとでも言いたいのか!? デートで女を待たせるな! 早く来るのが……え? 今日デートなのか? だと? 貴様ぁああ、私とのデートでは不服か! いや、そもそも気構えからなっておらん!



 やはり事前に私が自らチェックしてよかった。この男はいきなりとんでもない失態をする。

 私より早く来ていないとは……もし姫様を待たせるような無礼をするようであれば、その首を斬り落としてくれる。

 それに、この男はもっと大切なことに気づいていない。せっかく私が―――



――ふぇ? 服、か、かわい……い? ……なななな、何を急に! き、貴様、何をキザったらしいことを! わ、私が、ヒラヒラのスカートを穿くのがそんなに珍しいか! え……そ、そんな……いつもはカッコいいけど、今日はかわいい……な、ななな、そんな恥ずかしいことを真顔で言うなぁ! も、もう行くぞぉ!



 いや、これには気づいてくれた。デートで女の服を褒めるのは定番である……と、私が読んだ恋愛小説には書いてあった。

 私のような剣ばかり振るうような無骨な女には似合わないし、笑われるかもしれないと思って、ギリギリまで悩んだが……うん……着てきて良かった……



――ほう、この街で流行っているお菓子か……ふむ、では……あむ。……っ! あ、うわ~、あま~い! すごくおいし……こ、コホン! う、うむ、なかなか美味であるな……ん? お、おい貴様のソレ、私と違うのでは……味が違うのか? ………じ~………え? い、いいのか? 一口食べて……う、うむ、ではお言葉に甘えて……ッ!? き、貴様、私を侮辱する気か! 騎士である私に、「あ~ん」て、あ、待て、食べる……あ……あ~ん! ……う、うむ、美味しい……。しかし、私だけもらうのは気が引ける! そうだ、私のも一口食べてよいぞ! うむ、遠慮するな……ほ、ほら……あ……あ~ん……ど、どうだ? うむ、そうか! ……え? ……か……間接キス……ふぉがああああああああああああ!



 しかし、それにしても困ったものだ……



――ふっ、若い娘の多い可愛らしい店だな……私には居心地が悪い。ここは出て……あ、素敵な髪飾り……はう!? な、なんでもない、別にこんな女の子らしい髪飾りなど私には……え? ぷ、ぷれぜんと……ならん! そ、そんなのいらぬ! ええい、無駄に金を使うな! 大体、私はネートラレイル公国の誇り高き騎士! そんなその辺の街娘が喜ぶようなもので……もので……………う、うむ……あ……ありがとう……



 相変わらずこの男は私を騎士だと思っていないようだ。

 お菓子を「あ~ん」させたり、とても素敵な髪飾りをプレゼントしてくれたり……

 だが、もっと困らせたのは……



――ん? なんだ? 「そこの手を繋いでるカップル」? ……私たちに言っているのか? って、うわ! い、いつの間に私たちは手を……



 それは、この男と表通りで手をつないで歩いていたところ、ブサイクでガラの悪そうなチンピラたちに急に絡まれた時だった。

 私たちを冷やかしながら、私に対して自分たちと遊びに行こうなどとたわけたことを言う。



――私を誘う前に、まずは鏡で顔を見てその口臭をどうにかしてからにしろ。どけ、さもなくば……



 今日は剣を持っていないが、それでも私の力であればチンピラ程度何の問題もなく。



――な、お、おい! 何をやっている! いや、逃げろって……あ、おい、貴様ら!



 あの男は突然私を守るようにチンピラたちに掴みかかり、挙句の果てに私に向かって「逃げろ」と言った。

 騎士である私をまたもや女の子扱い。

 力もないくせに、いつも鍛錬で私に敵わないのに、殴られて、蹴られて、それなのに私を守ろうと必死に……

 頼りない男。

 だけど、頼もしいと思ってしまった。

 私は不覚にも、初めてこいつに出会った日、こいつにお姫様抱っこされたときに感じたこいつへの頼もしさや、心の温かさを思い出して…… 



――貴様ら……覚悟しろ!



 一応、その後チンピラたちは私が全員叩きのめした。

 しかし、あいつは怪我をしてしまった。

 まったく、本当に馬鹿でどうしようもない男だ。

 私ならば大丈夫だというのに……



――痛むか? まったく、貴様は何をやって……私なら何も問題ないというのに……え? お、女の子を守るのは当然……だ、だから、私を女の子扱いするな! 私は騎士だ!



 怪我したあの男は足を引きずってしまい、仕方なく私が肩を貸すことに。

 弱いくせに慣れないことをするからこうなるのだ。



――姫様にならば体を張って守るのは良い。しかし私は必要ない……それどころか、むしろ……貴様の身に何かあった方が私は……え? それは貴様も同じだと? 私に何かあるのはダメ? だ、だから貴様は……はぁ……貴様は本当に変わらないな……出会ったころから……



 そう、この男は変わらない。

 こんな私を貴族でも騎士としてでもなく接し、徐々にそのことに私も……



――あっ、やはり歩くのもつらいか……どこかで休んだ方が……しかし、夕食時であるのでベンチもカフェもどこも混雑して……仕方ない、あの宿屋で少し休ませてもらおう……ん? どうした? 急に顔を赤く……は?! あ、あわ、わわ、きききき、きさまあああ、ま、まさか、は、ハレンチなことを考えているのではないだろうな! 貴様の身体がつらそうだから、ちょっと休憩するだけだというのに、貴様は顔を赤くして何を想像した?! ええい、許さん! やはり貴様は、貴様という奴はああああああ!



 そして……



――今日という今日は我慢ならん! もう貴様には言ってやりたいことが、山ほどあるのだ! 今日はもう貴様への不満の全てをぶつけてやる! 覚悟しろぉおおお!




 翌朝……




 鳥がチュンチュン鳴いているのに起こされた……





 窓を開けると、雲一つない爽やかな朝。新鮮な空気。気持ちの良い風。





 振り返ると、ベッドにはまだ眠っているあの男は……裸で……で、私も裸で……なんか……うん……感情をぶつけ合い、途中から私も何故か泣いてしまったり、この男も珍しく怒って言い返してきて、気づけば口げんかのようになって、互いに熱くなってしまい……



 

 それにしてもビックリしたものだ。

 この男、まさか姫様ではなく、この私のことが好きだったとはな。



 私なんて口うるさくてウザったい頭の固い嫌な女だと思われていると思っていた。

 でも、何事にも真剣で、まっすぐで、大切なもののために懸命で、そしていつも一緒に話したり、夢を語り合ったりしていたら気づいたら私のことを……とのことだ。




――おい、まだ起きないのか? 無防備な顔を晒して……まったく、覚悟しろ? ちゅっ♥ ふふん、ようやく起きたか? 隙だらけだぞ? え? ゆ、夢じゃなかった? あ、当たり前だ……ばかもの……あ、こら、急に抱きしめるな! あ……ん♥




 うむ……




 ……うむ




 ……うむ




 そして、朝帰りをして自室に戻った私は我に返った。




 うん……ヤッてしまったと……



 それが、昨日のこと。



 で、姫様が壊れられた。








 誰か! わ、私はどうすればいいのか教えてくれぇえええええ!











――あとがき――

本作はカクヨムコンテスト短編賞に参加中させていただきます!


☆やフォロー数で争われますので、何卒フォローとご評価をお願い申し上げます。

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何卒ぉおおおおお_(꒪ཀ꒪」∠)


今後の執筆のモチベーションが高まりますので、ぜひ応援よろしくお願いします!

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