【第30話】勝敗の行方は
「あれー? ジャック様だー。なんかたくさん引き連れてどしたのー? もしかして訓練しにきたー?」
訓練場に入ると、足下にガンドたちを這いつくばらせたソールが不思議そうな表情と共に俺を出迎えてくれた。
「食堂でちょっとな。訓練場を使わせてもらっていいか?」
「それは良いけど……むっ」
俺の背後にいるメアリーと、メアリーが心配で付いてきたらしいアミャーミャの姿を目にしてソールの表情が険しくなる。
だがそれも一瞬だった。
ソールはすぐに表情を元に戻し、別の者に声を掛けた。
「あっ、ナルマ発見ー。戦闘訓練をサボッてどこに行ったのかと思ったけどジャック様と一緒だったんだ?」
「ち、違うぜソールさん。サボッてご主人様と一緒にいたワケじゃなくて、ご主人様が来たっつーか、なんつーか……」
「ふーん? ジャック様、どういうことー?」
「ナルマとメアリーが食堂で揉め事を起こしたんだよ。で、その揉め事を収めるために二人に決闘してもらおうかなと」
「……なにそれー? 揉め事を収めるために決闘っておかしくないー?」
「そんなことないですよ! これは必要なことなのです♪」
「つまりノートの入れ知恵ってことー?」
「まぁそうだな」
「ふーん……まっ、いっか。じゃあソールは見学しとくよ。ほらガンドー。いつまで寝てるのー? さっさと起きるー」
「うっ、ぐっ……む、無茶言わないでくれよ……さっきまでボコボコにやられてたんだからよぉ」
「軽く撫でてただけじゃーん。ほら、早く起きて起きてー」
「ううっ、鬼かよ……」
床に這いつくばっていたガンドはソールの無茶振りに何とか身体を起こすと、同じように床に這いつくばっていた他の仲間たちに手を差し伸べた。
「ガンドたちはジャック様の用事が終わるまで休憩していいよー。あとナルマは決闘が終わったらソールがたーっぷり訓練に付き合ってあげるから覚悟しとくことー」
「うっ、わ、分かった、分かりましたよ! なのでそのクソ怖い笑顔を収めてくれませんかねっ!?」
「あははっ、ダメー♪ ソール、ちょーっとナルマに怒ってんだからねー? 訓練、覚悟しておきなよー?」
「ううっ、はい……」
圧のあるソールの笑顔に頬を引き攣らせながら頷いたナルマは、八つ当たりをするようにメアリーを睨み付ける。
「クソッ、それもこれも全部てめぇのせいだ。ギッタギタにしてやるから覚悟しやがれ!」
「……」
いきり立ったナルマの罵倒を聞き流したメアリーが、何かを待つように俺に視線を向けた。
「ああ、武器だったか。捕虜にする際に預からせてもらった剣で良いんだよな?」
「ええ」
「分かった」
メアリーが頷いたのを確認し俺は、『無限収納』に保管していたメアリーの装備を取り出した。
「……っ!? そ、それは?」
「ん? 君の剣だけど?」
「いえ、違います! 何もない空間からどうして私の剣が……っ!?」
「ああ、そっか。メアリーは魔法を見るのは初めてだったか。これは『無限収納』っていう空間魔法の一種だ。『魔術』には空間を操作するような
「空間、魔法……?」
聞き慣れない言葉なのか、メアリーは驚愕の表情を浮かべながら鸚鵡返しの声を漏らした。
「そうだ。これが魔法だよ。君たち『古き貴き家門』が異能と呼ぶ力の
「そんなことが――」
そんことがあるはずない、とでも言いたいのだろう。
だが目の前で見せつけられた『無限収納』の事実を自分の中で消化できず、メアリーは言葉を飲み込んだ。
「もし君が魔術のことを話してくれるのであれば、引き換えに魔法のことを教えても良い。どうする?」
「……いいえ。魔術は『古き貴き家門』秘中の秘。その秘密を
「それは残念だ。でも一つだけ忠告しておこう。ナルマも魔法が使える。もし君が何も考えず、剣による決闘を拘るのであれば、君の負けは必至だろう」
『無限収納』から取り出した剣を差し出すと、メアリーはその剣を受け取りながら真意を探るように俺の目をジッと見つめた。
「なぜそんなことを私に?」
「ただの気まぐれか。それとも君を侮っているのか。どっちだと思う?」
「……どちらであろうと私は気にしません。ですがそんなペテン師のような言い方は気に食いません」
「フレンドリーに接しているつもりなんだけどなぁ」
「私が絆されるとでも?」
「まさか。だけど君は理性的で聡明だ。俺が持ちかけた取引の意味を理解してくれると信じているよ」
「……私は友を裏切るようなことはしません」
「そうだろうね。だけど決闘の後ではどうだろうね」
「それはどういう――っ!?」
メアリーの返事に肩を竦めて答えたあと、俺はいつのまにか訓練場に集まってきた
「これよりアルヴィース号空間騎兵隊所属ナルマと俺の専属奴隷メアリーとの決闘を行う」
「おおーっ!」
「待ってましたー!」
「やっちまえナルマー! 貴族なんてぶっ飛ばしちまえー!」
俺の宣言を待っていたのか、野次馬たちが口々に騒ぎ立てる。
「はいはい、みんな静粛に。この決闘はナルマとメアリーの矜持をかけた決闘だ。敗者は勝者に謝罪すること。但しこの決闘は決して貴族と奴隷の代理戦争ってワケじゃないことを皆も充分、理解しておくように。あと勝敗の如何に関わらず、今後、同じようなことがないようにな」
俺の宣言に野次馬の一部は残念そうに不満を漏らしていた。
その反応はクルーたちの正直な心中でもあるのだろう。
貴族への反感を持つ奴隷はそれほどまでに多いのだ。
だけど――。
(食堂の仕事を通して、オバちゃん同様にメアリーやアミャーミャ個人を見るクルーたちも増えているみたいだ)
不満を漏らすクルーたちに混じって、メアリーに向かって心配げな視線を送る者も確かに居るのだ。
その変化は俺にとって何よりも嬉しい事実だった。
「審判は俺が務める。両者、前へ」
俺の言葉に従い、二人は一歩前へと進み出る。
「相手が降参するか、俺が戦闘継続不可能と判断した段階で決闘は終了する。二人ともそれで良いな?」
「貴方が公平な判定を行うという保証は?」
「保証は無い。だけど公平にすることを、俺の女神様に誓うよ」
「……良いでしょう」
「ナルマもそれで良いな?」
「ああ。それで構わないぜ」
「よし。なら互いに構えて」
ナルマは近接戦闘用にカスタマイズされた
互いに相手を睨み付け、一撃で粉砕してやるという気概を纏いながら俺の合図を待っていた。
二人から少し距離を置き、俺は静かに片腕を高々と上げると同時に、メアリーに装着した隷属の首輪の条件設定を変更した。
「ジャック・ドレイクの名において命ずる。この決闘において、メアリー・ピスセスに俺たちへの抵抗権を認める」
俺の命令に答えるように隷属の首輪が光を放つ。
その光を確認したあと、
「決闘開始ぃ!」
俺は上げていた腕を一気に振り下ろすと同時に決闘の開始を宣言した。
戦闘態勢を整えていた二人が同時に動き始める。
まず先手を取ったのはナルマだった。
「おらぁ!」
ナルマは距離を詰めるように床を蹴ると、メアリーの顔を狙って素早く拳を突き出した。
拳の軌道を隠すこともなく真っ正面から繰り出した拳は、当然のようにメアリーに避けられる。
「……ハッ。まぁそうだよな。こんなただのパンチ程度が当たってもらったら逆にアタシが困るわ。好きなだけ殴れなくてよぉ!」
攻撃を避けられたナルマは、闘争本能剥き出しの獰猛な笑みを浮かべながらメアリーに向き直った。
だがすぐに攻撃を繰り出すことはしない。
籠手を装備した拳を構え、メアリーの反応を観察するようにジッと睨み付ける。
そんなナルマとは対象的に、メアリーは少しも表情を崩さずに身体の正面で剣を構えていた。
(杖剣。魔法使いが魔法行使の補助として使う
剣を構えたメアリーは背筋を伸ばし、腕を軽く曲げて前に出す、長剣を扱う者がよくする構えだ。
その姿勢を見ればメアリーのおおよその腕前は判別できる。
(メアリーはあまり剣は得意じゃないようだが、果たしてナルマに勝てるのだろうか?)
審判役を務めながらそんなことを考えていると、ナルマの攻撃を回避したメアリーがアクションを起こした。
距離を詰めてくるナルマに剣を突き出して牽制しながら、小さな声で呪文らしきものを詠唱し始める。
魔力の収束を感じ取り、俺はそのことを念話でノートに告げた。
(ノート! メアリーが魔力を集め始めた。恐らく魔術を行使するつもりだぞ)
(ご安心を。もちろんちゃんと観察してますよぉ♪)
ノートの反応に安心した俺は、再びナルマたちの決闘に目を向けた。
「おらぁ! ぶっ飛びやがれぇぇぇ!」
上段から左腕を振り下ろし、それを避けられたと見るや、すぐさま右腕を下から掬い上げるように振り上げるナルマのコンビネーション攻撃。
上段からの攻撃を避けたものの、すぐさま繰り出された右アッパーに対処できず、メアリーは杖剣を横に構えて直撃を避ける。
だがナルマは防御された状態でも構わず右腕を振り抜き、メアリーの身体を力づくで派手に吹き飛ばした。
「きゃあ!」
思わぬ威力の打撃を食らい、メアリーは悲鳴を上げながら後方に吹き飛んだ。
「はっ! 軽いなぁ! てめぇの身体は! なーんにも詰まってないからそんなに軽いんだよクソ貴族が!」
メアリーを吹き飛ばしたナルマは上機嫌で相手を煽る。
そんなナルマの煽り言葉には反応せず、体勢を立て直したメアリーが杖剣の先端を床に叩きつけた。
床材と鋼がぶつかる硬質な音が訓練場に響き渡る。
「なんだぁ? それでアタシを煽ってるつもりか?」
鼓膜を刺激する硬質な音に眉をひそめながら、ナルマがメアリーを威嚇する。
そんなナルマの様子に反応せず、メアリーは訓練場のいくつかの床に視線を投げ――やがて反撃開始とばかりに駆け出した。
「力では敵わないなら速さで攻めるってか!
ナルマから一定の距離を維持しようと走るメアリーに向けて、ナルマは床を踏み込んで一歩踏みだした。
だがその速度は普通ではない。
体内の魔力を足に集中させ、爆発的な力で床を蹴ったのだ。
「これが『
メアリーの予想を超える速度で接近したナルマは、強化魔法を纏った右腕を一気に振り下ろした。
「おおっ!」
「決まったぁ!」
ナルマの放った一撃を見て野次馬たちが喝采の声を上げる。
だが――。
「どれほど肉体を強化しようが、当たらなければ意味はありません。もう少し冷静に戦闘に臨むべきですね」
いつのまにかナルマの背後にいたメアリーが、再び、杖剣の切っ先で床を鳴らした。
「なにっ!?」
一撃を入れたはずのメアリーの身体は、ナルマの驚愕の声と共に蜃気楼のように消え去った。
「幻影の魔術。『古き貴き家門』の一員であれば誰でも使える初歩的な魔術です」
律儀に説明したナルマが地面を蹴って鋭い刺突を放った。
突き出された切っ先を間一髪で避けたナルマだったが、メアリーの攻撃は止まらない。
一呼吸する内に三つも四つも繰り出される瞬息の刺突を受け、ナルマは防戦に追い込まれる形となった。
そんなナルマに連撃を繰り出しながらメアリーが叫ぶ。
「異能力を暴走させて被害を撒き散らす者たちを制御することの何が悪いというのですっ!? 数百億もいる全銀河の人々を安全に過ごさせるためには厳しい法が必要になるのは当然! 例えそれが人として正しいことではなかったとしても、しなければならない事というものは確かにある!」
「そのためには何も知らずに生まれてきた命を地獄に叩き落としても仕方ないってか! てめぇら貴族は神様にでもなったつもりかよっ!」
「大を生かすためには、大に仇なす小を切り捨てなければならない! 例えそれが非道だとしても! それが統治者として生きる『
鬱屈した心情を吐き出すようにメアリーは叫ぶ。
「全ての貴族が貴女の言うクソ貴族であると思うならば、それは貴女の勝手というもの。好きに蔑めば良いでしょう。だけど私を! このメアリー・ピスタスを! ピスタス家を侮辱するのは許さない! 例え私が許したとしても、今まで領民たちを支えてきた我が血の誇りが貴方を許さない!」
高速の突きを繰り出しながらメアリーは叫び続ける。
だが――。
「うるせぇ! てめぇの血の誇りなんざ知ったことか! アタシたちは昔も今も、ずっと差別されてんだ! その悔しさが! その辛さが! その惨めさが! てめぇに分かるって言うのかよ!」
メアリーの剣を拳で弾き返したナルマが雄叫びを上げた。
「生まれた瞬間から首輪を填められ、どこの誰とも知らない奴らを主人を崇めて隷属しなければ生きることもできない! 尊厳を奪われ、自由を奪われ、誇りを持つことさえ許されないのがアタシたち奴隷なんだ! そのアタシたちに向かって、何が誇りだ! 何が務めだ! てめぇ勝手のその言い分を、どうしてアタシたちが理解しなくちゃいけねーんだ!」
半ば泣きそうな声を上げながら、ナルマは糾弾を続ける。
「てめぇら貴族はいつもそうだ! 自分には貴族の務めという大層なお役目があるから、奴隷を蔑む権利があると思ってやがる! 憐れみの目で奴隷を見て、気が向いたら施しを与えて、苛ついたら命を奪って! それが貴様ら貴族が今までアタシたち奴隷に対してやってきたことだ! 奴隷のような価値のない命とは違って、自分の命には価値がある。だから奴隷をどれだけ酷い目に遭わせても良いと思っていやがる!」
叫ぶように言葉をぶつけながらナルマは拳を繰り出し続けた。
その攻撃を時に避け、時に防御しながら、メアリーはナルマから距離を取って剣の切っ先で床を叩いた。
「ああ、くそが! カンカン、音鳴らしてんじゃねーよ! 耳障りなんだよその音ぉ!」
苛つきを露わにしながら、ナルマは『肉体強化』によって倍以上の力を発揮する肉体を駆使してメアリーとの距離を詰めた。
籠手で強化した拳撃を幾度も繰り出してラッシュを仕掛ける。
その一撃をギリギリで躱したメアリーは、接近戦を嫌ってナルマを牽制するために素早い突きを繰り出した後、大きく距離を取った。
だが、
「ちょこまか逃げんじゃねーぞぉ!」
メアリーがバックステップをしようと体重を後ろに掛けたその一瞬の隙を見逃さず、ナルマが右拳を振り抜く。
「ぐっ……! きゃあああっ!」
振り抜いたナルマの拳が左腕に直撃し、メアリーは悲鳴と共に訓練場の壁へと吹き飛ばされた。
ドンッ、と鈍い音を鳴らして壁に叩きつけられたメアリーは、その場に崩れ落ちる。
「はっ! いいとこ入ったぜぇ!」
会心の一撃を放ったナルマは快哉の声を上げると、壁に叩きつけられて床に膝を突いたメアリーを追い詰めるようにゆっくりと接近する。
「ざまぁねえなクソ貴族! てめぇみたいなクソ貴族は、床にはいつくばってるのがお似合いなんだよぉ!」
憎悪の滲み出した侮蔑の言葉を投げつけながらメアリーに近付いたナルマは、勝利を確実なものにしようと拳を振り上げた。
だが――。
「それはこちらの台詞です……っ!」
膝をついたままの状態で顔を上げたメアリーが、鋭い眼差しでナルマを睨み付けると、剣先を床に叩きつけた。
硬質な音と共に魔力が杖剣を通して床に移り、一瞬のタイムラグの後、大きな円の中に五芒星が描かれた図がナルマの足下に出現した。
魔力の光を放ちながら現出した円形の陣――魔術陣とでもいうべきものだろう――からナルマに向けて無数の鎖が射出された。
「なぁっ!?」
突然の出来事に対応できずに驚愕の声を漏らすしかなかったナルマ。
その身体は、陣から射出された、魔力によって形成された鎖によって雁字搦めに囚われてしまった。
身動きできないナルマにゆっくりと近付いたメアリーが、その喉元に剣の切っ先を突きつける。
「魔術の一つ『
勝ち誇るでもなく、自分の強さを自賛するでもなく。
メアリーは淡々とした口調で自分の勝利を告げた。
「うん。勝負あり。メアリーの勝ちだ」
魔力の鎖に拘束されて身動きのできないナルマの姿を見て、俺は決闘の勝敗が決まったことを宣言した。
「くそっ、てめぇ! 卑怯だぞ!」
「それを言う資格はナルマにはないぞ。おまえだって『肉体強化』の魔法を使っていたんだからな」
「それは――ちっ、くそっ! ご主人様よぉ、アンタぁ、どっちの味方なんだよ!」
「この決闘に限って言えばどちらの味方でもない。公平、公正に審判をしていたつもりだぞ?」
「くっ……ちくしょう! こんなのアタシは絶対認めねえ! アタシはまだ負けてないからな!」
憎々しげにメアリーを睨み付けると、ナルマは往生際の悪い台詞を吐き続ける。
だがそんなナルマに対し、意外なところから声が掛かった。
「見苦しいよナルマー。負けたのは事実でしょー? 認めたくない事実でもしっかり受け止めなくちゃ、強くはなれないよー?」
野次馬たちに混じって観戦していたソールが、見苦しく喚くナルマに手厳しい言葉を投げかけたのだ。
「そもそも相手が魔術を使ってくる可能性があるっていうのは、普段の訓練でも常々言ってることでしょー? 勝ちを焦って不用意に近付いたのはナルマだし、そもそも剣で床を叩くなんて意味不明な行動を取ってる時点で警戒しないほうが悪いんじゃないかなー?」
言いながらソールは前に進み出て、メアリーが剣で叩いた床の各所を調べて回った。
床を調べるソールの傍に近付き、俺たちは小声で会話を交わす。
「やっぱり。剣に集めた外部魔力を使って床にマーキングしてたってわけだねー。で、そのマーキングしたポイントを基点として素早く陣を展開したってことかー……」
「まぁそうだな。宙に陣を描いて発動させた場合、『肉体強化』していたナルマに回避される可能性があった。だからわざわざ床に基点を設置して罠を張った、ってことだろう」
「罠型の設置ができるのは厄介だねー……でも罠型にしたとしても陣の発動にコンマ数秒、タイムラグがあったような?」
「空中に陣を描く『宙図』での展開をしなかったのは、陣の展開から術の発動まで時間が掛かるから……ということなのかもな」
「それが魔術固有の傾向なのか、個人の資質によるものなのか。調べてみないと判断つかないねー……」
「まぁその辺りはノートに任せよう」
「ん、そだね」
メアリーの術の痕跡確認を終えて、ナルマたちのほうを振り向いた、そのとき――。
「ご主人! 気をつけろ!」
緊迫感のあるガンドの声が聞こえると同時に、首筋を狙った一閃が宙を滑って襲いかかってきた。
//次回更新は 07/15(金)18:00 を予定
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