嘘
月曜日、静まったホームルーム中に担任の先生は告げた。
柳美琴さんが死んだと...。
俺は信じられなかった。
だが、周りの啜り泣く音を聞いても現実だと思えなかった
死因は、日曜日にコンビニ強盗にあい、逆上した強盗犯が小さな女の子に手を出そうとした時に、庇って銃殺されたと聞いた。
お葬式に出席をした時に、担任を通じて柳のご両親に一部の遺品を貰った。
小さな紙箱に、俺の好きなブランドのハンカチと日記、あの時のキーホルダーが入ってた。
これは、俺への恋の想いが詰まった柳の宝箱であった。
日記には俺に恋をした柳の思いが詰まっていた。
ご両親も見つけて読んで、金曜日に付き合う事になったと知って、俺に宝箱を託したのだろう。
日記の最初の部分は、俺に恋をしてるよりも恋に恋をしてる状態に近いかもしれない。
だが、俺を脅した後の2日間で情けない俺が可愛いと書いてあった。
そして、学校の俺よりも好きだと書いてあった。
周りには両思いで付き合い始めたと認識されてたが、実は恋の芽生え程度だ。
月日が流れた。
他の人と付き合う事もあった。
一人、結婚をしようと思った人も居た。
その人が言うにはオレは囚われてる。
確かに、俺は囚われてるよ。
君があの時に言った嘘から、ずっと。
今日は、落ち着かなくて胸騒ぎがするのは、君の命日だからだな。
20年目だ。
今日は久しぶりに宝箱をの中身を見る。
そして、日記を読もうとした瞬間に眩しい光が現れて目を瞑った。
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