第184話 すべてを変える、小さな声③
「――よかろう。やってみせよ」
皆の施策とその意志を受けて、
「エレア。セヴァス」
「承知いたしました」
そしてやるからには全力を挙げる。
細かい指示などされなくとも、主の言わんとすることを
本質的にはどうでもいい相手であったとしても、主の命令であれば全力で護ることに否やなどあろうはずもない。
そして今。
ただ盲目的に従うことこそを至上としていた
それは眷属の憑代とはいえ、
『身命を賭して奮励せよ! 我が愉しみのために!』と。
その主の言葉に対して、自分たちは各々の言葉で間違いなく
だがそれはただ盲従するということとは、確かに違ったのだ。
そんなことに今まで思い至らなかった己の愚かさに、内心汗を流さずにはいられない。
主の望む理想的な
そんな力のみであれば、黒の王たった1体ですべての下僕を凌駕している時点で余っているのだから。
「エヴァンジェリン。ベアトリクス。白姫と
どこか嬉しそうにも聞こえる
「
『
「頼む」
クラリスと人の世界を代表する4人を
状況説明なども含め、こういうジャンルは
任せるべきは任せ、あとは人の意志に賭ける。
――十三愚人筆頭の
――おもしろいじゃないか。
たしかに
だがそれは今、天空城勢が関わった人々自らの手によって覆されようとしている。
これはこの世界をゲームとして扱う者――ゲーム・マスターへの、小さいが確実な一撃となるはずだ。
そして人の意志
――力無き理想も、理想なき力も、ともに意味がないというのであれば、綺麗ごとを実現させる力の部分を担当することで「冴えたやり方」を実現させてやろうじゃないか。
R.P.G――ロール・プレイング・ゲーム。
本義で言えば、各々が与えられた、あるいは望む
絶対的な暴力の化身、
世界を統べ、よりよき人の世界へと導く者たちを支える
――うっかり悲劇なんぞにのってやるものか。
今、そう決めた。
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