第24話 夜明け、そして


「はあー、なんか手と目と頭が疲れたな。」


 もう夕方か・・・何匹やったか覚えてないけどずっと無心でやってた気がする。でも途中から感覚的に鋭くなってきて魔物の死体を見ればどこからどう刃を入れればいいのかわかったような


 あとは知識として討伐証明部位を覚えて、ある程度の相場が値崩れ起こさない範囲で乱狩りして売るって感じかな。


 リュナさんも巻き込めたらいいんだけど、会話苦手だからうまく取引できそうにないしなー。


 ギルドで不足している部位を聞いて乱狩りしてギルドに卸す。それで得た素材を、そのまま売るもよし、アクセサリとかにして売ったほうが高いなら間に鍛冶師や錬金術師に依頼して作ってもらって商人に卸してもいいな。


 鍛冶師や錬金術師の初心者や学生で向上心があって根性がある子に作らせて共同で売るのもありだな。


 領主とかが良識的な人で領地の人に対して親身な人ならその売ったお金で公共事業を追加でやってもらうって手もあるんだけど。資金、技術や知識や発想を持った人間を警戒、監視しない管理者はいないだろうしな~。没だな。


 なんだか全然森にいるより平原とか他のフィールドにいったほうが楽しい気がしてるのもあって仮拠点の方に戻るのはかなりの後になりそうだな。Bランク辺りの実力が付いたら森の深部に挑むのも考えてみてもいいかもな。


 その時は仮の拠点にいって仮の拠点を豪華にしよう。遊び心満載で。森のアスレチック的な物を作りたいな。この街で仕入れれる物とかを使って仮拠点の高台のところから滑り台のような物で降りるだとか、でかい木々もあったしハンモック、ブランコなんかも作ってもいいかもな。おもしろそうだ。わっくわくしてきたぞ。


 ただ今の技術じゃ大工仕事や土魔法も使えないし、結界の魔道具なんかを作る錬金術とかもないしなー。あっても適正がないとかで作れないかもしれないしなー。あれば一回本気で理想の拠点、作ってみたい気がするけど。


 アイテムボックスみたいな収納系の魔法がないと木材とか石材とかの移動も大変そうだな。おかげで狩りしても素材放置してるしな。


 商人はやるつもりはないので、商人をしたい人や目指してる学生がいたら支援したり助言したりするのはしてもいいかななんて思ってたりはする。でも基本的に人を信用してないからなー。恨まず逃げられても後悔しないように気を付けて実験がてらやる感じでやらないとだな。情報は命より重いから取扱注意だ。


 人数を集めてパーティーとかクランとか作ってメンバーとダンジョンを周回したり、クランの街とか作ってもおもしろそうだよなぁ。


 前世の知識で商会なんかやっても貴族とかに目を付けられてめんどくさそうだしなぁ。森とかに本部作ってインビシブルの魔法とかで隠蔽かけて入る人を選べる機能とか魔道具辺りで作れたら考えてもいいかも? 国王軍の軍隊が来ても静かにお帰り願えるような。管理できる精霊さんがいるならその精霊さんと仲良くなれたら、程度かな。想像が膨らんで楽しいわ。


 ま、どれも機会があればって感じだよな。


 特にお金を集めてやりたいこともないけど、ゲーマーとしてはレベルあげ、装備、強化、素材集め、熟練度上げ、アバター辺りは無課金なりに頑張りたいところだ。あとはおいおい、出会いや機会があれば。


 今日は疲れたので宿に帰って寝ることにしよう。




「クリーン」



「おかえりなさい、ユリエスさん」


 ザ・おっとり系美人エレーヌさんだ。本日も人妻ながら美しいので眼福です。


「ただいま帰りました。」


「今日は早かったみたいね。ご飯、食べるでしょ?」


「はい、最後なんで、食べていきます。」


「あら、やっぱり他の街に行っちゃうのね、寂しいわ」


(うほ、エレーヌさんの色気に決心が鈍りそうだ。)


「そうですね。まだ他の街に行くかまでは考えていませんが、ちょっと出ようかと思ってます。こちらの街へ寄った際にはこちらの宿をまた使わせていただきたいのでまた泊まりに来ますね。案外近いうちに来るかもしれませんし。」


「それはプリモが喜ぶわ~。私もね?」


 身体をゆっくりふりふりしながら喜ぶ仕草をするエレーヌさんを見ているといけない気持ちになってしまいそうだったので、最後の夕食へと向かう。


「ユリエスさん、今日のご飯は僕が持ってきたよ! あはは! これはサービスさ!」


 イケメンアンガス(34)が現れた。イケメンアンガスの満面の笑顔攻撃。優理は敗北した。


「ありがとうございます。初めて飲みますね。」


 サービスで貰ったエールをぐいっと飲み、今日の夕食をつまみに口に入れる


「ぷはーっ」


「いい飲みっぷりだね。案外いける口なんじゃないかい?はは」


「料理が美味しいので、なんにでも合いますね」


「嬉しいなぁ。ユリエスさんとは話が合うからもっと話してみたかったよ!」


「僕もです。またふらっと帰ってきますよ。アンガスさんの料理は美味しいですからね。」


「そうかいそうかい。プリモも喜ぶと思うよ! 僕も嬉しいしね!」


「初めての街で仲良くしていただけたので、気楽にやりたいことができました。ありがとうございました。本当は1日だけ滞在してすぐ出発する予定だったんですけどね。」


「そうなのかい? それはプリモに感謝だね! こちらこそさ。プリモもエレーヌも最近可愛くて仕方なくてね! ユリエスさんのおかげかなーなんて!はは」


「そんな事ありませんよ。仲が良くて羨ましいですね」


「当然さ! 二人の事が大好きだからね! 僕も頑張らないとね!」


「次来た時に宿がなかったら困るので、頑張ってくださいね。」


「わかっているよ! 名前負けしないように頑張るさ!」


 精神年齢が同い年同士で仲良く過ごした。他のお客さんはいいのかなと思ったが今夜は注いで出すだけの料理だったので、エレーヌさんかプリモちゃんが代わりにやっていたのだろう。気を遣っていただけて嬉しい限りだ。


 口に残るエールの香りと、街で過ごした短く濃厚な思い出に満足感を感じながら眠りにつくのだった。


 夜は更けていく。


 10日程度の街の生活だったが、冒険の準備は終了した。







 あー・・夜の街に行ってねーー・・・・







現在時刻(22日経過) 【23:55】所持金【9580】


名前 ユーリ:ナカノ

種族:人間?

年齢:17

職業:旅行者★

状態:普通

レベル:7


≪スキル≫

【言語理解(共通語)】【ステータス表示:タイム】

【ステータス表示:マネー】

【活力Ⅰ】【気配りⅠ】【黒髪キラー+Ⅲ】

【ポーカーフェイスⅤ】【隠蔽★】【自制心】

【悪路歩行】【料理スキルⅠ】【短剣術Ⅰ】

【思考加速Ⅲ】【毒耐性Ⅵ】【水属性魔法Ⅳ】

【回復魔法・極】【以心伝心】【たばこ召喚】


<NEW>

【投合Ⅲ】【気配察知Ⅰ】【気配遮断Ⅰ】

【生活魔法マスタリー】【精神耐性Ⅱ】【解体Ⅲ】


≪ユニークスキル≫

【夢マイスター★】


≪称号≫ 

【黒歴史】

【大女神の寵愛】

【煙を愛する者】

【異世界からの来訪者】


※優理は、教会にいったことがないので、自分のスキルがわかりません

なんとなく勘と使えたスキルを野生で使っています。


※時間停止型布製アイテムバックは魔力を通して使わないと亜空間倉庫にならないので優理は気づいていません。


持ち物

【布袋:完全停止】【ガイヤスの短剣Ⅴ】【初級魔道書】【冒険者ギルドカードG】

【ユリエスの棒槍Ⅰ】



次からの冒険はソロで過ごす大平原編になる。

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