目が覚めて雨の音が聞こえると妙に心地良くなる。外に出なくていいんだ。休みだからって満喫しなくていい。よかった。これで明日の話題も気にしなくて済む。そんな日ばかりじゃないけど、そう思う日もある。けど近頃、そんな日の方が多くなってきた。


 部屋の隅っこ。窓が近くにあって、そこから外の温度が伝わってくる。私だけの特等席。部屋の中は暖かくしても、そこだけはひんやりと冷たい。そこでぼーっとするのが好き。キッチンの窓に水滴がついていて、外では雨が降っている。私は濡れない。風邪も引かない。とてもとても平和。ずっとこのまま雨でもいいな。お気に入りの靴は履けなくなるけど、それでもいいや。もう少しで明日になる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る