第9話エインの悩み
最近メイドを雇った。
テリアは、初めは怯えたりしてたけど緊張も溶けたのかよく働いてくれる。
彼女の作るご飯はものすごく美味しいし、ネイも案外そこまで嫌ってはいない……はずだ
そんなテリアも温もりが恋しいのか、寝る時になると必ず枕を持ってトコトコとやってくる。
そして2人でベットに入るのだ、だが勘違いしないで欲しい!
俺は何もしていない!確かにあんな美少女が隣に寝てたらついつい触りそうだが、ネイが怒るんで、はい生殺しされてます。
たまにテリアは抱きついたまま寝てたり、夜に涙を流してたりする。
この子はまだ幼いのに辛い経験をしてるから仕方ないのかもしれない、そういう時に頭
を撫でてやると満足そうに眠るのだ。
「かわいい!!かわいすぎて困る!」
だがそんなテリアに関しても最近困ったことがあるのだ。
「ああ朝か、テリアは、いない……相変わらず朝早いなあ」
自分の横を見るとまだ暖かい小さなくぼみがあるだけだった。
「ん?また俺の上着が無くなってる。」
またテリアかな?俺は全然良いんだけど嫌じゃ無いのかな、男の服なんて
臭くないよね?え?大丈夫だよね?臭いとか思われたら俺家出しちゃうよ?
とまあ、話はそれたがそう!困ったことそれは……
テリアって魔獣と仲良しになりすぎじゃね?
一応この森は魔獣もわんさか出るし、この森に入ると迷う人が続出している。
しかしテリアは凶暴な魔獣でさえ手当てしようとつれて帰ってくるし、朝森に散歩に行ってるようだけど、ケロッとした顔で帰ってくる。
一応俺の魔力をバレないようにつけてるから、何かあったら駆けつけられるけど、、、
まるで魔獣とこの森がテリアを味方しているようだとも思っている。
「はっ!?」
急にテリアにつけてある俺の魔力が反応した。
俺は何事かと急いで転移する。
転移するとそこにはテリアと小さな子供のガーウルフが一緒にいた。俺はとっさに木の影にかくれる。
「あれは……ジャイアントベアーだ、まずいなあれは、上位魔法士でないと相手ができないくらいでこの森でもトップクラスに凶暴なやつだ。」
エインは間に入るタイミングを伺っていたが
力を抜いた。なぜならジャイアントベアーに
敵意を感じなかったからだ。むしろ涙目でギュッと目を瞑る金髪美少女を見てうっすらと赤くなっている。
「コイツ、惚れたな…………アホらし、帰ろ」
エインは大丈夫だろうと、転移して二度寝しようとする。
「どこ行ってたの?」
なぜか俺のベットの端の方で寝ていたネイが話しかけてくる、てかなんで君たちは自分のところで寝ないの?
もしかして、ネイや、テリアのベットより少し良いやつ使ってるのバレたのか?
「ん?まあ、テリアの様子を見にね…」
「あの子最近森によく行ってるわね、まあ何もしなくても平気だと思うわよ?」
「いや、でもテリアの身に何かあったら……」
「大丈夫よ、私は森と繋がってるから見えてるし、それにあの子すごく心が暖かいから、魔獣たちも心を開くのでしょうね、ほんと不思議」
そう、実は彼女こそこの森のトップなのだ。
それに妖精でもあるため、自然を介して様子を見るなど造作もないのである。
「なんか、似てるなあの人に…………」
「エイン…あなた、まだ……」
「まあ!ともあれ大丈夫とりあえず二度寝だー」
少ししんみりした空気を飛ばすように言うとネイの横に寝転がる。
「それにしてもあの子、またここに連れてきたりしないでしょうね……」
「まさか!今日の魔獣はジャイアントベアーだぜ、そんな性格じゃねいだろ」
「それもそうね、じゃあおやすみなさい。」
(あれ?待てよあいつ絶対テリアに惚れてたよな?でもまさかな、人間に惚れ込んでここに来るほど甘い魔獣じゃない。凶暴なやつだからな)
(まさかな-…)
しばらくして、地響きでベットから転げ落ちたのはここだけの話
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