第7話メイドやります!

魔獣の襲撃から1時間後……




「うっめぇぇぇぇぇいぃ!!」


男は………叫んでいた。


「これを、テリアが作ったのか!!美味すぎる!毎日でも作って欲しいぜ!」


「毎日だなんて…そ、そんな」


暴走するエインとは裏腹にモジモジと顔を赤らめるテリア。


「この料理なんていったけ?マリアだっけ?」


「誰ですかそれは!?ド・リ・アです!

ミートドリア!」


「そ、そうだそうだ!しかしたまらんな、なんといっても肉の濃厚な甘さと何よりこのとろけるチーズがもう最高だ!!なあ!ネイ!」


ネイにも同意を求めようと、エインがネイの方に目を向けるとネイはまだ一口しか手をつけておらず固まっていた。


ちなみにネイのドリアはビンのキャップほどの小さなお皿に盛り付けられておりちょこんとおかれている。


「…し…い……すっ……て」


「あの、口にあいませんでしたでしょうか?」


ボソボソと呟くネイの様子に不安になったテリアは恐る恐る聞いてみる


「美味しいですって!?ばかな、この私が人間の作ったものを美味しいと感じるなんて………」


「よかったです!お口にあったみたいで」


ネイの様子にテリアも満足気味に料理を頬張る

「久しぶりにまともな飯を食べからもう俺は大満足だ!元気いっぱいだ!」


「え?お二人は普段どんな食事をなさってるんですか?」


エインの言葉に疑問を持ったテリアはすかさず質問する


「だいたいは、落ちてるもん持って帰って食べてた。」


「まさかの拾い食い!?お腹とか壊さないんですか?」


「いつだったかしら、エインが拾ってきたどんぐりを食べた時は死にかけたわね、うん本当に殺してやろうかと思ったわ」


「ナ、ナンノコトカナ〜ワスレテシマッタヨソンナコト」


「あの!」


急にテリアが大きな声を上げた、二人は一斉に視線をテリアに移す、するとテリアは意を決したように真っ直ぐな瞳で言葉を発した。


「私を……ここにおいてもらえませんか!?

料理でもお掃除でもお洗濯でもなんでもします!お願いします!」


「いいよ〜」


テリアは断れるかもしれないと不安を抱きながらも聞こえてきた返事はなんとも軽い了承の言葉だった。


「へ?いいんですか?」


「うん、もともとこっちから誘うつもりだったし、身よりも無いんだろ?それにテリアみたいに可愛くて料理ができる子なら願ったり叶ったりだよ!」


「可愛いだなんて……でもありがとうございます!あの、ネイ様もそれでいいんですか?……あの…人間がそばにいたら気を悪くしませんか?」


少し照れつつもネイにも改めて確認をとる、何せネイはエインの言うように人間嫌いなところがあるらしい


「エインが良いなら私もそれで良いわ、それにあなたの料理……悪くなかったから」


少しそっぽ向きながらネイも了承する


「じゃあ!今からテリアは晴れてこの家のメイドだ!よろしく頼むよ!」


「ちょっと趣味入ってるわよ」


冷静に突っ込むネイに対しエインは言う


「ネイ!細かいことは気にしないの!」


「メイド……はい!メイドやります!

よろしくお願いいたしますエイン様!ネイ様!」



こうして我が家に一家に一台の美少女メイドさんが誕生した。



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