【東京Build】アーバンファンタジー東京愛！ レアスキル取得で今の時代を謳歌する

EP16 採用困難極まる

まず会社のコンセプトをしっかり伝えないと行けないな。従業員には同じ夢を共有して成長していきたいからな。

【ギルド(カフェ&バー)】

コンセプト:異世界のギルドが日本に誕生！

さまざまなコスプレに身を包み。

素敵なギルドの職員さんが今日も1日がんばってくださいね！可愛いスマイルでねぎらいの言葉で冒険者達を…

お.も.て.な.し！おもてなし！

飲食スペースやバーカウンターで気の合う仲間たちと過ごす異世界の時間。

お客様のコスプレ大歓迎！

お着替えスペースもありますよ。

オフ会大歓迎！！

【昼メニュー】

フリードリンク200円

ソフトドリンク飲み放題

コーヒーマシン有り

スィーツ300円、ホットケーキ、クレープ、パフェ、塩豆大福、アイスクリームなどなど

【夜メニュー】

ビール、ハイボール、ワイン、レモンサワーなど最初の一杯は100円！お通しなし！席料なし！安心して飲める。

その他お酒各種、おつまみ、軽食あります。　

するめの天ぷらありますよ！

軽く呑んだら2軒目はお隣の宿屋の居酒屋へという感じのコンセプト居酒屋を一緒に作っていこう！

【求める人材:】

異世界小説が好き　

前からコスプレに興味がある。

むしろもうやっている。

趣味と実益を兼ねたい。

ここで働きながらYou◯ubeu配信したい！

機材サポートありますよ。

兎に角可愛い衣装が着たい。

イケメンさんも大大募集！

俺はイケメンの獣人を目指したい。

騎士様と呼ばれたいそこの君！

今回は正社員の募集です！！

もう親には遊んでばかり、いい加減アルバイトじゃなく就職しろと言われているそこの貴方！見返すチャンス！ですよ。

【社会保険一式】

【交通費全額支給】

【残業代全て割り増しで支払い】

【福利厚生あり】

【年一回決算期利益確定ボーナスあります】

基本年俸制なので月額たくさん貰ったからって無駄遣いしないように！

まずは応募よろしくお願いします。

オーナーより。

「こんな感じでいいだろうな」

まずは働く場所の見学を兼ねてギルド施設内を一般公開する事にした。

今回ギルドスタッフは当日派遣会社からコンパニオンさん、駆け出しメンズモデルさんに来てもらいギルド職員のメイドコスプレや猫耳、クマ耳、うさ耳さんの獣人コスプレ、冒険者達に扮してもらった。

採用の詳細はギルド掲示板に貼り出した。

前日にリハーサルと称してギルドの入口を開放しながら準備していると興味深々の若者達は足を止めて中を一生懸命に覗き見していた。コレがいい宣伝になった。

Yahohoニュースのトップページに上がり取材がいくつか入った。

もう秋葉原ギルドとして噂の的だ。　

【ネットスレ】

#秋葉原ギルド#リアル異世界#コスプレ#なろう系#秋葉ギルド社員募集

皆んな！もう秋葉ギルド見た？

ギルドの建物がリアル過ぎる！

早く入りたい〜

今日ギルド内、外からチラ見出来たぞ

ギルドの職員さんコスチュームかわいい。

やだ〜イケメン獣人さんやばいよ〜

いつお店はオープン？誰か知ってるか？

まだ従業員を募集中らしい。

お給料良いよね！

福利厚生もあるのかよ！

まじか〜俺応募しようかな

俺は会社辞めるぞ！

俺は人間辞めるぞ！

ケモ耳ならんか？

徹夜組あるか？

当たり前だろう

始発で間に合うか？

遅すぎるぞ！

掛け持ち有りかな？

こんな会社で働くなんてパラダイスか！

天国＝パラダイス

社内恋愛OKか？

ありありのありだろう

制服がかわいいから気になるよね。

うんうん、着てみたい。

うんうん、見てみたい。

下心出しスギちゃん

オイ！明日従業員募集の事前職場体験あるらしいぞ。

今ギルド入口に張り紙が出てた。

マジか！明日休み取ろうかな。

明日、俺は会社辞めるぞ！

明日、人間辞めるぞ！

明日はまだ早くね？

直ぐ潰れるからやめとけ。

何処の会社が運営しているんだ？

新手の風俗だろう。

待てみんなの夢を壊すな！

ネガは他所でやってくれ。

消えろ！

オタの夢を壊すな！

コスプレの聖地を汚すな！

実は興味ありありだろう。図星だ！

その日の内にスレはかなり伸びた。

ポジが7割、ネガ3割くらいか、まあスレに書き込んでいる時点で10割興味を引いたという事だ。

翌日、秋葉原は大混乱となった。

朝から秋葉原ジャンク通りには長い列が出来ていた。なんかのゲーム機器PS10発売日か？

家電量販店の閉店投げ売りセールか？

ずーっと続いている。

ギターケースを背負ったパンクバンド女子の学校制服姿のJKが…

『あの〜此れ何の行列ですかね？』

「オレも分からないんだよ」

「並んでる人の中にコスプレしている人がチラホラ居るからアニメイベントか何かじゃない」

『へぇ〜ありがとうございます』

やっぱりコアなファンを持つと景気に強いよなあ。ファンはブレないからうちのギルドもそこを狙おう。

「って？おーーーい！」

「コレうちのギルドの列じゃんか！」

「マジか、凄いなこれ〜」

他人事のように外から見ていると。

『グレイさん！』

『何やっているですか！』

『早く来てください』

面白いコンセプトの店だからと都知事さんから紹介された人材派遣会社から研修を兼ねて2名サポートをしてくれている。

今年の新入社員

【木花咲那(このはな　さくや)23才】

通称さく。ショートボブの小柄な小悪魔系、肉食女子、見た目小動物系、Cタイプ

先輩で2年目

【豊玉姫(とよたま　ひめ)24才】

通称ひめ先輩。黒髪ロング、メガネ美人、姐御肌、どS系？、スタイルのいいスリム、Aタイプ

『本当にコレ1人でやろうと思ってましたか？』

「えっと…はい…」

『本当もう〜』

若干呆れられた。

「お昼に美味いもの奢るからよろしく」

「職場見学は午前中だけだからなんと頑張ってさ」

ギルドフロアに本日のキャストのみんなを集めよろしくお願いしますと伝えて配置についてもらった。

ギルド窓口にはさくちゃんとひめ先輩で勿論ギルド職員コスチュームだ。

さっき外でこの格好のひめ先輩に怒られて変な気分になった。新しいプレイかと萌えた。

何か軽く失敗して見よう！

今度はさくちゃんに叱られてみたいな〜

また違った味がするだろうな。

ぼーっとしてたらイケメン獣人さんに張り切って行きましょうと背中を押された。

(バン、バン…)

何にも感じない。

オレは漢だからな。

フロアのメンバーは皆ギルドの飲食スペースやバーカウンターってくつろぎ適当に世間話をしてもらう。見学者に簡単なギルドの建物内の説明をしてもらう。フロアの案内役は詳しいことを聞かれたらギルド窓口を紹介するパターン。ジュース飲み放題でふらふらしているだけで疲れたら座ればいい、楽なバイトだ。

2階はギルマスの部屋、従業員ロッカー室、休憩室、商談スペースで2階もキャストが休憩室でおしゃべりしながら対応している。

1階の掲示板に募集要項が記載されていてみんな真剣な眼差しで見ている。同じものを店のサイトにもアップしているし店内の様子をリモートで見れる様にしている。

日本全国から採用したいからだ。オレはあまりの人の多さに掲示板の横でウロウロしている。それを見たひめ先輩が手招きしてオレを呼んでいる。

『オイ！お前！』

『お前だよー』

『今何をしているのか？』

「えーと…」

『お前は何をしているのか？と聞いているんだぞ！』

ゾワ〜とした。

「分かりません！」

と答えると首からタスキをかけられた。

(スポッ)

採用担当者と書かれていた。

(ザワザワ、ワイワイ、ガヤガヤ…)

今まで隠密を発動していたかの様に存在が消えていたがこのタスキをかけられた途端におしくらまんじゅう状態になった。

これはマジックアイテムか？

いつものマントにフードを被り、マスクをしている採用担当者なんていないから当然タスキ無しでは誰も寄り付かない。

ぱっと見は暗殺者見たいなコスプレだ。

ギルド発行の簡易履歴書を配り、記入欄の説明をした。

「皆さん、此方が応募用の履歴書です」

「どうぞどうぞこちらへ…」

(ドタドタドタ、バタバタバタ、ガヤガヤ)

「あ〜落ち着いて下さい」

「イタタタ、アタタタ、待って待って」

(ぎゅーぎゅー、きゅーきゅー)

【履歴書】

名前

生年月日

住所

志望動機

以上！

いつも思うが履歴書ってやたら入学、卒業やら記入欄に書き意味なくないと思っていた。

後写真は全身でポーズを取った自分なりのキメキメを送ってくれるように説明した。

「毎回上半身のかっちりした写真などいるか？」

「こっちは個性を見抜きたいんだよ！」

「採用はそういうものだよな」

『はい、私もそう思います』

この話しをしたらさくちゃん感動してくれた。

午前中だけで用意し1.000枚の履歴書を配り終えた。足りなくなった分はみんなに店のサイトからダウンロードして申し込んでくださいとお願いした。

掲示板にQRコードからも読み取れる事やスマホで簡単に入力が出来るし写真のアップロードも簡単だと再度説明した。

若い子はこっちの方がやり易いだろう。

「毎回ボールペンでの記入は必要か？」

「何枚履歴書を無駄にした事か！」

「字の上手い下手は採用試験で写経でもやらしたらいい。どこの会社も今はPCだろ」

「同じレベルで習字が上手いが全くPC素人と字は下手だけどPCスキルが素晴らしいやつどっちを採用するんだよ」

「神社や看板屋じゃあるまいし採用方法に異議あり」

『はい、そう思います』

隣りでさくちゃんがうんうんとしている。