EP15 クラン創設
オレは次の段階に移行すべくクランを創設することにした。
同じ志ざしを待った仲間達を集めよう。
オレの東京をゴミから救う志しをもつ同士を集めて皆でゴミ拾いをするんだ!
オレは割と形から入るタイプだ。
秋葉原に手頃な物件がないか都知事さんに聞いた。そしたら何をするのか聞かれて、ゴミ拾いをする仲間を集めその休憩所を作りたいと伝えた。
都知事さんはてっきりアジトでも作るのかと物騒な事を考えていた様だ。
『あーーゴミ拾いね』
『いい事よね』
『やっぱり疲れるし、そうそう熱中症予防にも休憩所は必要よね』
取り繕う様に慌て話し始めた。
(?、、、)
まあ、その推理はあながち間違ってはいないが。
おおっぴらには事は運べないが、ヒソヒソ出入りするのも面倒だから人目を引く所に堂々と作る事にした。
オレはあれから高橋と月いちであのメイド喫茶に通っている。
クランのアジトはズバリ!
メイド喫茶!
じゃなくてーーー。
ギルドだ!
よく異世界ものにあるあのギルドそのままを再現したい。受付カウンターやバーカウンター、飲食スペース、掲示板など、2階はギルマスの部屋、商談スペース、従業員のロッカー室、休憩室など。
隣の建物は宿屋を作ろう。
異世界風だ。
1階は食堂兼酒場、2階に10部屋程の宿泊施設だ。外観も如何にも的にするつもりだ。
秋葉原の街中の異彩を放つこと間違いない。
オレの東京に遊びに来る人を安全安心に泊まれる宿屋だ。1泊1食5.000円位にしたい(朝食のみだ、東京グルメを楽しんで欲しいからだ)
もちろん食堂で食べることもできる。
ギルドメンバーは4.000円位かな。
都知事さんから不動産業者を紹介された。
『此方がおすすめの物件です』
「へぇ〜」
秋葉原ジャンク通りの後ろが小学校の辺りの5階建ての空きビルだ、見たところ築45年といったとこか。中々良い立地のところだ。
『駅からも徒歩圏内ですし周りにもショップが点在してますから集客も大丈夫かと』
「うんうん」
駅から遠いいとアクセスに不便だし、周りに何も無いと不便だし、近くに秋葉原グルメも多いしオレはここに決めた。
「それじゃ、此処に決めます」
『はい?そんなに簡単に、大丈夫ですか?』
「立地もスペースも問題ないです」
オーナーはウィルスやらなんやらで景気が悪くなり撤退する飲食店や事務所を畳む件数が増えて困っていた様だ。
『実はまだお話しして無い内容がありまして…オーナーが取り壊しを検討してまして、その、あの…』
オーナーからはビルも古いから取り壊しても構わないと言われているらしい。新しくビルを建て替えようか考えていた矢先のウィルス禍。
「なんなら此方で取り壊しましょうか?」
『はい?え?ちょっとお待ち下さい』
(ピプペピポ…ツーツーカチャ)
『はい、あの秋葉原の物件の件で確認ですが…はい、ええ、そうですか…分かりました』
不動産屋さんは直ぐにオーナーに物件の確認をして取り壊しして2.3階建てを建てるなら後で撤去する費用も安く済むからじゃんじゃんやってくれと言われたらしい。
「良かったです。ありがとうございます」
『此方こそ契約誠にありがとうございます』
『それでは戻ってお手続きのお話しを』
元々ビルの賃借料が総額で月600万だったらしい。ひと月500万にまけてもらい5年間一括払いにした。3億払ったらオーナーは喜んでくれ敷金やら礼金はいらないとさらにオマケしてくれた。こんな時代に確定収入だからそりゃ嬉しいだろう。
オーナーにカフェや食堂、居酒屋をやると伝えたら楽しみにしていると腕をワキワキさせながら秋葉原の街に消えて行った。
ああ、金は悪い奴らから巻き上げた物だ。
寄付など色々考えたがいづれも一過性で終わってしまいまた直ぐ状況は元に戻ってしまうからやめて置いた。
しっかり考えて使わないと死金だ。
今回はビルに足場を組んで仮囲いし悪目立ちしない様にオレがぱっと取り壊した。
「デリート」
更地に建築業者を呼んで建築士、設計士、業者営業マンと建物の建築についてアレやらコレやら。参考になりそうな欧州プラハの街並みから画像を拝借しアレやらコレやらとコンセプトを伝えた。
「こんな感じでお願いしたいのですが」
「いけますか?」
『ふんふん、なるほど、で、はいこれですね』
『このイメージ良いですね。それなら…』
『任せて下さい。200%で頑張ります」』
「それじゃお願いします。凄く頑張るパーセントですね」
『はい!やる気MAX越えです』
「はぁ…」
石作り2階建のオレンジ色の屋根に木組み建築のギルド、その横に3階建ての宿屋を作る事にした。ギルドは吹き抜けを作り。天井を高くするから見た目は2階だが3階建てくらいになるそうだ。宿屋とのバランスを考え3階建ての方が見栄えが良いと決定した。
丁度角地に立つので道路側、向かって右側に宿屋を、左側には隣ビルに接した側にギルドを建てる事にした。宿屋は道路側で窓を多く取れるしいざとなったら避難し易いらしい。
それでよろしく頼んだら。
一週間もしないで建築模型を持って来た。
どうやら建築士、設計士達は欧州風な街並みに憧れていたらしい。いつかそんな建物を建てたいが日本ではテーマパークくらいしか需要が無かった。
ウキウキのワクワクで徹夜しながら、ずーっと温めていたコンセプトをモリモリにしてプレゼントしてくれた。
『それでは外観の建築様式は日本の耐震基準に合わせて鉄鋼、コンクリートで作りまして外壁などは木組み建築の昔ながらの現地の手法を採用致します。それで室内も木の柱、梁を生かした作りにしたいです』
『それと電気系、ガス系、通信系、空調設備、給排水設備などは最新のものを使い何不自由ないものに仕上げます」
なんとも鼻息が荒い説明が続いた。
やる気が空回りしないと良いが。
「コストは特に気にしないから良いものを作って下さい」
『かしこまりました。400%で頑張ります』
「おっと、やる気MAXが倍になった…」
『それならコレも採用しよう…』
『こっちは?』
『ありだな良いアイデアですね』
『あとこれも…』
『うんうん良いよね』
2人はアレも採用しよう!コレはどうか?など2人は独自の世界に入っていった。
(トンテン!カン!トンテン!テン!)
気合いが入っていたのか直ぐ出来た!
わずか1ヶ月!え?ちょっと驚いた。
人間やれば出来る!芸人でオレンジ色の服を着た元高校球児が頭の中に出て来た。
秋葉原界隈ではここには何が建つのか話題になっていた。
まだ仮囲いがしてあり中が見えない。
そんな中ドローンを使い覗き見する者が現れた。なんと中世の建物がそこにありおおよそ秋葉原と思えない絵面にネットはざわついた。
#秋葉原.com
#新規オープン店舗?
なあ?ジャンク通りの空き地に何出来る?
結婚式場じゃないか?
なんだ…つまんない。
新しいアイドルの劇場か?
それは嬉しいかも。
石窯パン屋か?
田舎にあるやつか?
フレンチレストランか?
オシャレやな。
マシマシ系ラーメン屋か?
そんな事かるか!
ふざけるな!
びっくり⁈ド◯キーか?
金持ちのお遊びだろう。
だな。
そやな。
最近下火になった秋葉原人気も久しぶりの開発にネット上では様々な噂で盛り上がった。
オレは建築中、同時進行でギルドで働くギルド職員の募集、面接を始めた。
アルバイトではなく、正社員だ!採用で容姿端麗と書けないこの時代、面接には時間がかかる。まずは書類選考と伝えてあるからじっくりと人材を探そう。
都知事さんからビスリーチ!的な人材派遣会社を紹介された。
【ギルド職員】
ギルマス1名 年俸制840万
副ギルマス1名 年俸制660万
ギルド職員7名 年俸制420万
決算期業績連動ボーナス制度
【宿屋従業員】
夫婦1組 年俸制1200万(夫婦で)、(社員寮あり無料、光熱費無料、備付家電付き)
アルバイト 10名 時給1500円(食事付き)
決算期業績連動ボーナス制度(アルバイトさんにも出るよ)
想定人件費コスト
約7.500万くらいかな、会社って以外とお金が掛かるものだな。家賃は5年前払いでないから雑費含めて1億ちょっとか。
ギルドにはカフェを併設し夜はアイリシュパブの様にしたい。
昼夜合わせ15万〜20万くらいか、ギルドは人件費、雑費で相殺出来ればそれでいい。
宿屋は宿泊稼働率が70%のかなり高い予約率だ。近隣のホテルと比べてうちの方が安くて新しいから勝算はある。きっと普通のビジホに飽きた人や宿屋のコンセプトが好きな人が泊まってくれるだろう。
居酒屋と合わせて年間1億3千〜5千くらいか。
宿屋16室、1泊5.000円で稼働率70%で約2.000万。
居酒屋
ランチ8万、夜30万で365日、1億3千8か。
これでは夫婦が倒れしまうからシェフを2名雇おう。後アルバイトを増やそう。夫婦どちらかが休みの時、または2人でお休みを取る時はギルマス、副ギルマスが代わりにサポートしょう。
ギルドなんかは揉め事が無ければやる事ないんだから。状況を見ながら採用をかけよう。ギルマス、副ギルマス採用時要説明。
ギルドと宿屋ふたつでひとつだからな。
まあ儲けが出なくもいいか、赤字分は魔石販売で相殺しよう。
兎に角楽しくやろう!
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