第12話 ボスとの邂逅
幹部を全て倒したあとは、まったく敵が出てこなかった。そのため、スムーズに進むことができた。ボスも一騎打ちを覚悟しているのだろうか。あるいは最後の舞台に敵を揃えているのかもしれない。いずれにしても、油断するべきではないだろう。
最上階へ近づくにつれて、どんどん敵の気配が強くなってきた。僕は深呼吸して、気を引き締め直した。
ついに最後の部屋まできた。重そうな扉が目の前にある。勝手に扉が開いた。僕に入ってこいと言っているのだろう。恐る恐る部屋の中へ入っていった。
部屋の中は、いたってシンプルなものだった。物が何一つとして無く、コンクリートの壁と天井がむき出しになっていた。戦闘用の仮部屋のようなものなのだろう。
部屋の中央にボスが居た。プラント・インテリジェンスのボス、第1世界の破壊を企んでいる者だ。向こうから名乗ってきた。ジョノワールドというらしい。
取り巻きはいないようだった。ボスも一騎打ちを望んでいるようだ。それだけ腕に自信があるということなのだろう。決して油断することなく、気を引き締めて臨まなければならない。
ボスはあらゆる能力を使いこなせるオールマイティな人物だと噂されている。ありとあらゆる可能性を考えて対策を練らなければならないだろう。
まずは、あまり近づきすぎないことが大切だ。適度な距離感を保ちつつ、情報収集することが先決だ。しっかりと敵の攻撃を防がなければならない。ボスが相手ともなると、一発で致命傷を負いかねないのだ。
敵はまず魔法で攻撃を仕掛けてきた。魔力は大したことないようだが、体力がかなりあり動きも素早い。さまざまな属性の魔法を使いこなしているようだ。
剣術にも秀でているようだ。目にも止まらぬ速さで剣を振っている。どこに斬りこめばいいのかを熟知しているようだった。
他にもきっと尋常ではないレベルの能力があるのだろうと思ったが、実際のところは違っていた。魔法と剣術が並外れたレベルであるが故に全知全能のように噂されていただけのようだった。
どうやら敵は、僕のように魔法と剣術を融合させた戦い方はできないようだ。それぞれ別々にしか攻撃してこない。
どちらも僕が得意とするものだ。負ける気がしなかった。相手の攻撃をしっかりと読み取って、前もって動けるように次の行動に備えておく。これがとても重要なことだ。
僕は剣に炎魔法を纏わせた。そのまま間合いを詰めて踏み込んだ。当然ながら相手は剣を合わせて防いできた。ただこちらは普通の剣ではない。高温の炎なのだ。最近さらに強力なものになった。いとも簡単に相手の剣を溶かして破壊することができた。
剣を失った敵には、魔法しか残されていない。かなり激高している様子だったが、こちらは落ち着いて普段通りに戦えばいいのだ。相手はかなり焦っているようで、なりふり構わず魔法を繰り出してくる。落ち着いて対応していった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます