第6話 旅立ちの時

 中級試験の日から数日が経ってから、結果が通達された。緊張で手が震えながらも、封を開けた。するとそこには、合格の文字が書かれていた。喜びよりも安心の方が強かった。晴れて中級魔導剣士となったわけだ。

 母さんも父さんも、すごく喜んでくれた。応援のおかげだ。これからいよいよ、任務をこなしていくことになる。常に危険と隣り合わせかもしれない。それでも、己の責務を自覚して任務遂行できればと思う。


 翌日、コンゲルネとの面談があった。これから待ち受けていること、任務の厳しさと責任の重み。さまざまな説明があった。

 だけど逃げるつもりはない。自分で一度やると決めたのだから、投げ出したくはない。母さんと父さんの応援もある。自分にできるところまでチャレンジしたい。

 まずは簡単な任務から始めることになる。徐々に慣れていけばいいと言ってもらえた。少しずつできることを増やして、活躍の幅を広げていきたい。


 まず初めに簡単な敵を倒すことから始まった。どの世界にも、ゲームの最初に出てくるようなレベルの敵がいるらしい。敵の特性や攻撃パターンを熟知して、対応できるようになることが大事だと言われた。

 今まで地道に努力を重ねてきたこともあり、落ち着いて対応すれば難なくこなせる。さらに経験を積んで、スキルをより強固なものにしていくことが重要だ。

 敵を知ることが何よりの近道だ。敵のことを知らなければ、有効な対処法も分からない。場数を踏んでいきたい。


 1ヶ月くらいが経ってから、より強い敵を倒す段階になった。もちろん今まで通りとはいかない。敵の動きが俊敏なので、しっかりと読み切らないとやられてしまいかねない。

 たとえ強い敵であったとしても、何かしらの弱点があるはずだ。それを短時間で見つけなければならない。瞬時の判断が強く求められるのだ。

 数をこなせばその分だけ慣れていくことが出来る。しかし、慣れすぎて油断してしまうのは本末転倒だ。適度な緊張感が必要になることだ。










 数ヶ月がすぎた頃には、今まで以上に敵を倒すことができるようになっていた。自分でも成長を実感することができた。成果が目に見えて分かるのは嬉しい事だ。

 この頃には、そばに母さんの姿はなく、自力でなんとか対処できるところまで成長していたと思う。父さんは熱心に応援してくれている。

 いよいよ任務につくことになる。たとえどんなに大変なイバラの道でも、自分ができること、やるべきことをきちんと把握して実行していきたいと思う。己の責務を自覚して、任務遂行を成し遂げたいところだ。

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