第4話 ステップアップ

 初級試験に無事合格することができた。中級試験を目指して、さらなる修行の日々だ。へこたれたりなんかは、していられない。責任と誇りを自覚して、よりいっそう頑張っていかなければならない。

 今まで以上に厳しく大変な修行になることだろう。もちろん辛いこともいっぱいあると思う。だけど、母さんがそばに居てくれる。応援してくれる人がいるというのは、とても心強い。すごくありがたいことだ。

 そろそろ父さんにも話しておいた方がいいのだろうかと思う。母さんは内緒にしておくのがいいと言うけど。きっと父さんなら分かってくれる気がする。


 夕食後、父さんと話をすることにした。おそるおそる、話を切り出した。最初は何を言ってるんだという感じだった。だけど、じっくりと真剣に話をしていくと、僕が確固たる覚悟を持っていることが伝わったようだ。

 驚くことに、母さんがワールド・トリッパーであったことも、なんとなくだけど気づいていたらしい。家事や育児をできる限り手伝って、影ながら支えていたみたいだ。













 今後はより強固な肉体とゆるぎない精神力が必要とされる。今まで以上のトレーニングをしなければならない。

 学校、勉強の時間もしっかりと確保する必要がある。トレーニングを理由に勉強する時間がないというのは、甘えでしかない。もちろん、一般的にはそれも必要な時があるだろう。だけど僕は、ワールド・トリッパーのタマゴなのだ。言い訳をしていたところで、何も変わりはしない。

 どうすれば効率よくこなせるのかを考えた。日常の動きの中で、トレーニングに繋がるものが無いか探してみた。


 一度コツを掴んでしまいさえすれば、あとは容易い。どんどん結果がついてくる。やればやるだけ、目に見えて実を結ぶ。

 今では母さんだけでなく、父さんも応援してくれている。それだけでも心強いことだ。その分、期待も大きくなるだろう。一生懸命に頑張って、その期待に応えることができればいいなと思っている。

 自分でも、向上しているんだなということを実感することができて、すごく嬉しかった。周りからもかっこよくなったとか、たくましくなったとか褒められた。照れ隠しをしながらも、心の中で喜んだ。


 中級試験まではあと少しだ。最後まで気を抜かないようにしなければならない。油断大敵である。相当な自信もついた。

 落ち着いてトレーニングの成果を発揮できれば、問題ないだろう。もちろん筆記と実技の両方がある。片方に重きを置きすぎるのはよくない。

 両方とも欠かすことの出来ないものだ。魔導剣士になったので、試験は1個だけだ。だけど覚えることはより複雑化してしまう。

 中級試験に向けても悔いが残らないように努力したいと思う。

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