第一章 2『召喚で性格は変わる』
突然だが、俺は今『異世界』にいる。信じてくれる人はいないかもしれない。俺だって『本当か!?』と目を疑っている。でも、この光景を見たら本当だとしか言えない。信じることしかできないのだ!
俺は1人、どこか知らない道の真ん中で目をキョロキョロさせながら立っていた。周りの人は俺を変な目で見ている。エロい目で。なんてことはあるわけない。俺は思った。
——こっちが変な目でみてぇよー。
と。なぜなら、人以外のものがいるからである。
例えば、馬人間、ツノ人間、ライオン人間などだ。まぁ普通の人もいる。しかし、剣や杖を持ってる人間が多い。
おかしい。これは俺の住んでいた世界じゃない!
——あれ…?そういえば俺死んだんじゃなかったか…?
急に頭の中をその言葉が遮った。
じゃあここはどこなんだ。天国か?地獄か?それとも…。
俺はわかった。
剣や杖を持ってる人、馬人間やツノ人間などのいる世界。
そんなの一つしかないじゃないか!
ここは——
異世界だ!!!
確かに町並みもThe西洋風って感じだし、マンショなどはなく、一軒家があり、屋台らしきものが立ち並んでいる。これは異世界だ!と思わせるような感じだ。
というより、異世界といえば転生だが、体は前の世界と変化していない感じがする。
そうか。転生じゃなく召喚というものか!
あれ?でも、俺昔の世界で死んだから転生なのでは…?
どうゆうことになるんだ。召喚か?転生か?
いまいちわからないが——-。
まぁどっちでもいいだろう。
『あの…、そこに落ちてるリンゴとってもらってもいいですか?』
30代くらいの女性が俺に話しかけてきた。
少し話しかけずらそうな人に頑張って話しかけた感がする。
下を見てみるとリンゴが3つほど落ちてあった。
俺の性格ならこんなリンゴ取らないはずだが…。
なぜか違った。
俺はリンゴ3つをしっかりと取りその女性に返したのだ。
自分でも思った。
———どうなってんだ?
異世界に召喚?転生?されたから性格が変わったのか?
多分それしかないと思う。
別に好きな女性のために性格を変えたわけでもないし…。
やっぱそういうことなんだろう。
まぁ、俺は性格が変わったことを嬉しく思った。
それだけだ。
——寒ッッ
急に風が吹いてきて寒くなった。
こんなに寒いことなんてあるのか?
というか、さっきからなんだが体が異様にスウスウする。
服がなんか変なのか?そう思い、体を見てみた。
——あれ………?
俺はその途端手で伝説のエクスカリバーを隠した。
そう。
めちゃくちゃ恥ずかしいが、俺は裸だったのだ。
だからか。俺はようやく理解した。
周りの目といい、さっきの女性といい、俺のことを変な目や話しかけづらそうにしていたのは、俺が裸だからだったのか!
しかし、俺はこのことに耐性が付いている。
たしかに自分が裸だと気付いた時は少し恥ずかしかったが、まぁ自分が裸だと知ってしまえば余裕さ。
なぜなら、俺は親と妹にエクスカリバー上下運動の儀式を何回も見られてるからだ。
エクスカリバー上下運動の儀式とはなんなのかって?察してくれ。
そう。俺はこの儀式をほぼ毎日のようにみられることにより、俺のエクスカリバーを見られることに耐性が付いたのだ。
だから、俺はこんな大勢に見られてもだいじょうぶ…。
な、わけねぇーだろ!!
俺はとっさに家と家の間の路地裏っぽいところに隠れた。
『はぁはぁはぁ』
結構猛ダッシュで走ったからか、体力を削ってしまった。
『あんた。なんで裸なのよ?』
路地裏っぽいとこの後ろからおばあさんが俺に話しかけてきた。
そのおばあさんの顔は何度も色んな人のエクスカリバーを見てきた目。性欲などあったこっちゃない。っていう目だった。
『あんた。服持ってないなら、私んちんのとこきてみぃ。服あげるよ』
そういい、おばあさんは俺をこっちこっちと手招きし、
さっきいた道の方に案内された。
俺はまた道に出るのか、と思いながらエクスカリバーを隠しながらあの道に出た。
案の定、周りからは変な目で見られている。
2分くらい、その道を裸のまま歩いた。
すると、おばあさんが結構綺麗そうな店の前で立ち止まった。
『ここよ』
といい、その綺麗な店に入らせてくれた。
店員などはいなかった。多分だが、一人でこの店をやっているのだろう。俺は何だか切ない感じがした。俺がエロゲーをやってる中このおばあさんは…。
そう思うと何だか泣けてくる。
『これ、絶対あんたに似合うわよ』
そうおばあさんがいうと、白色のTシャツと黒色の毛皮のようなコートとパンツと黒色の長ズボンを持ってきてくれた。
俺はそれを無理やり着せられた。
『似合ってるわよ!これあげるわ』
そうおばあさんがいうと俺を無理やり外に出した。
『これ着て町を歩けば何にも恥ずかしくないわよ!』
俺はそのおばあさんに頭を90度さげ
『ありがとうございます!また来ます!』
そう言った。おばあさんは手を振り俺を見送ってくれた。何だか、そのおばあさんの目は悲しい目をしていた。
俺はあのおばあさんにいつか恩返しがしたいと思った。
鶴の恩返しのように服を作ったりすることはできないが、なんらかの形で恩を返せたらと思った。
俺ってこんなこと考える人間だったけ。
俺は自分で思った。
——性格変わったな
と。
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