第一章 異世界魔物編

第一章 1『人生は死から始まる』

—-ここはどこだ!?


 1人の少年が道の真ん中で目を閉じたり開けたりしながら立っていた。

 この道を初めて見るような目。

 この世界を初めて見るような目。

 目をあちこちに動かしながら、口を開けポツンと立っていた。

 周りからは『なんだこいつ』という目、驚いてるような目、ドン引きしてるような目、ひかれているような目で見られていた。

 それくらい、その少年は変な目と口をして立っていたのだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 立花 須戸(タチバナ スト)は平成日本生まれの日本育ちである。ちなみに童貞だ。後、妹もいる。


 彼の顔はイケメンでもなく、ブサイクでもない。性格次第ではモテたであろう感じの顔だ。まぁ、童貞だというに、彼の性格はやばい。一言であらわそう『ゴミ』だ。

 彼は昔から困ってる人がいても、楽しいななどといい共感を求めてる人がいても全無視。それが原因でか性格が悪いと言われるようになったのだ。

 一つ例を挙げよう。


『須戸ー。その鉛筆とってよ。』

『—————-。』


 こんな感じだ。

『鉛筆を取ってよ』と言われても完全スルー!

 もう一つ紹介しよう。


『須戸ー。お前に飲み物買ってきたぞ。』

『うん』


『うん』ー!?飲み物を買ってきてくれたら普通『ありがとう』だろ。少し、失礼でも『あざす』とかだろ。ってみんな思う。

 まぁ、こんな感じの性格だ。——



『え。俺そんな性格だったのか…?』


 学校から帰ってる途中、須戸は驚いた表情で聞く。


『え…。そうだぞ。自分でも気づいてなかったのか!?』


 須戸の友達の龍斗は、須戸に須戸の性格について話してあげていたところだ。


 俺は龍斗に聞いて始めて自分が持てない理由がわかった。だから、俺は女子から嫌われていたのか。

 でも、『ゴミ』は少し言い過ぎだろ。

 まぁ、こんなに言われても俺には『あれ』がある。


『じゃあなー。また明日。』

『お前、俺の性格ゴミとかいったんだから明日ジュース奢りなー。』


 俺は帰宅した。

 家は、平成初期に作られた木造建築の家。

 外観は綺麗でも汚くもない。

 内装は、リビングは綺麗だ。後、階段も綺麗。あっ後、妹の部屋も綺麗だ。あっ、後は…。そうだ。寝室も綺麗だ。

 俺の部屋は?って。察せ。


 家のドアを開け、玄関に入る。まずはリュックをそこらへんに放り投げる。そして、手を洗う。その後にリビングに行き冷蔵庫を開け、2Lのコーラ×2と柿ピーの袋×4と家の近くにあるスーパー限定のアイス(1個68円)×2を持ち、2階にあがる。

 ここまでの行動は約1.5分間の間に終わらせる。とてもスムーズだ。今日は調子がいいのかなぜか、58秒でこの行動ができた。ついてるな。

 後付けだが、俺はデブではない。

 さっきの続きだ。2階に行き、妹の部屋の隣の自分の部屋に入る。少しちっちゃめのテーブルにさっき持ったお菓子を置き柿ピーの袋を開ける。そして、テレビをつける。

テレビにゲーム機を繋ぎ、あの伝説のゲームをやる。その名も、『エ ・ ロ ・ ゲ ・ ー』だ。


『あれ?そういえば俺って17歳だったよな。で、このゲームはR18。ふん。そうか。だからなんだ?』


 俺はこんなことを毎日独り言でいっている。もぅこわい。自分でも思う。どうしようも無いな。

 ちなみに、俺がエロゲー好きと言うことは妹も親も知っている。友達にはギリギリバレていない。 

 こないだ、龍斗が家に来た時は焦った。


『おい、この引き出しあけていいかー?』

『やめろよ。開けんなよ。絶対に開けんなよ』

『わかったよ。じゃあ開けるよ』

『だからやめろっていってんだろー。』

『あっラインきた』


 こんな感じだ。あの時は本当に危なかった。バレてたら俺の学校の居場所がなくなっていた。でも、友達だから黙ってくれるだろうって?あいつは口が軽い。ふざけ半分で色んな人に言うかもしれない。それで一軍の男子とかにバレたら…。一生の晒し者だ。

 そんなことより、


『エロゲーやるぞーー!!!』


 

『また明日なー。じゃあな。』

 

 俺は龍斗が奢ってくれたジュースを飲みながら家に帰っていた。

 家に入りいつも通り、バッグを投げ、手を洗い、冷蔵庫を開ける。


——あれ?


 なんと、アイスがなくなっていたのだ。

 俺はあまりのショックに一瞬倒れ込んでしまった。

 ソファーに座っていた母から変な眼差しがきた。

 俺は立ち上がり近くのスーパーにアイスを買いに行った。

 

 スーパーについた。アイスは冷蔵庫に貯めときたいから7本くらい買うか。一個68円のアイスを7本、カゴに入れレジに向かった。


『えっと。7点で476円です』

『はい』


 俺はそう言い財布の中身を見た。

 ない。ない。ない。ない。ない。


『お、お客さーん』


 店員さんが話しかけてくる。


『すいません。やっぱ5本にしときます』


 そう。俺の財布には360円しか入っていなかったのだ。

 そんなこんなでアイスを買うことができた。走って家に帰ろう。

 俺は走ろうと思い構えた。

 よし。

 3.2.1で走った。


『こっちの世界に来て』


 急に頭の中に誰かの声が流れてきた。可愛らしい少女の声だった。

 とうとう俺も幻聴が聞こえるところまで落ちたか。

 そうして、また走った。


『あなたがこっちの世界に来ればもしかしたら—-…』


 また声がした。

 2回も聞こえてしまうなんて。俺も落ちたな。

 また走り出した。


『あぶねぇぞ。坊や』


 次はおじさんの声がした。また幻聴か。

 まぁ本当だとしても無視するがな。

 俺の性格上、こういうのは無視してしまうのだ。


『おい、本当に止まれ!!』


 ふっ無視だ。無視。幻聴はうるさいな。


 ん?


 いや違う。これは幻聴じゃない。


 俺は右を向いた。

 点滅しているあかり。近づいてくるでかい何か。

 それはトラックだった。


 俺ははねられた。————-


『おい。大丈夫か』

『だれか。緊急車を』

『おい。おい』


 意識が朦朧とする中、色な人の声が聞こえた。


『うるさ…いな』


 俺の声は届いていなかった。

 ちょっと痛みが来た。なんか痛いな。寝るか。


——2018年 11月 5日 立花 須戸 トラックにはねられ死亡——


 俺は自分の性格のせいで死んだのだ。

 俺は気づいた。

 

なんで俺は死んだのに意識があるんだ?——


 ピカッと。突然光出した。

 死んだから目をないはず。なのに光が見えた。

 あれ?

 手?口?鼻?足?なぜあるように思えるんだ。

 目を瞑ってる感覚もした。


——開けてみるか。


 目を開けた。

 すると、そこには見たこともない世界が広がっていた。


『ここはどこだ!?』


——————————————————————-

キャラクタープロフィール

名前 立花 須戸(たちらな すと)

年齢 17

趣味 エロゲー

性格 めんどくさがり屋?よくわからないがゴミ

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