エピローグ
それぞれの旅路
───
ルシアとヒビキは、出産後の様々な不自由を考え、フォルテザにあるドゥーウェンの新居へ、1年間身を寄せた。
そこに普段家主ドゥーウェンをマスターと呼称し、付き従っていたベランドナの姿はなかった。
彼女は結局、
このストイックなハイエルフは『自分は未だこの世界を知らなさ過ぎました』と言い残し、最終決戦終結後、同じハイエルフのレイチと共に旅に出たのである。
大体そもそも彼女に限らずハイエルフの様な
───それは判る。
だがゴブリンやエルフ、ドワーフなどといった連中すらも己が創造の内に
余りにもそれは話が
人類が
ベランドナがほのめかす『世界を知らない』とはそういった心持ちもあるのだろう。
では、ドゥーウェンが
旅から戻った
ドゥーウェン自身も
やはり女の独り身を多少なりとも
加えてこの
こうしてレイの新しい片割れとなったドゥーウェン。
エディン自治区とフォルテザが、
そこで同地区を発展させ、他国と対等に渡り合えるべく、フォルテザをアドノスの首都とする提案を他の自治区へ打診する。
これは結果を見るまでもなく、満場一致で決定した。あと元来の首都であったフォルデノ王国は、余りにも
また2092年から持って来たオーバーテクノロジーは、極一部の生活を豊かにするもの以外、これを凍結。特に戦力となる技術は、完全徹底させた。
さらにAYAMEのプログラムを完全
現在アドノス島以外の世界観は、マーダとルイスの力で成立した、およそ西暦1910年代に限りなく近しい。
サイガンの実に適当な歴史観がベースなので、ズレが生じいている箇所もあるが、これ以上の影響を与えない様にドゥーウェンが気を
こうする事で以後の世界は、まるで同じ歴史を繰り返すと
サイガン
パラレルワールドの構築を推し進めたのは何故か? それは長くなるので後にしたい。
ジェリド・アルベェラータ一家は、ラファン自治区のエディンの街に、ロイドを迎えて住み続け、エディンの
ローダ達に誘われたロイドとリイナが中抜けしたことも有りはしたが……。
また一時期、ジェリドはフォルデノの復興支援にも出て行った。後輩バルトルトの思いへ応えるために。
我がおてんば娘が無事、ロイドと結ばれた事に
一方、森の天使であったリイナは、17歳を過ぎてから身長が急成長を
さらに不死鳥の力を受け継いだ功績で、エドルの大司祭の座も受け継ぎ、カスード家の後継を育てる事にも力を注いだ。
ただ子宝には恵まれず、アルベェラータ姓は、養子のロイドで尽きると思われた……が、意外な
此処にプリドール・ラオ・ロッソ改め、プリドール・
しかも子に恵まれぬ娘夫妻を尻目に、世継ぎすら
プリドールは戦を失い、ただの守備隊という
そこでラオを離れ、情勢不安定なフォルデノに移住。たまたま再会したジェリドと恋仲になった。
ジェリドがエディンに戻る際、プリドールが子連れで付いて来て、ロイドとリイナは大層驚いた。しかし父の再婚を大いに祝福したのである。
待て待て………赤い
ランチア・ラオ・ポルテガ、遊び人の様な彼が別人の如く、ラオの豊富な海産資源と、観光資源を大いに活かすべく懸命に働いたのだ。
プリドールはおろか、女遊びには目もくれなかった。寄って赤い鯱の結婚候補より外れた次第だ。
実は商才があったことが知れる。
ガロウ・チュウマこと本名『
その後、彼が
ただ、イギリス艦隊が鹿児島を襲撃した
しかもこの島津武士、
これが史実ならば、家まで送らせた上に
また第二次世界大戦の折、日本・ドイツ・イタリアとの三国同盟に於いて、
これも同姓だけで、彼と
一方、ルイス・ファルムーンは、フォウ・クワットロ改めフォウ・ファルムーン。そしてローダ・ロットレンと共に、一度
自らが添い遂げる相手を紹介し、
父ラムダの横暴ぶりに、神童で在りながら家を
アドノス島へ戻った彼は、定住地を荒れ果てたフォルデノとした。
国としての機能を失ったフォルデノを、他と同様のフォルデノ自治区と繰り下げ、初代区長として、同地区の復興に尽力した。
また荒廃したカノン自治区をフォルデノに統合し、夫婦
フォウ・ファルムーンは、失われた
尚、子供は三人。双子の男女に加え、次男が一人。血縁による跡継ぎは
───そして時間は過ぎ去り、無情にも彼等の
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