《番外編第8話》銀同士の馴れ合い
「………
リイナがロイドと喧嘩し、一方的に突き放してから数日の朝。馬車の中で二度寝をしていたレイがリイナによって
二丁拳銃という超攻撃性に
「何故ソレを俺に話す? そこは
本心を
「る、ルシアお姉さまは、何て……いうか、その……既に
物凄く申し訳ないといった表情を見せるリイナである。とても失礼なことを訊ねている自覚はある。「
言わば
喧嘩した
「………ったく。んで、消去法で俺って訳か」
「ご、ごめんなさい、ごめんなさい本当に………」
寝起きで乱れた頭を
「いや、まあ……その、アレだ。俺は嬢ちゃんとロイドって奴の
苦笑いしながら如何にも銃使いらしい言い草で応じたレイに、陽が差したように明るい顔を見せるリイナ。レイが「
レイが案内したのは子供でも足が底に届きそうな小川だ。
その川のせせらぎと新しい朝を迎えた喜びを伝え合う小鳥達の声に耳を
先にレイがその川淵に腰を下ろし、冷たい流れに素足を突っ込み、自分の隣に座るように地面を小突く。リイナは全く逆らわず、水
それからリイナは
初めのうちは顔を合わせず
レイは自分の反応に正直驚いている。
まさか恋バナなどという
「………ウーンッ、そうだなあ。確かに嬢ちゃんの言いたいことは判る。自分の中に住んでる
川の流れに足を遊ばせながら腕組みしてレイが言う。
「………そ、そう、ですよね」
自身の気持ちを肯定された。此処は
後ろ髪を引かれたようなその顔に、銀髪の銃使いは
(成程……。やっぱ此奴
レイがこの心地良さの本質にようやく気づく。ただの女子トークを楽しんでる訳じゃない。
頭の良い立派な大人女性と
「なぁ、
「嫌いです、
リイナが自分の
嬢ちゃんを珍しくリイナと呼称し直したこと。そして隣で煙草を吸う行動理由すらも、立派な大人と認識したが
「嗚呼………普段
「………?」
レイがリイナの青い瞳を
「好きな野郎、
「………っ!」
まるで本物の拳銃に
「増してや
「………っ!? え、あ、は、はい………そう、ですね」
此処でレイが意地の悪い顔つきで大人の
「良いね、良いねぇぇ青春って奴は。今どきはアオハルって言うんだっけか?」
「………っ!」
レイの
顔が火種になった程に燃え盛っているリイナの肩をポンッと
要するに喧嘩というよりロイドとリイナに取って大切な
肩を弾いたレイの平手が背中を押してくれたように感じたリイナであった。
「………ンッ? ンンッ!?」
此処でレイが妙な声を発したのでリイナも釣られて同じ方を見る。そこには
金髪で全裸の女性が川の流れに逆らって、大いにバタついているではないか………。
「な、何をやってんだ。あの乳デカ姉ちゃんはっ?」
「お、お姉さま………。幾ら暑いからってまさか
レイが「アチャー……」って言いつつ頭を抱える。リイナもこの間「ルーズ過ぎる……」と釘を刺したばかりだというのに。
「あらっ? 随分珍しい組み合わせじゃないっ! ホラッ、二人もおいでよ。お風呂入れてなかったから気持ち良いよぉ!」
然も川岸にレイとリイナを見つけたルシアが全くの
「うっし、俺等も行くかァッ!」
「えっ? ええええっ!? きゃあぁぁぁっ!!」
ザブンッ!!
威勢良く川に落ちた二人分の音と水飛沫が上がる。レイがリイナの腕をガシッと
至極当然、着衣が
そのまま「そうら、裸の付き合いだっ!」と、如何にもそれっぽいことを
「おぉっ! リイナ、お前
「や、やめて下さいよっ、恥ずかしいっ!」
レイにその
「へへっ、これじゃ
「………っ!?」
此処から大人女性が
処でこれ程
―………平常心、平常心、要は風呂に入っているようなものだ。
「ローダ先輩、
知れ顔を
こんな平和なひと時にその後、
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