第13話 二刀の正体と不殺(ころさず)の押し付け
AYAME Ver2.0 アイリスを何故此処まで引っ張る必要があったのかガロウに問われたドゥーウェンが何故か
(い、言えない。平成の格ゲーみたいに、ある程度ダメージを受けたら条件を満たす設定にしたなんて! これだけは誰にも言えない……)
ドゥーウェン………今でこそ金髪と181cmという高い身長を活かし
オタク思考の彼らしい設定といった所か………少々痛々しい。
またドゥーウェンにはもう一つ、本当に答えられないものがある。確かにルシアは
一方ローダ、測定値では充分だったものの、けれど受けたダメージと言えば、両腕が凍傷になった事と、かまいたちによって負わされた傷といった程度。
戦いによる疲労はあるだろうが、ドゥーウェンの認知する条件には程遠い。
つまりローダが条件を満たした理由を彼は語れないのだ。
「おーっ、やってんなあ………ティンの奴は殺られちまったのか」
「お前、
遅れて二丁拳銃使いのレイが姿を現し、
後ろを振り返り、ガロウが
「いや、あんな
「ハア? お前がそんなガラか?」
「レイだったか………後ろに何を隠している? ドラゴンというのは
ジェリドがレイの背後を気にしながら、自分の知識を開いてみた。それを聞いたレイは
「てめえ……呆れた女だな。そういうの
「まあまあ、細かい事は言いっこなしって事で。それよりもアレが、俺から
ガロウが呆れた
「「ハァッ!?」」
「何二人して驚いてんだ? 俺様の二丁拳銃、
ガロウとジェリドの驚きが重なった。そんな驚く二人を
「いやいや、
「アッ!? お前らそれでも戦士かあ? 嗚呼……そうか拳銃、いや、拳銃使いを良く知らないんだな。なら仕方ねえか」
ガロウが右手を振りながら
「優れた拳銃使いってのは、
レイはドヤ顔で二人の戦士に向かい、何も持っていない手を突き出して首を
「………まあ、もっともあんな二刀の使い方はしないがな」
そう言ってからレイは、ヤレヤレと締めくくった。
(成程、合点した。しかしさっきの示現流
合点がいったとジェリドは思う。けれど
ローダと士郎の戦いに話を戻す。
ローダは例の
「フンッ!」
ローダと全く同じモーションで氷狼の刃を下方から繰り出すと、なんとマグマの様な攻撃を氷の壁に
(一瞬で!?)
驚くローダを
上下左右、前方、後方、ありとあらゆる所から氷狼の刃が襲いかかる。
ローダも二刀を
氷狼の刃を操る士郎が青い輝き、対するローダは赤い輝きでもって空に映える。剣を交える度に互いの光が飛び散るのが美しい。
(んっ?)
ふと自分の身体が重くなっている様な気がするローダ。激化する士郎の剣技に応対するのが遅れそうになる。
(……かかった)
士郎は心中だけで笑いながら、下段からの
「ウグッ!?」
ローダの顔が苦痛に
宙に浮いているので移動にこそ
このまま長時間戦うのは極めて危険だ。加えてさらなる不幸が直ぐにやってくる。
(か、身体が言う事を利かない!?)
ローダの周りの空気が完全に白い。身体どころか、口を動かすのも怪しい。
これは凍気による攻撃である。先程の様に身体の一部だけを瞬時に凍らせるよりも時間はかかるが、ゆっくりと周囲の気温を奪われるで気づくのが遅れてしまうのだ。
「頂くッ!」
やはり士郎は、ローダの首を
するとローダの全身の赤い輝きがさらに増す。特に左の日本刀の赤が
凍気は
「馬鹿なっ! 動きも出来ない奴が一体何を!?」
「何ぃ? ………それはいよいよデタラメだ。もっとも俺にも
慌てて士郎は爆発を避けると、蒸気を振り払いながらローダを必死に探す。
その様子を見ていたガロウだけが苦笑いする。
「
(………くっ! 自爆ではないか!)
ローダは煙を払いのけると堂々とその技の名を告げる。自らの体温を瞬時に急上昇させ爆発させたのだから、無傷ではいられない。
凍傷を負いそうな身体であったのに、あちこちに火傷を負っている。
この
「示現真打! 『
ローダはノーモーションで、赤く
流石の士郎もこれは避けきれずまともに喰らう。
「何ィィィッ! ぐわぁぁぁ!!」
士郎の身体がくの字に曲がり、その胸から血が吹き出す。傷を押さえながら初めて
「あの野郎っ! また俺の技をっ!」
(
「………やはり未だに彼は
ガロウの気持ちを
「何故だ………」
恐らく肺を
「何故だ何故だ何故だっ! 貴様とうに俺を殺れているだろうっ!」
「………決着はついたんだ、無駄に死ぬ事はない」
静かに
「
怒りの
なれどもう力が入らないのか、ローダはいとも簡単に右のロングソードで受け止める。
「嗚呼、無駄だと言った。貴様程の男が、マーダなんかのために命を散らす事は無駄だと言っているんだ」
(………ローダ、それは死より受け入れ
サラリッと言ってのけるローダを見ながら今度はガロウが首を横に振る。誰が何と言おうが今の士郎は「マーダなんか………」に
負けるのであれば、そのまま生き恥を
………此処に至ってなお
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます