流れ
尊(みこと)
頑張ってる。
芥川賞、直木賞受賞作品!!
「あ、」
本屋さんに並んだ本にそう書かれていた。すごいことだとは思っていたが、やっぱり小説とは触れ合うことがなく、凄さがそこまでわからなかった。
私は昔から物語を作るのが好きで、イラストを描いてはその子に設定をつけるような人だ。
そしてとある日、学校の授業で物語を書くときがあった。私のペンはすごいスピードで進んでいく。周りの子はみんな「どうしよう」だの、「わかんないよー、」だの、色々言っていた。その時私は無我夢中で楽しかった。誰にも面白いとは言われなかったけど、楽しかった。
それから私は少しづつ小説的なものを書いていた。
「えっーと、こういう話いいかも!」
そして台本のようなものを作っていたりもした。
「こういう話面白そう!」
そしてそれを友達に見せたとき、
「なんかすごいね」
そういう意見ばかりだった。今思えばそこまで褒められていない気がするが、その時の私は無駄にやる気が湧いてきた。そして毎日のように物語を書いていた。
そこから数カ月後のこと。
部屋で私は暇だと思っていたときのことだった。
「あ!こんな話いいかも!」
久しぶりに脳と手が追いつかなくなるほど書きあさった。
私はそれを自己ベスト作品だと思った。だからその作品は何度も見直した。
「あ、抜けてる」
「あ、誤字」
そんなことを思いながら何回も、何回もその作品を見直した。
そこからはたまた数カ月後。
「そういえば私小説書いてたなー、」
その時私は本が好きな友達と話していた。
「へー!読みたい!」
何人かにそう言われた。
(求められてる…)
私はすごく嬉しかった。
そして次の日は金曜日。2日かけて私はスマホに書いた小説を4話分くらい書いて月曜日、みんなのところへ持っていった。
「めっちゃ面白いじゃん!」
色々な子にそう言われた。
「え?!ほんと?!」
初めて心の底から嬉しいと言える幸せだった。
そしてその日から毎日その小説を書いては持っていって、褒められて、それをやる気に繋げていた。そしてその話が終わったときにはみんな
「すごく面白かった!」
「もっと書かないの?」
など、色々言ってくれた。
そして家に帰り、母親に報告。
「私今日みんなに褒められたの!」
そしてその日も、次の日も、私は新しい話を書いては読んでもらってを繰り返していた。
するととある日家に帰ってきたときのこと。
「なんかさ、ネットに上げちゃえば?」
母はそういった。
「え?!」
私はどこかすごく嬉しかった。
そして私は小説をネットにアップ。その次の日の朝のこと。星が3つつけられていた。
「え?…」
一瞬頭が止まった。その後私は朝からありえないほど喜んだ。寝起きとは思えないほど。
「ほんとに?!マジで嬉しい!!どうしよう!!ほんと嬉しい!!!」
そんな感じだった。それは学校にいるときもだった。
「へーすごいじゃん」
いろんな子にそう言われた。
「だよね?!やばいよね?!」
私はその日から毎日アップした。
そしてとある日。レビューメッセージが来た。
「普通に面白いと思いますよ。毎日書いていればすぐ上手くなりますよ。」
「え?!」
そこで私のやる気エンジンはもう一度MAXでかかった。
「よーーーし!」
また、毎日の小説づくりが始まった。
今年の芥川賞、直木賞は〇〇さんです!
そのニュースを見ているとき、どこか憧れと自分への疑いの感情が出た。
「なんで私はできないんだろう。」
でもその後すぐ思った。
「あ、すごいと思えてる…」
自分でもびっくりした。
そしてスマホからの通知。
〇〇さんがあなたをフォローしました。
「頑張んないとね!…」
流れ 尊(みこと) @mikorintan
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます