特別編 真夏の昼酒、昼語り
8月11日。海の日、祝日。
こんばんは。改めこんにちは。邑楽です。
もともとダラダラ呟く程度に書いていたこのエッセイのテーマは『仕事で帰宅した後に晩酌しながら酔って雑感を書く』であり、タイトルのとおり更新のタイミングも『おおむね21時~24時』とした。
それが足かせとなった。
今、職場では業務が遅滞しており毎日割と地味に残業している。
疲れて帰ってきて、酒飲んでぼやいているうちに日付が変わってしまう。
それよりも早く寝て明日に備えなければいけない。
カレンダー通りには休めるが、土曜は疲れから家事を終えたらまた昼寝。あっという間に夜になってしまう。
日曜は買い物やら残りの家事を終えたら、もう午後だ。昼寝をしているうちに月曜が迫って来る。
なので、このエッセイが止まった7月24日あたりが、ちょうど仕事でトラブりだした頃だ。
今は限られた余暇を新作『越の翠華』の執筆に時間を集中させている。
ハードディスクの中は、お笑い番組やドキュメンタリーが溜まり、購入したCDやDVDも全く観れていない。
お盆は世間も休む人が多いだろうから、ここで仕事を一気に挽回したいところ。
まだまだ残業も無くなりそうにない。
月末に取得したフレックス休暇までには落ち着くといいなぁ。旅もあるし。
そんなわけで、平日の真ん中にぽっかりと入った祝日を利用して、昼からビールなぞを飲んでみる。もちろん自宅でだ。
エアコンの効いた室内で缶ビールを1本、2本。
煙草を吸いに外に出ると青い空。高い雲。セミの鳴き声。蒸した空気に少し強めの南風。
という具合に状況説明しているだけで六百文字を費やす始末である。
まぁ、何が言いたいかと申しますと、夏は良い、エモい、ということです。
以前も書いたけど、夏生まれのくせに夏が大嫌いだった。
昼間は暑いし汗をかくし、夜は夜で窓を開ければ寝苦しいし一晩エアコンをつけたらうるさい。
蚊は沸くわ、夕立ちに降られるわ、セミはやかましいわ――。
そういえば子供の頃から夏休みって、あんまし夏のアクティビティとか海やプールのレジャーも好きじゃなかったっすね。
とにかく暑いからうんざり。外出もげんなり。そんな自堕落な子供だった。
オッサンになる前は毎日、夏の通勤や外回りが地獄で『早く夏終われ!』って感じだったのに、今はどうでしょうか? 二十四節季ってご存知ですか?
今は暦の上では立秋。と言っても、まだまだ暑い日々が続くけれども。
そして23日には処暑。暑さも目処がつく、という時期になる。
単に、キリンビールが『秋味』を発売し始めるから秋を感じるということではない。『秋味』を飲んでようやく秋の到来を実感するわけではない。
わたしは根っからのサッポロビール派だが、サッポロさんはちょっとぼやけた第三のビールで秋商品を発売するのでファンとしては困惑する。
悔しいがキリンの『秋味』は美味い。
それはさておき、こうして大人になって社会の歯車のひとつとして、何気ない退屈な毎日を送る中で、夏を肯定的に捉えるようになったのは、やはり執筆が大きいのですよ。
夏をテーマにした作品を二作ほど書き上げ、どちらも取材旅行と称して完成前から何度も街を訪れるということをした。
関東平野のど真ん中、群馬県は思わず脱帽と言うほどに暑いし、京都の盆地も割と攻撃的な熱波が攻めてくる。
どちらも都市部を描かずに、少し山奥の涼しげで寂れた場所を主人公たちの生家にしたのは単に旅行と取材を兼ねた避暑だからかもしれない。
加えて、二十四節季といった日本古来の伝統的な四季の考え方、捉え方というものが大人になってから非常にわかりみが深くて感心するのですよ。
たとえば、六月末には早々に梅雨明けしたくせに、七月中旬は戻り梅雨か?と言うほどに雨が多かったが、それから突然に暑くなった。
さらに三週間ほど経ってみて振り返るとどうだろう?
わずかに日没も早くなり、午後六時半過ぎには茜空という具合。
日没が早いから夜の熱帯夜でも、以前よりは気温と湿度が下がっている。
夜風も心なしか涼しいし、セミに混じって気の早い虫の声もする。
そして子供たちには早くも夏休みの終わりを予感させるのか、街に漂う
こういう空気を肌で感じる愉しさはまさに、執筆という世界を通じて物事を捉えるカクヨム作家の諸氏、我々の特権であると胸を張っていいと思います。
だからこうして海の日が単発の休日の人も、お仕事の人も、有給休暇をブッ込んで連休作った人も、日の出や日没がほんの数十秒ずつだが秋めいてくるだろうし、今日と言う夏は必ず明日よりも過酷だったと実感できる。
逆に寒くて暗い長い冬も、日の出は一月の下旬を境に数十秒ずつ早くなる。
もうすぐ春がやってくる。
そう思うと頑張れません?
クーラーの効いた室内で缶ビール飲んでる奴に言われたくないと思うけどね。
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