企画会議という名の温泉旅行へ
行ってきた。
GWは全国的に混雑しているし、ホテルも旅館も宿泊代が高価い。
なので、少し時期をずらしてこの週末に京都へ。
カクヨムでは4本目の長編公開となるが、私の処女作でもある「神のまにまに」の取材地へ御礼旅行と称して。
貴船神社でお参り。この街に主人公が居る、と脳内補正で勝手に興奮する。
他にも上記の作品だけではなく、公募でのモチーフになるかな、と新作でアイデアをお借りした市内のお寺にも詣でた。
それは決して京都の話ではないが、ともあれ、モチーフには違いない。
なのでお参りをした。
作品を書くにあたりネットで充分に背景や説話、由緒を調べたが、実際に現地に赴いて参拝すると、また違った良さを感じる。
以前にも書いたが、自分で創作している瞬間は苦難と徒労の連続であるが、いざ完成させて公募用のPDFにすると、あらまぁ不思議、まったく他人が仕上げた作品のように錯覚するから面白い。
聖地巡礼とは良く言うが、まるで自分が書いて自分が読んだ作品のファンになった自分が聖地巡礼をするみたいだ。
すなわち、私の作品で京都を扱った聖地は2作になってしまったわけで。
これはまた旅に来ざるを得ない。
そう思わせる趣きと良さが京都にはある。せめてコロナが世界的に落ち着きインバウンド観光客が増える前に、もう一度くらいは人の少ない京都に行きたい。
今回は神社の娘で巫女をする高校生の女の子を主人公に据えた。
だが単なる巫女萌えや、怪異もののけ系宗教ファンタジーにはしたくなかった。
また、当時はコメディものではなく、処女作は少しシリアス寄りのライト文芸的な作品を書こうと決めていた。
神仏をないがしろにするな、と強要はできないが、巫女の女の子を通して、世間の大衆は決して神仏を敬っている訳でも無く、でもじゃあ彼らは京都やお伊勢さんなどの神社やお寺になぜ参るんだろうか、という素朴な疑問(不満?)を作品に乗せてみた。
レンタル着物で京の街をそぞろ歩いているが、寺社仏閣にお参りする前に参道で買ったのであろう、お洒落カフェの抹茶スムージー的な容器を手に持って、ストローでズコズコ飲みながら境内を歩く、おしゃまな女の子の多い事ったらない。
大した礼儀だな、と思って訝しげに見てしまう。
そうかというと、別に年齢を重ねているから節度がある、という訳でも無い。
大型の観光バスから降りてくるご高齢の紳士淑女の参拝儀礼だって、中々だ。
そういうのばかり見えてしまうのは、私の悪い癖である。
その辺は、作中で登場人物たちに語らせてみた。
とまぁ、それは置いといて。
宿では夜な夜な、さらなる新作のために、私は友人達にプロットを披露した。
部屋で酒を酌み交わしながら、アイデアの端緒を発表すると、それを聞いた友人達は違和感を指摘してくれたり、さらに面白くなりそうな展開を返してくれる。
それに対して、私は新作で狙う作品のテーマや、目指すゴールを伝える。なので、賛同できない意見や指摘には反論する。
だったらこうした方がいいかも、という具合で彼らが返してくれて、さらにアイデアは煮詰まる。
最終的に採用するか否かは、執筆者である私に委ねられているが、ともかくも紆余曲折を経て得た、新たなプロットで作品を面白くできないかと思案する。
地酒や地の旬の物をいただき、温泉に入り、マッサージチェアを満喫する。
普段はできないような夜更かしをして、街を散策しながら、あーだこーだとさらにくだらない議論を尽くす。
ありがたい機会だった。
これでまた仕事も頑張れるし、帰宅してからの創作にも身が締まるという思いだ。
また来月には休暇があるから、どっか一泊しよう。
オフとオンの切り替えも大切な創作への導入だから。
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