腐乱死体作家

 腐った時ほど、執筆が良い。


 それは別に平日に仕事で、というだけではない。

 土日や休日だって、いろいろあったりなかったり。

 午前がメンタル最強でも、午後に陰鬱としてしまったり。

 朝はウンザリしていたのに、午後には元気になる日もある。


 あーだこーだと言っても、変わらない事もある。

 悩んでも事態が改善したり好転しない事もある。


 だもんで、腐った時は気分転換。

 それには創作の世界に身を置くのが良い。



 でも公募勢の私にとって、恥ずかしながら新作を書くというのは相当に疲れる。


 毎度ながら、本編の最初の執筆の取っ掛かりには本当に苦しむ。

 産みの苦しみと言うが、まさにそれだ。

 語弊があるが「冒頭やあらすじ」が書き慣れないという意味ではない。


 言うなれば、「無」から「有」を生み出す瞬間――。

 頭の中でぼんやりと考えて、文字に起こしてみたプロットを、いざ作文しようという瞬間が本当に苦手だ。


 そこには常に迷いが付きまとう。

 この作品はこれから面白くなってくれるのだろうか?

 この展開で本当にこの作品は良いものに仕上がるのだろうか?


 暗中模索のなか、書き出すという儀式が始まる。



 だから執筆でも何度だって腐る。


 自分の表現力はこの程度か~!と悩んだり。

 もっと面白くならねぇもんか?と苦しんだり。


 仕事でも、あのミスはこうして防げたな、とか。

 こうすればもっとタイムロスが無かったな、なんて事は普通であって。


 逆に言い換えれば、趣味の執筆と仕事。

 四六時中悩んで腐っているわけだ。

 うーん、やっぱり執筆って健全とは言えないもんですね。


 たまには散歩が良いかもね。

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