一粒万倍日、恩赦日、寅の日

 自分は公募派であり、普段も公募作の執筆ばかりしている。

 カクヨムはあくまでオマケであり、自主企画にお邪魔して短編を書いたりしているが、創作の欲求を短編に乗せて解消したり、公募用の長編にもならないアイデアの端緒を成仏させているだけだ。


 どーせ、自分なんかインディーズだもん。

 カクヨムコンだって、迂闊にも読者選考の事すら忘れてたから。

 応募規約を読み直して「あー、こりゃダメだな」って早々に諦めました。

 まぁ、まずはどんな媒体の公募でも、規約を良く読めよって話ですが。


 愚直に文章を書き続けて、公募で編集さんから評価シートで軽めに手痛いジャブを食らって、また必死に書いていくだけよ。

 それでも、プロの書評を得られるんだから、よっぽどありがたいってもんだ。


 逆に世に溢れる先発に似たような作品を書いて、評価されて嬉しいかね?

 けっきょくは、模倣の模倣の模倣の……いや、単なる愚痴です。

 週末だから、酒が進んだだけです。



 私は短編を除くと、主に公募で落選したり、せっかく書いたけど敢えてボツにした長編作品をカクヨムに掲載している。

 加筆修正は行っているが、基本的にはもうラストまで書き上げた作品だ。

 文字数の配分や展開をみながら、一話ごとに割り振って掲載するだけ。

 だからエタらない。

 必ず完結する。

 でも、それはなんとなく作品の成仏という題目でありながらも、やはり淡々と更新作業をしているだけではないか……そんな想いが去来する。


 ところが、近況ノート更新一覧を見ると、他の人はなかなかアグレッシブだ。


 シナリオに違和感があるから、巻き戻しする。

 おかしな点を指摘されたから、更新を中断して書き直す。

 場合によってはいったん作品を削除しちゃう――とか。



 言うなれば、少年ジャンプの作家だ。

 書きながら先の展開を考えて、それの齟齬が出てきたら作者取材のため休載する。

 個々人の中で、おおまかなラストやぼんやりとしたエンディングは決まっているのかもしれないし、無いのかもしれない。

 プロットはあるのか無いのか知れないが、書いてるうちに書きたい方向性が変わってきたら、その着地に悩む。

 だから齟齬が出てくるたびに修正するんだろう。



 そういうのちょっとわかる。

 なんとなく「今日の更新は休止します」とか言うと、俺はワタシは待っててくれる人のために書いてるんだ、って気持ちが得られるもん。

 私もそういう、先の展開とか考えず、プロット見切り発車で連載をしてみたいよ。


 それも努力と根性で完結を迎えるならいいんだが。

 もっと言えば、PVが伸びないだの星がつかないだのハートが得られないだのという残念な理由で、心が折れてやめてしまう。

 そしてエタった作品の墓場となる。


 そんなの評価シートに書かれてることに比べたら屁でもねぇよ。

 評価してくれた編集さんや下読みさん以上の人数にこうして読んでもらってるだけでラッキーだかんね?

 むしろプロになったら、もう誰も助けてくれないんだから。

 カクヨムに掲載してる以上、あわよくばPV伸びて書籍化の声が掛かってプロになりたいって想いのある同胞なら、我らの進む道は修羅の道だよ?



 あ~、でもこういうこと書くと、「プロ志向の人」とか思われるのが恥ずかしい。


 私はサラリーマンという安泰の社会保険と福利厚生があるので、今の執筆はあくまで「趣味」を公称している。

 ただ、一冊くらいは自分のペンネームで世に出して、いくばくかの印税が入ったら嬉しいし、別にそこからヒット作バンバン出す専業作家になるという夢想も無く、もうそれで夢は叶ったと言ってもいい。

 おまけに皆さんのように決して若くはないので、いくらか余った貯金で投資というものを行っている。


 だから、収入のポートフォリオとしては「給料、投資、印税」。

 この三本柱になったらいいな、と思っています。

 けっきょくは、やましい気持ち満々だし、下心まる出しなのでした。

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