カクヨムコンとかいう魔窟

 ある日突然、庭に出来たダンジョンに迂闊にも入ったらいけないよ。

 そんな危険信号だとは露知らず、誰もが冒険者となって無謀にも挑む。


 カクヨムコン。

 まぁ、応募規定をよく読んでいれば分かることだったんだが。

 まず最初に読者選考なるものがあり……

 ははぁ。ここでインディーズは全て淘汰されていくわけだ。


 好きなものを好きなように書いて、売れ線でもないマイナーな人はダメ。

 フォローも星もハートも少ない奴はダメなのだ。

 せっかく予選を通過したのに、残念ながら機内クイズで落選したらハワイにも到達できず、成田空港へとんぼ返り……というウルトラクイズの世界だった。

 いや、むしろ東京ドームの予選〇×クイズで既にリタイアというところか。


 でもしょうがないですよね。

 それはそれで流行の作風を取り入れようという各人の努力だと思う。

 自分は好きなことを淡々と書いているのだから当然。



 だが、うーむ。


 どうにも腑に落ちない感情は残る。

 Web小説という在り方を考えれば読者選考――すなわち人気の高さが受賞に近いのは理解できなくもない。

 これは私が取り組んでいる新人賞の公募とは真逆だろう。

 少し頑張ればプロの編集による書評がもらえる。

 それを糧にまた次作に取り組む。


 でもそれがWeb小説サイトによる公募なら、人気こそが流行であり、書籍化に直結しやすいのも事実。

 だから、売れ線の作品が多数応募される。

 売れ線になりそうな流行りがもてはやされる。

 それはいいんだけどね。


 しかし、どうだろう……

 キャラクター文芸っていうのに、お決まりのアレ感半端ない作品もちらほら。

 文芸ってどういう意味だったっけ。


 ラブロマンスで悪役令嬢ならまだわかる。ハーレム的な男性ものを応募するなよ。

 女性の読者が困惑するだろ。


 ラブコメはもはやノーコメント状態。


 極めつけは異世界ファンタジーというジャンルがあるのに、現代ファンタジー枠で主人公が「現代人」というだけで、またしても転生したり、ざまぁしたり、スローライフしたり、卸の問屋かってくらいジャンル分けが支離滅裂だ。


 読んでインプットも大事だと思うし、それをアウトプットして良い作品を作ろうと努力するのも大事だ。

 文章なんて書いてるうちにどんどん慣れてくるから文章力というのは問題ない。

 だからこそ最低限は必要な情報を自分でよく咀嚼して取捨選択する力こそが、読解力だと思う。



 などという愚痴なのであった。

 それならお前みたいなインディーズは応募規約をよく読んで、読者選考のあるWeb小説サイトの公募なんか初めからやめとけよ、って言われそうだね。

 金曜夜、晩酌はいつもより多めに。

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